奈呉生畿者Part1

西村

奈呉生畿者Part1

しばらく連載中止

私は冷たい何もかも、冷めた深い闇の果てに、もはやここに沈む魂たちに気力などない、生前犯した罪と地獄の番人の形相に脅えて、澄み渡るべく心の虚しさが残る、

私は彼らの無惨に残された魂たちに、

こう呪文をかける

オンダラダラヂリヂリドロドロシェエイシェエイハラシャエイハラシャエイクソメイクソバマメイイリシチシリシチハラマシュダジャマライヤサトバマカキャロニカソワカ

そして私は鉦を打った

誰もが心いっぱいの愛、胸をうずき育ていく、だけど、もうわからず弥陀に泣きじゃくるんだ、賽の河原で鬼脅え、生前われがあしらった魂の恨みに足がひっぱられ三途に沈みそうだ。

鉦を打ちスーッと消えて行った魂たち、それに私は数珠を摺りながら、天へ成仏を願うのであった。

あー、人のいき惑い、それは酷いものさ

あたしの、お母さんは、ここ紀伊の国の人で、お父さんはここ、なご浜を里にもつ人だけど、どんな人か知らない、まぁサムライだったらしいけど、戦に行ったきり、帰ってこなくなったんだけ。
 あのときは母さんは、一生懸命、魚編みを編んでて、お父さんなくした、お母さんはなご浜で暮らす場所ないから実家の紀伊の国を下った場所で暮らしてる、あたしはなご浜で父型のお婆ちゃんに、なご浜で育ててもらってる、
 でもあたしって、素直な子で魚は大好きだし、他の男の子にも、負けないくらい、駆け足は強いし、おまけにカワイイんだからね、あのときは数えて8さいだったけど、地元のガキ大将も、あたしにはメソメソ、気に入られるように、モジモジしてたんだからさ、地元じゃ有名なべっぴんさんね。
 だけどあたしがなぜ、忍び里の伊賀でいま、数えて13さいにもなって、瞑想してるかと言うと、それは、ある不動明王の祠に行ったとき、そこで偶然、托鉢していた旅僧があたしに、
 「ここ丹敷山に妖魔が居るの」
 するとあたしの婆さんが、
 「なぁお坊さん、ここらで変死体となって見つかった遺柄たぇねーばさ、何か払える方法はないでば」
 すると、この坊主たら
 「ここは夜が廻れば黄泉と繋がり、化け物が出てしていっそう危険になる、不用意に夜に出歩かないことじゃ」と言ってね
 その坊主があたしに
 「このおなごも、やんちゃでカワイイの、なかなかの妖力も、もっておる、このおなご、私の伊賀の方の寺子屋に預けないか」
 すると婆さんが「何で、こんなカワイイ子を人里離れた所に預けなちゃならないんじゃー」と言うと
 「この子の、冷めた感情、ここらの法を揺るがしておる、この子を、ここで畏怖させてれれば、妖魔が空間の冴えの合間を塗って、なご浜に蔓延る」と言うんだから、あたしはそこらのガキ大将とも、泣く泣く離れて、あたしは泣いてなかったけど、ここ伊賀で朱子学を習うようになちゃったの。

私は紀伊の国の里である、なご浜から、数えて8さいのとき、旅僧に拾われて、伊賀の里の寺に預けられ、気がつけば寺子屋で朱子学を学ぶ女子として、もう数えて13さいであった、私は、ここらの領主たち押さえた、百姓たちとの寄贈で、こしらえた木造釈迦如来を本尊とする寺で、日夜、禅の瞑想におやしみ、毎日、金剛般若経を法会因由分から、合わせて32分の応化非真分まで、分割を意識するように、羅什訳と玄奘訳を音読みしたり、読み下したりして、勤しみ、また阿弥陀経も羅什訳と玄奘訳とともに、時々読んだりして、毎日を読経と写経との読誦と、禅や念仏をおやしんでいた。そして毎日、数珠を持ちながら南無帰依佛や南無釈迦牟尼佛、南無阿弥陀仏と称え、何か木造釈迦如来に心は奪われ迷いを断ち切った念を入れられた、仏像に言葉できない無上の安静の念と魅力が、あたしには感じられた。

そして、あるときの今日は、私が入ってる寺子屋の能禅和尚の縁によって、京の遊楽念仏と風流踊りを観覧できるのと、能禅和尚との計らいで三千院の往生極楽院へ参拝が許され、私は京師までの遊学を許されたのであった。
 そしてあたしは
 「能禅さま、ありがとう」無邪気な子供みたいに素直に京までの遊学を喜んでいた。
 能禅さまは
 「よいよい、あやめ、あんたの龍笛も見事な腕前じゃ、あんたの得意芸もたっぷり自慢してこい」
 とあたしに話された、そしてあたしが遊学する用心棒を和尚が呼んだ
 「柳次(りゅうじ)この娘の用心たのんじゃぞ」と言うと、
 柳次は
 「ハイハイこの娘さんを京まで…」
 そう口どまってるのを見てあたしは
 「こっここのひと、昔、あたしの里に金まいてた野良侍」
 「野良侍とは失礼な、それに昔と言っても、六・七年前だが、まぁとてもカワイイおなごになったものよ」
 是を聞いてさあたし、なにこの気味悪いサムライがあたしの用心棒のわけ、何それ、ッケ、あたし外れ籤、引いちゃったマジで最悪ッケ。

時は慶長、荒れ狂う戦国の末期
 江戸幕府が始まろうとしてたころ、ある風来のサムライがいた。
 ある丹敷山の周辺にある浜の部族たちがすむ、ところで、ある風格が良い
 風来の男が、やってきて、金を舞いた。
 「ほれ、お年玉だ」
 そう言えば、この浜のガキどもが、競うようにオレのものだオレのものだと言わんばかりに、舞いた金を奪いあった、そして是を見ていた大人どももコレコレと思いながら、子供が拾ってきた金を、何やらの言いがかり、あとで金を預かろうとニヤニヤしていた、そのとき
 「こりゃ、拾っちゃいかん」と
 この、なご浜部族長、声を張ったのであった。
するとその男が
 「人のご親切に素直じゃないって子供の心が濁るぜ」と言うと。
 すると族長が
 「その言葉のナメよう、京からの旅のものだな」
 するとその者が
 「なかなかの気のとがめよう、わしゃ、京からのサムライよ、此処らの山賊を打つために、此処ら近隣の寺から、ワシのほうに手回しがきて、山賊どもを懲らしめたまでよ」
 すると族長が
 「何処の寺じゃ」と聞くと
 こやつは
 「そりゃ、教えられない、何て坊主を生坊主にするわけにはいかんからな」
 すると族長が
 「じゃこの金は」
 そやつは
 「ご名答、是は山賊を懲らしめたときに、貯めていたものよ、女を買ってたらしく、寺に使えるサムライとしては悪鬼そのものだが、彼らを三途に流されないように、せめてもの御名祷よ」

そしてあたしはあの時を思いだして、
「柳次、あんた、あの時は無用心にお金、バラまいてたでしょ、あんたサムライとして、気がどうにかしてるんじゃないの、べー」とあたしは、柳次の気を煽てるような仕草を、見せたら柳次たら、あたしのオツムを撫でて
「まぁそう、イヤがんなよ、オレがちゃんと京までおくってくんさかい」
それを聞いたあたし、柳次の手を払って
「なっなによ、あんたみたいな無用心なサムライ信用できるってんのねー」
 すると柳次は
 「意気のええ、ねぇちゃんだな、それなら、京まで、気づかいせず、楽にご依頼を達成できる宜しくな」そう言って柳次は手を握るように手のひらをあたしに捧げたが、あたしはその平手をパチって、ソッポ向いたのであった。
 すると柳次は
 「まぁ良いじゃんかよ、嬢ちゃん、それにあのとき、食い意地張って、開き直って拾っての、おめーだろ」
 それを聞いたあたし、なんてイヤらしい、告げようなのっと思って。
 「あのときはねー…」と思って
 言い返す言葉を思い浮かばず、ッチって舌打ちした。

