我儘な僕らは

ああ、覚悟はしていたけど

いざ本当に 目の前からいなくなってしまうと

どうしようもないほど虚しくなるな

きっと覚悟が足りなかったんだろうな

時間がわすれさせてくれるなんて

そんなの虚勢だ、嘘っぱちだ

きみが死んでしまってからは

かえってきみにまつわる記憶は

胸が詰まるほど鮮明になっていくばかりだ

「わたしのことなんてわすれて幸せになってね」だなんて

とんだ勘違いだ

そんな妄言は聞きたくなかった

わすれられないからこそ

まだ胸が締めつけられるからこそ

きみは僕の中で いまも生きているんだ

きみに僕はいまも 生かされているんだ

わすれることで

諦めることで幸せになれるのだとしたら

僕は死ぬまで ずっと不幸で構わない

きみを諦めた先に得る幸せなんて

僕にとっては全部紛い物だ

きみの代わりなんてどこにもいないんだ

きみだって僕にそういってくれたじゃないか

ただ隣にいてさえくれれば

不幸だろうが幸せだろうが 何だっていいんだって

その瞬間だけがすべてだって

きみは自分の言葉をわすれてしまったのかよ

僕は馬鹿みたいに憶えてるんだよ

そして今も馬鹿みたいにそれを実行している

褪せないように毎日書きつけている

それに毎日、生かされている

きみに毎日、生かされている

妄想なんかじゃなく、事実に生かされている

何気なくきみが口にした言葉も

僕にとってはすべて きょうを生きていく糧だ

あしたもきみと生きていくための希望だ

僕はきみに出会えたことが

ただ嬉しかったんだよ

きみといられた時間が

何にも変えがたい わすれられない人生なんだよ

だから、見ていてくれよ

愚かな僕を見て、笑ってくれよ

僕は生きているあいだは

きみのことだけは決してわすれない

そして死ぬ時には

最後まできみを想いながら死ぬ

僕は、きみと共に死ぬ

その覚悟だけは、あの時からもうできている

この覚悟に偽りはない、本気なんだ

まだ、死なせてたまるものか

勝手に死なせてたまるものか

死なせて、たまるものか

きみと出会った道を歩く

街にはきみの笑顔が

あの時と同じ色彩で

あの時と同じ熱をもって

見渡す限りの一面に 天国のように咲き乱れている