【超短編小説】湯気

六井 象

 台所で母さんが料理を作る音がふいにやんだので、どうしたんだろうと思いそっと覗くと、味噌汁を煮ている鍋から立ち上る湯気が、死んだ父さんの顔になっていた。あらら、母さん、立ちすくんで涙ぐんでるよ。これは夕飯の時間が遅くなりそうだ。まぁ、たまには夫婦水入らずで過ごすのもいいだろう。湯気だから水は入ってるけども。

【超短編小説】湯気

【超短編小説】湯気

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2020-11-17

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