そうあのときね確かあたしったら。

族長が盗賊を弔うカネと聞いて一人のガキが
 「あんな奴らを弔うカネなんていらないじゃい」
 とこぞって、カネを投げ捨て、その銭を踏んづけまわってた。
 それを見て、その風来のサムライは
 「まったく、よしみってことを、知らないのかよ」
 とあきれてると、一人の幼いカワイイおなごが、その踏んづけてる金にわれものに、集めてた、すると
 「あやめ、ここの邑をいじめてた、山賊どもをかばうのかよ」
 言うと
 「そんなことは知らないじゃい、これで美味しい鯛でも買うんじゃい」と言って。
 そして「いっぱい勝手たらふく食べるの」
 するとガキが
 「そっそうだな、俺もたらふく食うぞ」と言ってまたカネ取り合うのであった。

 そのことを思い出してた柳次は
 「おいおい、あのとき食い意地みせたガキがお前だったんだぜ」
 「食い意地って失礼ね、いーっ」たら
、それにね!、まだあのとき数えて7才だったんだからね、それにお魚なたらふく食べたかったんだもん。

そして、あたしは柳次につれられ、京までの旅にでた、そして、少し曇り空の中、ある程度、歩いて柳次は、
 「さぁ、ここまで、めげずに歩きとおせたとは見事なものだぜ、あやめ、今日は此処に泊まって、明日は京師まで歩きとおそうなさかいに」
 そう言われあたしが
 「ねぇね、明日は京の都まで、いけるんだよね」
そう言っちゃってあたし、もう、うずうずでワクワクなんだからね、ワーイ
 柳次は
 「はぁ、其れは良かった、だがな、俺は座りながら、寝るから、あんたが夜中に用があるとき、絶対、俺を起こして用をしろ」
 するとあやめが、なにこの、あつっかましい言い方、失礼しちゃうわと思って、あたし。
 「あんたあたしのおまわり、だもんね、あんたこそ、ちゃんとあたしに見守りなさいよ」と言ったが
 柳次はその言葉を聞き流し
 「ック」
 と何か勘でも働いたような、そぶりに、何よあんたべーったら
 しかし柳次は、空を眺め、なんだか悪い予感がするぜと心中に渦巻き、その曇り空、丑の刻ごろには、大雨が降るだろなと覚ったのであった。

そして食事時に柳次みたいなアホらしい用心棒といっしょにお食事するのって、気が引けちゃう~
それに柳次は、あやめに
 「これおいしなさかいに、食いなされ」と
 お魚に、お吸い物、それに麦飯が、あたしの前にならべられてて、
 柳次は手を合わせることなく、なんなく魚を、つっついていた、私はそれをみて、この生き物に失礼な食べ方と思って。
 あたしは柳次を気にしないように、お手を合わせ、少し深い瞑想状態にハイってから、パッとなるべく礼儀よくつつしみもって、配膳に感謝した。
 そしてあたし、お膳を持ちながら、なるべくお膳立てに失礼のないように食べてて。
 あたし柳次に言ったの。
 「あたし、お魚はいい、お椀と茶碗だけで十分よ」
と言うと。それ聞いて柳次ったら。
 「おいおい、生坊主みたいなこと言うなよ」と言ってなにコイツ、あっあたしはねホトケにお椀立ててんだからね。
 と思ったら柳次
 「気色わるい、あんたのために出されたさかいに、ちゃんと食いなされ」
 「えっぇ」もうあたしの戒めが~
 そう言われて、あたしお膳立てを崩しちゃって、魚の腹をつついてしまちゃったあらま、
 何か生類の哀れみをやぶってなんだか気味わる~い。
 そしてあたし塩魚に身を補食いちゃった、なんてあたし貪ってるんだろ、お天道様すみません。
 しかし塩魚の身をパクっと食べちゃうと。なんだか、昔、生まれ育った、なご浜で獲れたお魚、たらふく食べてたの思いだして、思わず、あの幼かった時の記憶がよみがえった。
 そしてあたし「むっむかし、ばあちゃんと魚を食べてたとき、思いだしちゃった」
 そう言ってから、こうあたしはそぶりを
 「でもあたし、殺生しないように戒められてるのに」
 すると柳次が
 「まぁ美味しいんさかいにもっとお食べなされ」と言うと
 あたしは
 「でも和尚さんすみません…」と口をつぐんだ。

あたしのために布団が曳かれているのにね、
 柳次が同じ部屋に要ることに、もー気味悪いそしてあたしが、
 「あんた、なんであたしと同じ居室」 
 「俺はサムライだ、あんたを守るために、この居室で誰かに襲われないか、あんたを守るのが務めなんだよ」と言ってると
 なんだかナットクいかない、だからあたし。
 「あんたがあたしを襲わないでしょうね」
 すると「サムライの面汚しはしねー、から温和しく寝てろよ」
 そう言うと、あたし、チョー腹がたつんだけど、そう思ってあたし、
 「そう、なんかあたしに不愉快なマネしたら、あたしの和尚さんに言いつけて、国中の笑いものしてやるんだからね」
 そう言いあたしが言いつけると
 柳次たら小声でつぶやくように「ッチ」と舌打ちしたのに、あたし少しおじけて。
 サッと布団に潜ちゃった。
もうだから、あんな性が悪い男嫌いなのよッケ、
 べーっだてんの。
 もうイヤイヤと思ってると。
 気がついたら、あたしは眠っていたらしく、目が覚めたら、灯籠に火が薄明るく灯ってて、あたしは、便をしたくなった、柳次に便したいからなんて、絶対言えないし、ちょっと雨模様だけど、少し、野草まで、行って便でも、足してこようと思って恐る恐る襖を開けると、
 ビューっと肌寒い、水滴が含んだ夜風がアタシの心を締め付けた。

便の用を足し終わって、
「あーあ、せっかく風呂で、といた髪が濡れちゃった」
 もーぉぉぉ~
あたしたらシゲシゲとは恥ずかしいめながら、肌寒い水気が茂った、雨の音走りが聞こえた
 そしてビューっとあたしの肌を奮わせる水風に身をチヂミながら呉服を肌に締めた。
 そしてあたし、あたりを見渡して近くに薄気味悪いけど井戸があったので、そこで手を濯ごうかなと思って、あたしはそこにソーッと近づこうと意識を井戸に向けたとき、雨脚が聞こえてビューっとあたしの肌に冷たい靜けが飛んであたし。
 「何よもー薄気味わるー」て身震いがした。
 意識を向けた先の井戸は異様に薄気味悪く、井戸の水の底から気味悪い音が雨脚に滲んでポツポツと、異様な真夜中を深く廻った、雨音を刻むときが静寂に包まれる中、滑車を取り、井戸水の桶を、たくし上げようとポツリと音を発てた、そしてアタシ頑張って滑車でつっかえるまで上げてると何かギーギーと滑車がうごめいてるようだった、上げおわると、アタシは、その桶を掴んで、手を濯ごうとしたとき、
 井戸の中から手がアタシの手首を掴んだ感じが冷やりと神経を走った、そのときぶんっと、あたしは井戸の中に落とされるように手首に強い握力がアタシを呪っていた、そしてアタシの手をひっぱられそうになったとき。
 あたしの腰を掴んで誰かが、あたしを井戸の外側に投げ捨てた、アタシは物凄く心がすくみそうな思いに、涙がにじみでてると。
 そして「オン、ッカッカッカ」と柳次の声が聞こえ、意識が半分戻ってるところで。
 井戸のほうを見ると、鬼のような婆の霊が手を下げて、あたしをみていて、あまりの怖さに意識が飛んでいた。
 そして気がついたら座敷の外張りに雨音の中、居て柳次が「気がついたか、よかった」と言った。
 その声にアタシは柳次の、モノ優しい顔をみて、柳次の着てる裾に、顔を押し付け、
 「うぇーん」と泣いてしまった。
 外は丑刻を回り、外はザーッと、雨足が物凄くなびいてた。
 そして、柳次は激しい雨足の中、
 「だっだいじょうぶか、あやめ、怖がらせしゃ、悪いと思ってだまってたが、あの井戸は昔から妖怪がすむって、言われてたんだ、誰が呪ったか知らないが、俺も妙な因縁を感じてて、あやめがあそこに足引っ張られないか、座敷の中でも、心配だったんだ、雨足が聞こえてきたから、目を覚ましたとき、あやめがいなくて、声にでなかった、井戸に近づいてないか、急いで見にいったとき、あんたに亡霊が取り憑いてて、焦って、井戸から、あんたを放り投げたんだ」
 そう言われると、アタシは雨音がいっそう激しくなる中、泣きわめくように
 「りゅーじ、こわいよー」と、数えて13のおなごとは思えないほどに、アタシは柳次の胴体にすがって、泣きわめいてた。

