夕鬱
じーっとみつめる、赤外線ストーブ
横で鳴ってる加湿器の音
この暗闇を乗せたまま、今日も地球はまわってる
なにを思って、だれを想って、なにを考えていれば、私は正解ですか?
朝になれば心のもやもやが結露して
私の目からなにかがこぼれる
窓を開けると冷たい風がおはようと、言ってくる
外の工事の音が今日も世界は正常だと、おしえてくれる
母に薦められた漢方を食前に飲んで、お腹が空いたら何かを食べる
私は今日も正常だ
天気がいい日は散歩をして
ママに連れられた子どもの影がのびて、それを夕焼けが焦がして夜になる
夜は熱い風呂に入って汗をかく
壁にかけた姿見に映る真っ暗な部屋、そっちもこっちと、同じなのだろうか
眠れなくて、ストーブの赤外線をみつめる
私の横で加湿器が静かに呼吸している
夕鬱