青年は詩を書く


せっかちな朝日に目蓋をこじ開けられて

迎えたくない今日を迎えさせられる

かつては楽しみだったはずの朝なのに

いつから嫌いになったのだろう



遅咲きの花は咲く前に間引かれた

だが僕なんて咲くかどうかすら怪しい



ああ 僕は今日も

何も成し得ないまま眠るのだろう

座るデスク前 白く光る画面

こんなはずじゃなかったのにな

四角く切り取られた空を眺めて

六畳でグルグル散歩してただけ



どうでもいい言葉なら頭を埋めるのに

白紙を埋めるための言葉は生まれない

才能不在 天啓墜落 集中力は磨耗して

インスピレーションはとうに死んでいる



自称詩書きが駄文を書き殴ってきただけ

僕に使われた言葉達に憐憫の目を向けた

こんな駄作でごめん 画面に手を合わせ

供養するように海へと投げ捨てたけど

このメッセージボトルを拾ってくれる

誰かの胸に響けば僕の人生は報われる

青年は詩を書く

青年は詩を書く

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-11-13

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