柳次は「よしよし、俺もあんたに、話し忘れてて悪かったさ」とさすってくれてると、気がついたら朝日が射して、アタシは丁重に布団に上布団を被せてあって、目が覚めたのであった。
 その雨空が明けた肌を焦がすようなコッテリとした日照りに、アタシは布団が湿ってることに、あの真夜中のことを思いだし、身震いした。
 すると朝の目覚めに柳次が
 「おいおい、だいじょうぶか、朝メシ、食べっくぞー」と言ってるのに夜中のことはキッカリ、覚えが曖昧だった、
 そしてアタシ柳次に「ネェ柳次さん、昨夜はお寝になったんですか」と聞くと。
 柳次は「あやまって寝てたら、あんな状況で冷や汗もので、あれ以降、安心して寝られなかったよ」
 それを聞いてアタシ「そっそう」と返して
 アタシ「夜中ぅは…」と言おうとしたとき
 柳次「あーあんたの袖り、夜中めちゃくちゃだったぜ」
 と言われ、なっなになによ!って赤面して
 「ちゃっちゃーー」ってアタシ呉服の締めが弱いことに思わず枕を投げたのであった。

柳次と私、一山抜け、京の歓楽街に、いた戦国の世が終わり澄みやかな復興の兆し、そして柳次は
 「あーいつもの京の街だ」
 と言って歓楽街を通り抜けると、
 柳次はこの街なみを、見て、柳次は母さんの事を思いだしていた、
 京どくとくな風の茂りに柳次は
 「おっオヤジ」と呟いていた
 柳次の親父は京の武士であり、母さんは京の円町あたりで、切り盛りをしていた、親父はいつも、京都所司代に入る年貢を勘定していた。
 柳次は幼少期は舟丸(ふなまる)と呼ばれ、よく独楽を回して、よく兄弟と遊んでいた。
 柳次が剣術を学ぼうとしたのは、親父の家業をつく兄さんと、放逸で他の女にふてくされてた、弟の存在を思って、京都の鬼門である比叡山にいけば僧兵から剣術を学べる聴き、比叡山にこもりでてきたとき、弟は何処かの剣士に殺されていた。
 そのとき、柳次は
 「女から嫌われてたと、いえそれと言った悪事を成してないのに殺されるとは」
 と孤独に弟に花を手向けてやり、女から気色わるがられ、世情に殺される思いに、いっしょの母さんの胎から生まれたきたものとしてやるせなかった。
 そう心が病んでると、
 「ねぇ…ねぇったら」とあやめの声が聞こえた、
 それに気づいた柳次は
 「あぁネェさん、ご無事に京について何よりだ」と言ってると彼女からハツラツに
 「ここが京なのね、何て風びがあるんだろう、わーい」
 それを聞いて柳次は
 「ソッソウカ」と軽く受け流すと
 ここは山城、あらゆる魂が配流された地、幕府の復興とともに箇箇も気の色が澄むであろう。

柳次はあやめが、京の街並みに夢中なってるさかいに、冷めた雨が降り
 「おっとお雨どす」と柳次が言った、涼しげな雨が街並みを抜けた。
 そして柳次が
 「今日は、わいの家に泊まっていくさかいに」
 とそう言うとあやめが
 「っえ、柳次って、本当に京の人なんだ」
 柳次は
 「あー、生まれが京なさかい、よろしくどす」
 そう言って、柳次の円町あたりの家に案内されて。
 すると、おばさんが
 「ふなまる、また用心棒の仕事引き受けたんだってね、だいじょうぶさかいに」
 そう言われると柳次は
 「母さん幼少の名前で呼ぶのは、よしてくれなさかい」
 そう言うと、あたしが失礼ないようにと思って。
 「わっわたし、柳次さんに、この京への旅路を用心されてるあやめと言います」
 すると、柳次の母さん
 「あらカワイイ、玉のような子ね、今日は鍋でも、良いなさかいはるな」
 すると柳次は
 「そりゃいいぜ、なぁ、あやめ、鴨鍋でも食っていけなさかい」
 そう言うと
 アタシこんな殺生を喜ぶのは、アタシはちょっとと思いながら。
 「はい、おもてなし感謝いたします」
 と言いたまった。

私は鴨鍋を食べて、愉しい宴に泡沫の如くよひて、気がつけば、布団にくるまって、寝ていた。
 しかし雨音の、滴り落ち音に、冷むけ感じ、何か鬼のような、バァがあたしをうなして、冷や汗を書いていた。
 そして、目をあけると、鬼のようなバァがあたしをギロと睨でる感じをして。
 体は震えたが、金縛りにあったかの用に、ガタガタと体は動かなかった、そのとき
 「だいじょうぶなさかい」
 と柳次のが声をかけてくれた、パッと目をさまし、上半身が起きあがった、わっわたしはあたりを見ると、柳次が、一人ポツッと身を縮ませ坐りながら、寝ていた様子から目を拭い。
 「ねぇあたしって」と言うと。
 柳次は「カッカッカ、あーあんたは、あのとき、亡霊に冥土に落とされそうになった時から、あんたはその霊に地縛してるよ」
 あたしは
 「なぜ取り憑いてるの」と聞くと。
 すると柳次はあやめの肩をさすって
 「ビザンマエイソワカ」と唱えて、こうアタシに告げた。
 「その霊も、ホトケさんとこに往きたいのさ」
 と
 あたしはあの時の怖さを思いだして、柳次の袖を強く握ってると柳次は「オンアビラウンケン」と唱え、アタシはスーっと眠りに落ちていき。
 そして闇深い京は、雨音が静けさ伝えるかのように、幽霊がさすらってるかのような、静けさをシミジミと感じた。

あやめは朝、目覚めたとき、京の町はザーッと冷めざめた、雨脚がシゲシゲと時が静寂の中、過ぎ去って行くのを感じた、そして私は柳次が膝を立て肩に剣を支えながら寝てるのを気づかってか。
 「ねぇ柳次さん柳次さん」と声を掛けると。
 柳次「おお、あやめちゃん、ごゆっくり寝られましどうなさかいに」
 そう聞いたあたし、「心配は無用です」そう言うと、彼はあたしの手をとったので。
 あたしったら「なっなによ!」となれなれしくする、彼に反感したら。
 彼は「手が冷たいな」そう言って居間の囲炉に火を付け水を沸騰させた。
 そして柄杓で急須にお湯を入れ、緑茶を差し出してくれた。
 そしてあたしは彼の親切に感謝をし礼儀をわきまえ、お茶を啜った。
 なんだか、こう靜けな早朝に出される、お茶を嗜むことに、なにか胸中にぬくもりを感じホッカホカに体がぬくんだことを、自律神経から体中の神経が発火して神経が極だった。
 そしてあたしは肌寒い外張りで座禅を構え、瞑想をした。

