決壊

闇の中にいると寒気がする。光に沈んで、空白、分離する喜び。暗転。疫病オペラの開幕。柔らかな眼差し、押し潰された原始音楽の死。退行する邪心の解体、砕かれた内臓の甘さ、胃液の音波による煌びやかな着色。魚のために祈るのは、これが初めて。魚のために祈るのはこれが初めて。果物を混ぜて、わがまま。生命愛護の檻。虚無の息吹に身を寄せる。救世主の恩寵によって形成された幻想、濁り、また胸中に広がる刃。寄生虫。あなたは寄生虫のオーケストラになる。かの教義がいかに愛おしいか。どれほどの色が犠牲となっていることか? 数多の哀れみ、強迫観念、思考嘔吐の痛み、巡る痛み、咲き乱れる嘆きの花。陶酔。空がぼんやりと重い。

決壊

決壊

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-11-15

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