コロナ禍に/短歌集
目に見えぬ死をももたらす生き物に
英知を武器に立ち向かう人
放ちしは人に怒りし神々か
それとも自然の摂理の故か
一日の糧にも苦しむ人々に
追い打ちかける世の不条理さ
白き布 命を懸ける天使たち
疲労の日々をただ一心に
困憊に疲れ帰りしある人に
捧げて労らうささやかな糧
崇高な命を救う闘いを
言葉巧みに使うは政治家
あの君がまさかと思えど現実に
去りて悲しむ家族残して
家族 友 愛する人の命をば
奪いし見えぬウイルス憎し
老し母 会いたいけれど今の世で
我がうつせば悔いるのちの世
我が孫よ 神仏に願う他はなし
罹らぬことをただそれのみを
コロナ禍に/短歌集