 そしてあやめが速やかな瞑想の境地から目を開けると京の町は雨がスコールのように強い雨脚が走っていた、柳次とあたしはスコールの中、傘を差して、三千院に向かっていた、そんなとき。
 京の街を歩いてると芸者の遊女たちが、にこやかに、シャレてるのを柳次は見て、
 あたしは、「ねぇ柳次、京の人ってオシャレだね」
そう言うと 柳次は「いやこれは不知火だ」
 それを聞いてアタシ「シ、ラ、ヌ、イ?」
 と不思議そうに言うと。
 柳次は「あーこれは雨の冷めた霊気が京の賑わう未来をコックリさんが見せてくれてるんだ、普段はこう灯籠が点ってるのはおかしい」
 アタシはこの化かされてることに気味悪さを覚え
 「りゅーじー…」っとヨワヨワしく言うと
 彼は「オン・シャレイ・シュレイ」と唱える、雨が小雨になった。
 そして柳次はこの靜けさに弟のことを思いだしていた、
 「あーあの時だ、弟が酷く親父に怒られていたとき」
 そしてまたシゲシゲした雨空をみながら
 「親父、もういねえが…」
 と一人ごとを呟き、人の情緒を思った。
 その時、雨に濡れながら着物姿の女性をみかけ。
 柳次が「おい、ねぇーちゃん、こんな雨の中びしょぬれで、つったてら、危ないぜと言うと」
 スーッとその女性はニコっとして消えて言った。
 柳次は
 「ッチ、キツネにダマされちまった」と悪態をついた。

私と柳次は、空が涼しく曇気な小雨の中、傘をさしながら、三千院に来て、
 柳次が「オッサン、例の伊賀から遊学しゃでっせ」そう彼は挨拶した
 そしてアタシも「よろしくお願いします」とお辞儀をした。
 すると和尚は
 「ここまで来るまで色々なオバケに化かされたようじゃのう」
 静けな雨がポツポツと滴る音に心に静寂を感じながら柳次は
 「あーオッサンここまで来るまで、色々化かされたさかいに」
 すると和尚はアタシを見つめ
 「あなたは、あの伊賀から参拝にきた、あやめちゃんかい」
 そう言われあたし
 「アッハイ、おっしゃるとおり、あやめと言います、まだ未熟ですが笛の武芸、見て貰いたくて来ました」と言い
 そこの和尚にお辞儀をすると
 すると和尚は私に
 「なかなか可愛げな、おなごじゃなの、往生極楽院に御拝覧、願いに来たのであろう」
 すると私は
 「ハイ、よろしければ御拝覧をいただけると」
 すると和尚は
 「この去来現、あらゆるところで佛の御加護がある、こっちに来なされ、キット、君なら宇宙のあぶきが来ることも去ることもない、空を覚る事をできるであろう」
 そう言われアタシ、喜んで
 「ほっホントですか、それは嬉しいです」
 アタシはそう言うと和尚はこう告げた、
 「まぁよい、まぁその前に湯に使っていかなされ」
 そう言われ、アタシ
 「だれに焚かせるのでしょー」と聞くと
 「この寺の小僧だよ」
 そう言われアタシ「えっえー」、あたしの湯舟姿、小僧に見られるなんてモー。
 すると柳次は、「小僧がイヤなら俺が炊いてやろうか」まぁこんなゲセ男に炊かれるよりましねと思い。
 そう言われ「いえお気づきかい感謝します」と湯舟の準備をさせてもらった。

 アタシ湯舟で、
 「へへへ、ネェさん湯加減はどうなさかい」
 そう言われアタシ
 「こっちみないでよ」
 すると小僧は「へへへ」とせせら笑って
 アタシほんとに、こんな立派な寺で修行をはげむ沙弥なのと思い、
 それでも、なんだかポッカポカで
 きっもちーそう思って、冷えた肌に熱が染み込むよう、そして十分、体に熱が浸透して。
 そしてアタシたら
 「ナムアミダブ、ナムアミダブ」とつぶやいてると、小僧は「どうじゃい、もう少し温度あげますぜ」そう言われ「ありがと、とても気持ちいいわ」と言うと、
 「アタシ湯からあがるは、拭いと呉服を持ってきてちょうだい」
 「ハイ分かりましたぜネェさん」と言って
 小僧は襖の奥に行ってもらいアタシあたたく汗が滲んだ肌に、水を被り汗をながした。
 そうすると「ネッネェさん」とあの小僧の声
 あっアタシ、アタシの素っ裸な姿みられっちゃったじゃない、ちゃ~!ぁぁぁぁ
 そしてアタシ「襖を開けるときくらい声かけなっしよね、もっもーいっいやーぁぁぁぁ、あっち見てて」
 小僧はハイハイと言って、襖を閉めてもらった、そしてアタシは呉服を羽織り帯びを締めた。

 私はお堂の前で、深くお辞儀を使て、往生極楽院の弥陀三尊の拝覧をした、それを見たとき、宇宙の紫雲から、ゆらゆらと、私を出迎えに来たような、優しさ、足之が幾たびも去って行き僕が、ポツンと残されたような静寂さあたしには、その鏡移しに私を誘った。
 優しさに心を打たれ胸中から妨げる事のない無音の響きを感じられた。
 あたしは南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏と称え念仏のご利益を願ってると。
 ここの和尚が「どうじゃ見事であろう」と言うと、アタシ、「ハイ、言葉にできないほど感無量です」、私は異空を旅してる感じになり、あらゆる足之がスーっと弥陀の胸中うずいてること。
 やっぱり阿弥陀様は心の居られるんだと、安楽の念に、足之のざわめきが去られ虚空に消えて行く優美が、あたしの胸中にうずくまった。
 そして弥陀たちは無数に分裂して、数え切れない数何億のホトケが一々、宇宙をざわめかせ、強大な愛を感じられた。

 そして私は居室に似て、龍笛で皇麞急を御披露目に、和尚は御神酒を飲み、あたしの技量を計っていた。
 そしてトボトボ部屋に燈籠が揺れ点る和尚は
 「なかなかの武芸お見事じゃったぞ」
 そう言われあたし「ハイ、あたしとても嬉しいございます」と言うと。
 和尚は「もっと、いい笛を使ってみないか」
 それを聞かされアタシ「ハイ是非を使わせて欲しい
モノです」そう和尚に告げると。
 和尚はある座敷の棚を開けてアタシのもとに持ってきて軽く数珠を持ち手を合わせ
 「ノウマク、サマンダ、ボダナン、バク」と唱え、包んである布をほどき、アタシに差し出した。
 そして和尚は「此を差しあげようと」言って、あたしは口元を隠し、その笛を取って鑑賞した。
 そしてあたしは、とても上等な材木が使われていそうだと思い。
 あたしは「あっあの…これ吹いてみて、よろしいでしょうか」
 と言うと和尚は、袖をサッと肘までたくし。
 数珠をかけ「オン、アラハシャノウ」とあたしにお辞儀をした。
  そしてあたしは「ハイ、此で皇ジョウ急でも吹いてみます」そう言ってあたしは、その笛に口をあてると、時間が滞り、あらゆる亡霊がこの笛に口寄せされた、あたしは途中この響きに怖くなり、笛の吹き口をあたしは離した。
 そしてあたしは、「とても響きが良い、笛であります、しかしその響きゆえに、この笛に地縛してる亡霊の数も測りしれません」
 すると和尚は「そうであったか、楽器と言っても、曲を演奏する、曲は曲げるとも書く、これは空間の彎曲にも通じ言わば歪を生む、その歪に亡霊たちは集まるのじゃ」
 そう聞かされアタシは「御説法ありがとう、もう夜も遅いので、アタシの用心棒が居る居間まで、私はこの都度で帰らせてもらいます」
 すると和尚は「そうじゃの、でも今夜の冥土からのお迎えに気をつけるのじゃぞ」
 そう言った和尚にアタシは「それはどう言う意味でしょう」と聞くと。
 「詳しくはゆえん、まぁ愉しみにしなっされ」何かアタシはこの事に気味悪く思えた。

