残骸について

残骸について

ひねくれもののぼくも小さいころは無邪気だった、なんて思いこんでるけど本当にそうかな。純粋な、こころ。才能の一種だとは信じたくなかった。過去をなし崩しにしたとき、そこに残骸が生まれる。生きることには金と食い物と肌が伴って、だから残骸と言われてしまうことによってぼくは、少なくとも不機嫌にはなるよ。ぼさぼさになった髪を根元からじょきじょき切るくらいの風情の無さ。
過去に拘泥しながらだんだんとミイラになっていく系。
忘れかけたころに、また感受性を取り戻して、感受性ってある意味劇薬だから、仕方なく発狂するんだろう。けだるげで、面倒くさそうなきみの発狂が太陽を燃やした(じわじわと燃やされた太陽は痛がっていた)。拷問みたいに神々しかった。感受性を安売りするとかそういうところで、夕日のサービス精神を垣間見たような気がした。日本語を愛そう。日本語を愛でよう。きみのしょうもない過去は、生ゴミ以上に腐敗臭がするし粗大ゴミ以上に価値がないけど、サブカルとしては及第点。死ぬまで子どもを殴ろう。死ぬまで大人をdisろう。死ぬまで日本語を愛そう。愛しましょう。

残骸について

残骸について

仕方なく発狂。

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-11-20

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