夕鬱

花野 尋

じーっとみつめる、赤外線ストーブ
横で鳴ってる加湿器の音
この暗闇を乗せたまま、今日も地球はまわってる
なにを思って、だれを想って、なにを考えていれば、私は正解ですか?
朝になれば心のもやもやが結露して
私の目からなにかがこぼれる
窓を開けると冷たい風がおはようと、言ってくる
外の工事の音が今日も世界は正常だと、おしえてくれる
母に薦められた漢方を食前に飲んで、お腹が空いたら何かを食べる
私は今日も正常だ
天気がいい日は散歩をして
ママに連れられた子どもの影がのびて、それを夕焼けが焦がして夜になる
夜は熱い風呂に入って汗をかく
壁にかけた姿見に映る真っ暗な部屋、そっちもこっちと、同じなのだろうか
眠れなくて、ストーブの赤外線をみつめる
私の横で加湿器が静かに呼吸している

夕鬱

夕鬱

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2020-11-21

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