アタシは、すこやかに、寝てたとき、熱にうなされハッと、目が覚めたとき、
 その時、空間が彎曲したように悪霊が空間を歪ませアタシを冥土に葬るような感覚であった私は心中でナムアミダブと唱えていた。
 真夜中を回って淋しげに、ざーっと雨がシタっていた、ザワザワと風が大原の木々を揺らしていていた風走りに心を靡かせると。
 胸中がスーっと心の寂しさに空間は消えてゆくようだった。
 夜闇の不気味さに、アタシはナムアミダブナムアミダブと小声で唱え天井を見ていた。しかし夜闇の不気味さから冷や汗をかいてるので。
 その汗を拭いながら真夜中に起き上がった、回りを見てみると柳次が、瓶にいれた神酒(みき)を升に注いで飲んでいた、それを見てアタシが近づいて
 アタシは優しく「柳次、なんで寝てなかったの」
 すると柳次が涙がらに
 「オヤジ…」と言っていた。
 するとアタシが
 「何で、懐かしいの」と聞くと
 柳次は
 「俺の親父は、りっぱな役員だったさ、母さんもここ、三千院の寄贈した家柄で小さかったとき、よく弟とここ大原に泊まっていたんだ」
 アタシが
 「そう」と相づちしてあげると。
 柳次が何か心に寂し感じてると、そう思ってると狐火がともった

柳次は涙を拭い
 「なぁ、一曲、笛で吹いてくれないか」
 そう言われるとアタシは笛を吹いてあげた、悲しい宴のなか。
 柳次は升に注いだ神酒(みき)を月光に浮かべながら、笛の調律に合わせ、綺麗な女性が座敷の外縁が歩いてくるのが見て取れた。
 その色白さに、まるで泡沫のようなキツネの嫁入りであった。
 その時、和尚さんがきて
 「オン、アキシュビヤ、ウン」と阿閦如来の真言を唱えた、すると、その綺麗な女性がまるで老婆のようになりて、骨と皮だけなようになる。
 和尚は
 「ギャーテーギャーテーハラギャーテーボジソワカ」と唱え、
 塩をオバケにかけ、払い消失させた。
 そして意識が虚ろな柳次に軽く塩を嘗めさせ。
 和尚が
 「おい柳次正気に戻ったか」
 すると柳次が
 「ありがと和尚」と言った
アタシはこのキツネに化かされたことを、よく理解できなかった、そしてアタシが和尚に
 「ねぇさっきの綺麗な女性って何だったの」と聴くと。
 「あれは此処らで自殺した女性の怨念のコックリさんよ」
 アタシは
 「何で柳次を…」
 和尚は
 「おなごは自らの美貌に気づかず恥じらいやすい、さっき柳次を冥府に誘おうとしていたのは、此処らで自殺した霊であろう」
 アタシは
 「このような霊も極楽に往けるのですか」
 すると和尚が
 「往けるわけなかろう、人一倍、愛情込めて育てられた、むずましい娘が、自ら命を絶ち、どれだけ人を迷わせた思う、こうゆう娘は三途の川に沈めようと足をひっぱておる」
 でもアタシは
 「なぜなん、なぜそのような女は救いようがないん」
 すると和尚が
 「無い」とハッキリ言った

私は夜な夜な、夢の中うなされていた、夢の中で、母親らしい、女の声ひしひしと泣きが涙を拭っていた。
 その女の目をそむけた先にあったものは、
 首が伸び、目玉が飛びでていた、死醜に晒されてた女性の姿であった。
 この光景は無情にも無常なこっけいさ、世を張り詰めて、煎るようなこう景であった。
 墨黒の僧侶が
 「南無阿弥陀佛、南無阿弥陀佛」と唱えてるのを聴いた、その言葉の呪詛に私も三途の川にゆらりゆらりと、ただよい、そのとき、あたしを三途に沈めるかのように。
 「あたしを、うつしよに、かえらせて、かえらせて」とギューッと強くあたしの胴体をつかみ、沈んでしまいそうになり、やがて息ができなく、体が真っ青に溺れる恐怖にみあわれた、こうもがき苦しんでると、あたしは布団から上半身が起きて日照さす日射光のひざしが肌を焦がすように、あつく感じた。
 深夜の雨の湿り気を触れるような、湿度がたかい晴ればれしい、晴天の空であった。

しばらく、ボーッとジーンとした、秋の涼しげな風当たりアタシの肌に冷え冷え、肌寒さが身を震わせた、心が虚ろになってると、太陽の陽気な陽射しに肌が焦がされ、胸中の内から、緊迫感がぬけ、リラックスしたような、晴ればれしい感情になり、気が明白になり、心がハツラツとして、体中の神経が冴え、心の内が隔たりなく、空間を突き抜けていく、感情で気は明発に、気分が明るかった。
 回りを見渡すと柳次が、刀の鞘を立てながら、寝ていたので、あたしが、
 「おい」っと肩らへんを足でゆすってやると。
 柳次が目を覚め
 「おっ姫さん、無事でしたけ」
 そう聴かれるとあたしは、
 「無事も何も、昨日の深夜うなされて、何だったか、判らなかったわよ」
 そう言ってやると、柳次が
 「まぁそりゃーいい、あまり思いださないほうが、気がよい」
 そう言われて、あたしはふーんと思い、
 「ねーねー朝食まだだよね」
 と言うと
 「そうだな、ここの精進料理、わっぱの小僧どもが、身をこめて作ってくれるから、うめーらしいぜ」
 そう言われてあたしは
 「へーっ」と食い気がわいてきちゃった

 あたしは、ゆらゆら寺の景観を、ボンヤリ見渡しながら昨夜、起こった不思議な体験にジーっと心をお悔やみ、昨日、授かった笛の呂律を確かめていた、「ピーピーポー」私はこの笛の鳴りが、亡霊の哀しみに軋むようであった。
 そして陽差しがアタシの肌を焦がすのを感じる
 太陽のカンカンの日射がアタシの肌に呪いを印字した、そのとき
 私…
 そう内に籠もっていると。
「ネェっねぇさん、メシでっせ」と小生意気な小僧の声がして
 食事が運ばれてきて
 あたしこの失礼な態度
 「あっあんたね、沙弥なんだから、食べものに対する礼儀くらいたら、あーもー」こやつの指導どうなってるんだか、
 気をとり直して「お食事ありがとうございます」と不躾に凝り固まるように言って、サッサと、この見苦しい小僧どっかに、おいやってよーもーヤダヤダ、
 しかし小僧は
 「ネェさん、あんたの昨日の素っぱだ…」そう言ってる小僧になりふり間髪、アタマに拳を入れてやったはこのエロ小僧。
 「いってて、ねぇさん」と言ってるのを。
 アタシ「早いとこお膳を置いて、立ち去りな」と睨んでやったケケケ。
 「わかったよ、ねぇさん」と言ったので
 あたしは軽く、食事を運んで来てくれた、小僧にお辞儀をした。
 運ばれてきた、朝食は
 しかし出された食事はとても美味しく感じて。
 気が付けばうやもやに食べていた。
 「おいあやめ、あの小僧とどんな関係だ」ととっさに柳次が聞いてきたから、アタシとっさに
 「ふっふろの…あんたには関係ないでしょ」とあの子に風呂焚いてもらった、言えるわけないじゃないそれもあの時、アタシ素っ裸な姿を、モォー、イヤイヤ…

 粥と梅干しに味噌汁と簡素なモノだったが、この風が吹き抜けていきそうな、さむざむしさに、あたし自身、今までの亡霊に可浚って逝かれそうそうな、ジンジンなる心の空白に無常なまでの、時の刻みの虚無信を感じた、何かこう思いながら、風のゆらぎに心がジンジンと、しょぼくれ気がつけば、だされた食事を刻々と食べ終えていて。
 私は庭園にて笛にて蘭陵王を吹いていた
私は、朝の陽気が、テンテンとなり、ほのかなぬくるみの中、あたしは、笛の呂律を曲を吹きながらあわわした。
 そのとき、ある小僧が
 「やぁーい、ここの寺におなご、が泊まりにきたと、聞いたが、あんたのことかい」
 そう聞いてきて
 「ハイ…、特別にここの寺の往生院の拝観を許され、伊賀から、やってきたで参りまする…」ってコイツあのエロ小僧じゃない。
 と思うとしかとしてやったわ。
 小僧は
 「こんな、寺にいると、こんなカワイイおなごに合うことないから、わいが境内を案内してやるぜ」
 そう言ってる小僧は私を誘惑してきたけど、あたしは
 「ケッコー」ってキッパリ言い切ってやると。
 すると小僧が
 「あんたの笛の音色聞きたい人いるぜ」
 アタシが
 「それがどうゆうわけ」
 と受け流すと
 小僧は「まぁこいよ、本当の孤独ってモノみせてやるよ」そう言うと。
 アタシが「そう、なんか意味ありとこ、知ってるの」
 すると小僧が
 「あー知ってるとも、案内してやるじゃい」
 そう言われて、あたしは
 「そっそれなら、教えてくれる」
 小僧は
 「まかせとけー」と言わんばかりに、鼻高々に私のエスコートを誘ったのであった。

