夜の珈琲

 地底湖で泳いだ記憶がどろりと溶けて脳内で静かに燻っている二十三時。地球(ほし)の温度を感じたときに思い出したのは今はもう白い箱に眠る君の皮膚の感触。雑念を受信するテレビジョン。眠りを妨げる街の気配。珈琲には角砂糖を三つと決めつけている理由。パンケーキを切り分けるみたいにナイフを入れる優しさに。溢れる。

夜の珈琲

夜の珈琲

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-11-15

CC BY-NC-ND
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