擬人法について

擬人法について

ここにはいないけれど、どこかで存命中の人のことを考えていた。砂漠の植物になってしまえばいいのにとも思っていた。会話をしなければ、事故完結する。脳内ではいつも一人になれるから、ロボトミーが許せないし、脳内ではいつも一人になれるから、ぼくは人類をやめられない。人類中毒のホモサピエンス依存症が治らない。実存廃人になってしまったから想像力がひりひりする。
アウフヘーベン、の響きが好き。
寝そべって、胸の前に両手を垂らして、無防備なねこみたいになる。そのおなかにフォークでも刺して、一気に違和感を演出してみせてよ。そして、非人道的だと堅苦しいクリティカルちょうだい。まばたきや放電が感情にすり替わっていくけど、まばたきや放電は感情なんてどうだっていいって思えるほどに野蛮だよ。案外、ぐちゃぐちゃのままの方が難しかったのかもしれない、と、ぼくは常に過去形で生きていく。午後十時を過ぎて、ぼくの体の純度はだいたい30%くらい。まあまあみじめで、それなりにださい、かわいい孤独。偉人にすらなれないまま終わっていくだけのなかまがいるよろこびが、ひかりかがやいていた。純粋にうれしかった。ん、みなさん、明日の朝までには死んでおいてくれるともっとうれしいです。

擬人法について

擬人法について

午後十時を過ぎて、ぼくの体の純度はだいたい30%くらい。

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-11-17

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