私はある小僧に、連れられあ異様な地蔵尊が奉ってある屋敷の前に連れてかれた。
 そして小僧が、あたしに、
 「覚悟を決めとけよ、楊梅という呪いは知ってるか」
 あたしは
 「何それ、知るわけ、ないじゃない」
 すると小僧が
 「これは絶対だまとけよ、和尚さんが、秘密裏に生かしてるんだ」
 あたしは
 「秘密裏に生かしてるって、どういうわけ」
 と聞くと
 小僧は、「オレらたちに、ときどき水桶やメシをを運ばされるをやらされる、やらされた後は塩で払われ絶対、すぐ浴槽に入らされる」
 そう聞くと、
 「なっ何故」と疑問を漏らすと
 小僧は「まぁいいこい、和尚から許可は取れてある、アンタもこれを見た後、気が動転して、塩をふられるさ」
 と意味ありげに言った。
小僧に、案内されるままに、ある鳥居をくぐらされて、ある小さな小屋があった、
 そして小僧が、「南無阿弥陀佛、南無阿弥陀佛」
 ある小屋の中から、しゃがれた女の声が
 「こんな不愉快な言葉なんて唱えないで」
 と泣き崩れていそうな、女の声が聞こえた、
 「体を洗う桶の交換と、食事を持って参りました」
 と言った。
 「ありがとう、あなたの和尚さんには、本当感謝しています」
 と女の弱々しい声を聞くと。
 小僧が「それと、和尚さんが、あなたに言葉かけをと思い、ある女子(おなご)を連れて参りました、是非少し、襖を開けお会いかけて参らせんでしょうか」
 すると女が
 「いいわ、そのおなごに、私の姿をみせてあげましょう」と小屋の襖がギリギリと空いた。
 小屋は注連縄の奥にあり、ここから先は入らないよう、小僧に言われていた
 そしてギリギリとあいて、注連縄の奥の女の顔を見たとき、鼻がそがれたように腫れ、体中の皮膚が人間とは思えなく、また顔は憎いように歪んでいた。
 その女は白装束の衣を巻いており、こんなことを言った。
 「あっあたしも、この呪いにかかる前は、あなたのように、可愛かったは」
 あたしは
 「如何してです、あなたはどんな業でこのような姿に」
 すると醜い女が
 「ただ男遊びしすぎただけ、だけど私がこんな呪いにかかってからは、あたしの汚れを畏れて、あたしは御家から抹殺され、泣き崩れてるとこ、遊女になる前、親しかった和尚さんが、地蔵の小さな御堂があったここに居場所をつくってくれたの」
 あたしは「そっそうでありますかご冥福を祈ります」と言うと
 襖がパッと閉められ
 「ありがとう坊や、久々にうるおしい子、見られてれ、心がはるばるしたは」
 と言ったのであって、あたしは注連縄の前で、無念を払うかのように、小屋に聞こえないように南無阿弥陀佛と手を合わせ暗唱してた。

 すると小僧が
 「このおなご、笛を吹けるでっせ、聞いてあげれません」
 するとその楊梅患者が
 「そうなのですか、是非、吹いて欲しいものです、久々に孤独の哀しみも癒えるもの」
 それを聞いたあたくしは
 「ハイ、皇ジョウの急でも、聞いて下さい」
 そう言ってあたしは笛をこの静寂の悲しみにのせて龍笛を独奏しようと昨日授かった笛に息を吐いた。
 龍笛のゆったりした、フーハーとした息の間合いに草木が水気に滴り、
 またフーハーとした息に、私の口もとに湿り気の唾が沸き口もとにベタ付きそれが、笛にまで滴りこんで、その笛がまるで、あらゆる亡霊の霊性を宿したかのように、笛の材木がしなり口もとが異妙にベタ付き、私の息のフーハーと言う間合いとピーっと言う鋭利な音に、幽霊がソロソロと水気漂い滞るのを感じた、クールに曲を吹き終えると
 気づけば楊梅患者はシクシクと泣いていた。
 そしてそのものが
 「こんな世俗から捨てられた身となって、このような武芸と出会えるなんて泡沫の夢のように心が癒やされました」
 そう言いながら彼女は涙を拭うのに必死なように襖の内から泣き崩れてるようであった。
 あたしは「あたしの演奏が支えになってくれて何よりですどうか、自分をいたわず、お過ごし下さいませ」
 そう言うと彼女
 「ありがとよ小娘、あたしの話でも聞いて下さる」
 あたしは
 「ハイ、あたしでよかったらよろこんでお聞かせ下さい」
 あたしはそう言った。

 すると楊梅患者が話、始めた
 「それは3年以上前、まだ私が麗しい遊女だったとき、あたしはひとりの好青年と恋をしてました、とても凛々しく、その人なら一生付き添える、そう思える人だったは、しかしその青年はあたしを好きと言うのにしょっちゅう他の女と出歩いていけない人だったは、私はそれを遠目で許してたんだけど、あるときね、深い笠をかぶったサムライがあたしを訪ねて来たの、そしてこう言ったは、あなたとよくお会いになった男は火葬し処分した、そう言うのそれを聞いてあたしは、泣き崩れこの無情者と言いつけてやったは、しかしこのサムライは冷徹に、あなたは報が京に蔓延る前に大原の方へお逃げ下され、あたしはどうしてと聞くと、あなたは純朴で罪はないだが、人の情動はあなたを恨む、そう言われてあたし、どうしてどうしてと思い、恐る恐るこの寺に訪ねたとき事情を聞かされたは、あたしの恋人が梅毒にかかってること知らされ速やかに僧兵が処理なさったことをね、そしてこの地蔵尊の小屋に切り盛りして、雨でできた水たまりにあたしの顔を移ったときゾッとしたは」
 そのときそして小僧が、あたしに塩をかけ
 「ッサ、いきましょう」と言って
 すると襖の奥から「ありがと坊やあたしの心の痛みもひとつ癒えたは」そう言って、その小僧に引っ張られ寺の境内へと戻った。
 あたしは呆然としたまま、帰って小僧に風呂を特別に焚いて貰った。

あたしは風呂からでて、ボーっと空をみてた、私の心は抜けまるで体が木偶と化したかのように虚ろにスザスザと境内を廻る風だけが淋しげ吹き去るだけであった。
 そう思ってると、ここの和尚がきて、あたしに
 「また衛義(つれよし)の奴、勝手なことしよって」と言ったのであった。
 しかしあたしは「この世のことわり、あたしもぉー、武芸の道の虚しさを知りました」
 すると和尚は
 「勝手なことを、申すでない」と言われ
 あたしは「ハイ、すいません」と謝った。
 そう聞いてると、かん高いあの小僧の声が聞こえ
 「和尚さん、正午まわちゃいましたが、あたいらまだ飯(はん)喰っちゃいませんぜ」
 と言うと
 「そうであったの、じゃ昆布のにぎりをとってある、このおなごといっしょに食べはされ衛義」
 衛義さっそくにぎりを持ってきて、
 「まぁこう落ち込むなほれ、おいしい握りだ食べなされ」
 とあたしを元気づけた。
あたしは日差しが照りつけるなか、空をながめて
 「あっあたし、あたしは、…」
 と楊梅患者の変わり果てた、姿をみて、まるで心が抜けたように、寂しく、時が発っていくのを感じていた。
 心はまるで、スーっとイジケ
 心が胸苦しくなり、陶酔した己とリアルを見せつけられた、落ち込みが胸中を走った。
 そして私は結跏趺坐、禅をおやしんでる和尚に、
 「この世の患いとは何か知りたい、そしてそれを滅除する平等な希望を覚りたい」
 と申した。
 すると和尚は
 「このおなごよ、道を志す準備はできて居るか」聴いた
 そう言われあたしは
 「ハイ、私はその道を歩みたく思います」
 そう言ってからあたしは加えて
 「あたしにも、生きる意味をお教え下さい」と言うと和尚は「ハハッハ、わかった、わかった、この意気込みホトケどもも歓迎するわい」
 そして和尚は「確かこの小娘は紀州の浜辺の部族から伊賀の寺へ拾われた身であったな」
 そう聞かれあたしは「ハイ、そうでありますが」と言った。

そして和尚は
「そちの紀州から伊賀に、引き取られたキッカケは、あなたの、心中に潜む、妖力を見抜き、それを封じる為に伊賀のほうに配流されたのであろう」
それを聞いたあたしは
「ハイ、その通りです、もう故郷のことは半分忘れましたが」
和尚は片手であたしのアゴを上に向けさせ
「なかなかの端正な顔立ち、ハツラツとした愛嬌も、普段は陽の妖気を振る舞い照るが冷静な陰の影も流離っておる」
 あたしを勝手に勘定してる手を払って
 「何を見定めていたのですか」
 と言うと。
 すると和尚は
 「あんたの人相から、ただ咒印を踏査したまで、確か生まれは」
 あたしは「なご浜でありまする」
 それを聞いた和尚は「そうか、では伊賀の里で忍びの極推を修繕する性があるかもしれん」
 そう言われて、あたし
 「本当ですか」と聞きなおすと和尚は
 「あー、あんたの里は紀州北部の丹敷山と呼ばれる妖力高い山で、その気の因縁で自然に生まれた、得の高い子と見定めた」
 それを聞いてあたし
 「ハイ、ありがうございます」と言うと。
 和尚は「きっと君なら伊賀の隠密所で忍性を学ぶ、極印を許可されるであろう」
 そのことに私
 「本当ですか嬉しゅうございます」と言うと
 和尚は「私にはこの極印を許可する署名は書けぬ、今から泉涌寺に出向き、そこの和尚から国の為に命を果たせるか卜ってもらわない限り、隠密で忍性を学ぶ許しは下りないうえ、今から泉涌寺に出かけるぞ」
 それを聞いてあたし「ハッハイ」と応えた。

あたしは和尚に連れられ泉涌寺にいかれた。
 そして和尚が挨拶すると、泉涌寺の住職が
 「なんじゃ、こんなしょんべんくさいおなごをつれて」
 と言われ、何だか腹がたったけど。
 すると和尚さんが、「まぁこうふてく、されんな、この子は今、伊賀の里で武芸を習って居る、それをもってこの娘を伊賀の忍び術を習う戒めを与えてられんじゃろうか」
 すると泉涌寺のオッサンたら
 「こう簡単に忍びの戒めを授ける許可はだせん、お引き取らせよ」
 何よエラっそーこのおっさん
 しかしあたしの和尚が
 「確か、この寺に、丹敷山から弔われた、ある剣があったはずだが」
 すると泉涌寺の住職が
 「それがどうした」とキッツく言いかえしやがって、心の底からもう腹立ってんだからねべーなんだったら。
 あたしのおっさんが
 「この娘の里は丹敷山のふもとの、なご浜じゃよ」
 それを聞いた泉涌寺の住職があたしのアゴを手で上に向かわせ、あたしの人相を見るように
 「どうりで伊賀の里とは顔つきが違うと思ってたが奈呉の邑の者か」
 あたしむっぐーてしながら腸が煮えくりかえってるんだからね、でもここはしとやかにしとやかに。
 「はいあたしはもとはなご浜のめのこです」
 と言うと、あたしのアゴから胸もとを払うように叩いて、あたしは尻もちついた。
 なにっよ、こんなぶんざいになるんじゃ、お願いするんじゃなかたっわ、イーっだてんの。
 そう思ってたら泉涌寺の住職が
 「よかろう、少し蔵を確かめる用ができた、ここで待って居れ」
 すると和尚は「ありがうございます、用を足された御無礼いかんしてお許し願い待っております」と言ってキーキーだこんな女性に失礼なオッサン今まであったことないわよ、もぉ~…

 あの住職が去ったのみて、
 「なぁなによ、あんなツラが高い坊主あったの始めてよ」
 と言うとオッサンはあたしの頬、ひっぱたたいて、「これこうお願いする側でワガママを言うのでない」と言って
 あたし「おっお師匠さぁ~ん」って泣き崩れちゃった。
 するとオッサンが
 「あやめどの、よく聞くのじゃ、この命が降りることは、この国の最高の祈祷が貴女にお宿りになるのじゃ」
 あたしもう
 「どんなおやどりなんですか」
 うぇ~んと泣いちゃって
 するとオッサンは
 「よく聞くのじゃ今から其方は、伊賀で最高峰の政事をなせるお許しを頂けるのじゃ、さぁあの方に失礼の無いように礼儀正しく振る舞いなさい」
 そう言ってオッサンはあたしに付いてる砂埃をお払いになった。

そうあたしが涙を拭ってると。
ガラガラと戸が開いて、泉涌寺の住職があたしを見て
「さすがにまれな里の生まれには、この格式はキツかったじゃかの」
 するとあたしのオッサンが
 「ごすいません、どうか多めに見てあげて下さい」
 それを聞いた泉涌寺の住職が
 「まぁ気はしてない、ただこの娘の意気もカワイイもんじゃ」
 オッサンは「はっはー」と言ってると
 泉涌寺の住職がある刀と書状をあたしに渡して
 「この刀は忍びになるため、あんたの本差しじゃ、それとこの書状は伊賀の里の領主に送る私からの忍びに成るための推薦状じゃ」とこれを受け取ったとたん冷たく見えた住職が急に温かく思えて、なんだか嬉し涙に変わったみたいに
 「ありがうございます」と胸いっぱいにお礼を言っていた。
 すると泉涌寺の住職が話始めた
 「あんたの名前は」
 あたしは
 「あやめともうします」
 「そうかでもこれからは、奈呉生畿者(なごのさずけ)と申せよ」
 それを聞いたあたし
 「な、ご、の、さ、ず、け?」とクエッション付けるかのように不思議がった。
 そして「ハイありがうございます」と言うと
 泉涌寺の住職はあたしのオツムになびく髪たくしこう話、始めた。
 「この君が本差しに構える刀は慈念霊殺剣と申す、昔、壇ノ浦の戦いで逃げ失せた平の武士が丹敷山に逃げたとき、その公家の姫君ひどく喉が渇いていた、それに哀れいだ平の武士は升を持って水際まで水を汲んで戻ってきたとき、その姫君にいきがなく、何度も姫君に語りかけても冷たい肌が乾燥していくだけであった、生きがいを無くした武士はそのことに受け入れ難く、その姫君のあとに追憶するが如く自害したのじゃ、そしてその近くで奈呉の邑の大和に魚を奉納していた部族が、その姫君の憶念の供養を頼み都からきた僧が托鉢してその納品に京に持ち帰ってこの剣は祈祷されるかのように廻って、今、泉涌寺で所蔵されててたものじゃ」
 と言ってあたしのオツムからあたしが両手で抱えてた貰った剣の柄を撫でた、それを聞いたあたしが
 「なぜこの剣をあたしにゆずってもらえるのですか」
 と聞くと泉涌寺の住職は
 「この剣は涙持って、姫君が息絶えた場所を、お忘れにならないよう、里の童女の者にその山が供養され後の世、この姫君の哀れ身のためにも、丹敷山の霊性と弔うものが絶えないよう、あやめいや奈呉生畿者として、この剣のために、貴女の故郷とともなった武士の慈念とともに守れなかった姫と同心になって、この霊剣を霊性をサズケ悉く弔えよ」
 それを聞いたあたしは
 「ハイ、立派な忍びになって見せます」と言ったのであった。

