Create To Break

渡逢 遥

創っては壊しての日々だった

完璧なものなんて何ひとつ無かった

すべては過信の産物に過ぎなかった

壊すのに時間はかからなかった

創るより壊す方が僕に充実感をもたらしてくれた

愛着のあるものほどそれは大きかった

傍から見たら僕は奇行に走っていたのだろう

けれど僕はそれが自然な事のように思えて仕方がなかった

寧ろ自分以外の人間が何故そうしないのか不思議でならなかった

人々は僕を腫れ物に触るような目で見、警戒し始めた

僕は忽ち孤独になったような気がした

いや、最初から僕という人間は孤独であり、

その事実に目を背けていただけかもしれない

いずれにせよ、僕は好奇の目を向けられる事に疎外感を覚えた

然しここまで来たらもう、徹底的に疎外されたいとさえ思った

頭の中で何度も何かを反芻していた

自分の精神を宥めるための呪文のようなフレーズを機械的に繰り返していた

僕はいよいよ実感を伴って怪異になった

壊すものはもう無かったため、また何かを創らなければならないと思った

然し、壊すために何かを創るのはもう億劫だった

代わりに、自分を壊してしまえばいいと思った

二度と戻らない、取り返しのつかない事がしたいと思った

人々は尚も僕に好奇の目を向けていた

僕もお前らと同じ目でお前らを見ている事など知らずに

僕は僕という作品に手をかけた

過信は僕に全能感をもたらしてくれた唯一の味方だった

僕を無条件に肯定してくれた顔も名前も知らない母親だった

創っては壊しての日々だった

僕は疎外される前の自分を一つひとつ思い出しながら

僕という作品に別れを告げた

Create To Break

Create To Break

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2020-11-21

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted