手の届かない世界

丸目葉湖

一度だけ、
自分が眠ってる間の自分を見た
濃い霧のような真っ白の世界で
椅子もないのに椅子に座っていた

喜怒哀楽もなく楽しくはないが
苦しくないのが安らぎだった

そこから呼び戻されると
また断片的な一日が始まり
苦しさばかりが頭にあった

生きてる意味など考えたりしたが
意味を付けたがるのは
人の悪い癖

生まれて、生きて、死んでいく
人生はただそれだけなんだって
どれかだけが重要でもないし
どれかだけが悪者でもない
三つで一つ、どれも大切

ただそれだけの私の人生だけど
今も白い世界の安らぎは覚えてる
苦しくてたまらなかった私の
壊れてしまった私の再生の場所
これ以上壊れないように私を守ってくれた

心の奥の、手の届かない白い世界

手の届かない世界

手の届かない世界

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2020-11-17

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted