続・不可思議な国1️⃣

草也

続・不可思議な国 1️⃣
 

-詐病の男-

 この男は許し難い。満腔の怒りを込めてペンをとった。
 難病だといわれて二度も政権を放り投げた男が極めて元気なのである。人一倍だ。それでも、今までは揶揄する程度の批判で済ましてきたが、「憲法改正」に言及するに及んでは、指弾、鉄槌の論を張らなければならない。しかるに、メディアはこの男の言動を検証も批判も、全くしない。ただ言動を垂れ流しているばかりだ。体たらくも際まれりではないか。
 この国の国民性の特質は情緒と曖昧だと指摘されるが、辞めてしまえば全てが許されるのか。事は一国の宰相である。同情や揶揄などでは済まされない。論理的に解明されなければならないのではないか。だが、診断書も医師の記者会見もない。この男の片言ばかりで実に曖昧に政権が放り出されたのであった。
 そして、時を経ずに派閥会合での回復宣言、JOCやアーチェリー協会の役員就任、夜の健啖が伝えられた果てに、今般の「憲法改正」発言なのである。
 この男は宰相の椅子を壟断した揚げ句に玩具の如くに放り投げた。そればかりか、汚し続けているのである。こんな者が保守者義者である訳がない。「日本会議」という特異な主張に洗脳されたカルトという以外に考えようがない。
 そして、遂に「憲法改正」発言。狂気の沙汰ではないか。ごく普通のあり方なら、今頃は入院しているか静養しているのが、当然だろう。
そして、この男の政治を継承するという後継の宰相、二人合わせて『安倍菅内閣』、断じて容認し難いのである。
  

 -立ち技と寝技-

菅が参謀か否かは知らない。確かに長く官房長官を務めた。だが、今となってはあの出鱈目な安倍を担いで野党の自壊も幸いしたのだから、菅の力量は未だ図れない。だが、総理として初めての予算委に臨んだ菅を見て、この男は「立ち技」ではないと確信した。まあ、端的に言えば「しどろもどろ」なのである。こんな総理を見たのは初めてだ。
 若い時に前任者から「お前は寝技で行くのか、立ち技なのか、決めろ」と迫られた。私は寝技を選択した。以来、書記長一筋を通した。労働組合では書記長は裏方、参謀、寝技師である。委員長が立ち技だ。日常業務を全て差配した。そして、数人の委員長人事を画策した。苦労はしたが痛快でもあった。委員長や他の当て職などを望んだことは一度もない。誘いはあったが皆、譲った。 
 菅は自ら陰謀して総理の座を簒奪した。能力があったからか。私は違うと思う。安倍の突然の政権放棄と二階の欲望が作用した僥倖に過ぎないのではないか。
 菅は立ち技は出来ないのである。いずれは慣れるかも知れないが任期は一年だ。立ち技にたけていなくても大平の如くに魅力ある宰相もいたが、菅は「日本会議」だ。それだけで醜いのである。
 菅は学術会議やNHKの人事の秘密を自から白状してしまった。寝技師の極秘を暴露したのである。これだけで菅は参謀の冠を失ったのだ。そればかりか、スキャンダルも明るみになりつつある。裏から表に躍り出てしまった頓馬な男。果たして命運やいかにだが、好機到来、野党のいっそうの奮起を期待したい。
 

-立憲民主党の追求 -

 衆議院で予算委員会が始まった。待ちに待った菅内閣追求の場だったが、立憲民主党の質疑は尻切れトンボで実に不快感が残った。
 菅や加藤の答弁は崩壊寸前だったのである。菅が、「加藤教授以外は知らないし著書も読んだことがない」と、答弁した時には唖然とした。「99名の名簿しか見ていない」発言に続いて無防備丸出しではないか。あえて答弁しているのかとすら思える程だ。
 菅は、「学術会議から再要請があれば対応する」旨の答弁もした。私はこれで決着かと思った。だが、追求はさしたる理由もなく先送りされた。
 立憲民主党の予算委戦術など知るよしもないが、私なら一気に攻め込む場面だ。
 私は団体交渉を随分とした。それが仕事だった。労使が切り結ぶシナリオのない決戦の場だから壮絶な体験もした。それに比べたら、国対政治で脚本のある国会質疑の何と生ぬるいことか。だが、大昔の社会党は違った。与野党談合との批判もあったが、論理的で迫力があり徹頭徹尾食らいつく議員が大勢いた。予算委の爆弾男などとの異名を冠せられた者も。学術会議問題などは倒閣運動になっていただろう。だが、その流れをくむ社民党も風前の灯火の有り様なのだから、唇が寒いのである。

 
-アメリカ大統領選挙-
 
 メディアがアメリカ大統領選を随分と取り上げている。来週が投票だから加熱してきた。微に入り細にわたりさまざまに解説して、予測すらする。
 私などは驚愕している。自分の国の選挙報道は、告示されると一切しないメディアではないのか。だから、選挙になっても、誰が立候補しているか、積極的に探索しなければわからない程の始末ではないのか。
 自分の国は放置しておいて、アメリカの選挙に血道をあげるこの国のメディアって、いったい、何なんだ。恥じるところはないのか。
 私は仕事柄、散々選挙運動をした。かつては、個別訪問をして有権者に訴えるのが基本で、立会演説会すらあった。マスコミはしっかり取材し分析して、詳細な選挙情勢を大々的に報道した。私などは、その書きぶり、一字一句から自陣営の状況を判断したりしたものだ。
 だが、公職選挙法が次々に改正されて、いつの間にか、候補者名を連呼する位の選挙運動になってしまったのだ。そうして、メディアの体たらく。こんな有り様だから、宰相の座を、白昼堂々、老醜派閥談合で簒奪するなどという事態にまで陥ったのではないのか。
 いずれにしても、菅は一年以内には選挙をしなければならない。私達は、不本意な選挙のあり方などは克服して、この陰険で、「日本会議」などのカルトに洗脳された菅自民党内閣を打倒して、三度目の政権交代を果たそうではないか。
 

-予算委員会-
 
 衆院予算委・枝野質問・学術会議問題(要旨)
11月4日

枝野「6名を認めていないのは違法状態。解消しなければならない。学術会議側から承認要請がされているから認めたらどうか?」
菅「一連の手続きは終了している」
枝野「ならば、改めて学術会議側から、正式に承認要請がされたら承認していただきたい」
(時間切れで質問終了)
岡田「外交問題を質したい」

 枝野質問は月曜の川内質疑で取り上げられていて、菅も同じ答弁をしていたのである。なぜ、枝野は時間ギリギリに質問したのか?冒頭でやって菅を詰めきれば、この問題は新しい展開になっていたのではないか。解決していたかもしれない。さらには、岡田も引き継がないのである。
 私は驚愕した。実に不可解な枝野と岡田の対応だ。呆れ返ってしまったのである。

続・不可思議な国1️⃣

続・不可思議な国1️⃣

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 時代・歴史
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2020-11-21

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