 そして、明日、私の居候先の伊賀に帰ると言うとき、月は十五日の満月であり、あのスーっとした、夜の静けさを感じられた、すると衛義があたしによっってきて、あたしに急須でいれた、暖かいお茶を持って来てくれた。
 「明日、伊賀の里に帰るのでっせ」
 そう言われあたし
 「ありがと、月影の至らぬとこはなかろうが、望むものにすむ、ねこの歌どう思います」
 すると衛義は
 「あー念仏を申すものの、有名な、一句ですね、たぶん仏は衆生誰として心の中にあるって意味じゃないでしょうかね」
 そう言われあたし
 「そう」て言って、「衛義、あたし里に帰ったら忍びになるんだ」
 すると衛義も
 「僕も僧兵になって、後の世、法の安静のために、五畿七道を旅しようと思っておりまする」
 それを聞いてあたし
 「なぜ大原で修行する、許しできてるの」
 と聞くと
 「吾、本当は御内裏さまと近い血筋なんだ」
 それを聞いてあたしは驚いて
 「ハッハァー…そうでありましたか今までのご無礼お許し下さいませ」と頭を下げた
 そう言うと衛義は
 「いえ、あなたの強い法の結びを感じまする、なのでもしあなたが忍びなったら、僕に諜報した情報をお聞かせ下さい、もし僕が立派な僧兵になれれば、この日の本のために、法を鎮座しましまする」
 そう言った衛義に
 「ツレヨシ様、立派な僧兵にお成り下さいませ」と深く頭を下げた。

私は師として紹介された玄蔵さんから、忍びの極意の書を学ぶかたわら、
 たまに、玄蔵さんは厳しく木刀を持って、私との手合いに、木刀であたしの足をはらって、喉元に木刀を突きだして、
 「ヒッ」てあたしはビビって
 玄蔵は「棒くらを振り回してるだけと云えども、まだまだ手合いがあまいわい」と言って。
 あたしを脅すだけだけど。
 でもね、あたしは藩士の子ぞうどもを相手にボオっくら、振り回して、武家の鼻っ面を折ってやるんだからね、へっへへ、良いストレス解消法だわ、ハッハハン。
 何かね前は、あたしがへし折ってやった、子ぞうが、藩主に血が近くて、
 そのこの、子分が三人がかりで呼んできて、あたしのツラを、無理やりでも、ふんっと言わせようとしてきた、みたいだけど。
 ハッハン、これでもあたしが帰り打ちしてやったんだから、これでもかって、言ってやったわ、そうするとこの、憂悶の子あたしに気に入られちゃった。
 でもその将兵って言う子「次、絶対おめーなんか、打ちのめしてやんからな」と言ってるんだけど。
 「兄貴、無理っすよ、あれで精一杯だったんすからね」
 将兵は「左吉、弱ね吐くんじゃね~、まぁいい今日のところ引き上げるぞ」
 ベーッだかますもんならやってみなっていうんだ
 へっへへ

 そしてあるときね、玄蔵先生から忍びの伝書を学んでるかたわら、こんな事、言われたんだぁ
 「なぁお主、中々の心得を得た思われる」
 それを聞いてあたし、
 「ハイおほほめ、ありがとうございます」
 と言うと
 先生は
 「この里の戦国時代の領主、筒井殿はキリシタンであり威風のものに大変興味があった」
 あたしはそれを聞いて
 「ハイそれが、なんでしょう」と聞き返すと、
 玄蔵は
 「ある水辺の寺の御堂に、筒井殿はバテレンを隠した」
 えっえーと思って
 「そうですか、私とて、そのバテレンを見たいものです」
 そう言うと
 「実はな君にABC(アベク)を学んで欲しい」
 そう聞かされ、あたしは
 「アベクとはなんでしょう」そう聞きかえすと
 玄蔵先生は
 「西の果てローマの文字の事、実は海外事情を諜報とする忍びが欲しいのじゃ、やってくれるな」
 と言うとも、あたし
 「ハイ」って元気に唱えた。

 玄蔵が水辺の水気が漂うここである小屋をノックした、でもなんだか少し木の茂りで、うっそうとしてる様子にあたし、なんだか気味悪いわ、
 すると中から「ホワット、ドゥー、ユー」と耳慣れない声が聞こえ。
 すると玄蔵は「私じゃよ」と言うと
 小屋の中から、「あなたさんですか、シーユーロングアゲイン」
 私は「この人、なに話してるの」と聞くと
 玄蔵さんは、「この方は遠い異国の地に、宣教なさり追放され身を隠すようになったかたじゃよ、聞き取れないとこはイングリッシュだ」
 「…イングリッシュ?」とクエッションマークがつくと、
 「オー、ヤェ、アバウト、キュート、ミラクル、ガール、アー、ユー、」と言ってあたしの手を摑んだので、あたし
 「キャっ」てバテレンの手を振り払った。
 気を計らうように、あたしに玄蔵はこう告げた、「この娘は、私の忍術の弟子だジェーン殿」
 するとジェーンは「そうでありましたか」と日本語で返してきて
 ジェーンは「それでミーが、この娘に何用でしょ
 玄蔵は「この子に西の果てのエンパイアと呼ばれる、あなたの知識を授けてもらえないか」
 するとジェーンさんは
 「そうかそうか、この道に進ませる弟子ができるとは、私とて嬉しいものじゃ、ではあんたを後の世、海外のインテリジェンスを担当することを見込んでレイヴンと名乗りなされ」
 そう聞かされあたし
 「レっレイヴンですね、異国情緒ある、お名前ありがたく頂戴いたしますと、いった」

 そしてあたしはジェーン神父の食事の運び番を任されながら教えを仰ぎ。
 「あなたは闇の霊を知ってるか」
 それを聞いてあたし、
 「いえ、仏法を心差しましたが、闇の霊の定義などとは」
 するとジェーンは
 「よく聞けこの地球は地獄の第九圏から天国の第十天まである、神の光が届かない最天の地獄が存在するこの闇のいき場所に住む名前、お主教えてあげよう」
 そう言われて
 「ハイ、是非、教えてくれませんか」そう言うと
 「それはピグミーマーゴットと呼ばれている」
 それを聞いてあたし少し虫ずが走り
 「彼らは何を持って最天の地獄に落ちたのでしょう」
 するとジェーン神父は
 「あなたは神を信じるかね、でも世の不平等を見ると耐えかねないであろう」
 そう聞かされあたし
 「それがどうしたと云うのです」とそう言うと。
 ジェーンは
 「この宇宙にテンエリアコスモ、エンペレオと呼ばれる最高天がある、しかしあらゆるものは執に囚われ、そのエンペレオを見えない」
 それを聞いてあたし
 「そのエンペレオどうすれば、見えるのです」と聞くと、ジェーン神父は
 「まぁ君にはゆっくり、天球の働きを教えてあげよう」
 それを聞いてあたし
 「ハイ嬉しく思います」と返した。

するとそのジェーン神父がアタシの髪をさすって、「なんてカワイらしいんだ」
 と言っていた。
その時
 「オイ押すなバレるだろ」
 小ぞうども、隠れてる声にあたし、あきあきして、「ここに隠れてるのはわかってるんだから、藩主子供と言えども忍びの集いは容赦ないわよ」
 そう言ったら、襖から、左吉と将兵が出てきた。
 「イヤー、ネェさんの跡を付けてるとバテレンに教えを教わってるなんて、この伊賀の里も恐れいるわ」
そう言ってる将兵に、あたしは
 「ここの情報は絶対に喋らないことね、約束できないなら」
将兵は「まてわいも藩主の子なさかいバテレンが隠れてるのは、うわさで聞いてたは」
 「このうわさどっから聞いた」とあたしは脅した
 すると将兵は「この河辺に要る妖魔がいること、うわさたってる、またこの河辺にバテレンがいるとも、ここは妖しいところで普段はだれも立ち寄らないんだ」
 そう言って、白状してそれほど処罰するほどでもないと思い刀の柄から手を離した。
 そしてあたしは
 「ジェーンさん、どうしましょ、この子たち、ここのこと流れれば、あなたのお命に危険が」
 するとジェーンさんは「よいよい、それよりあんたの刀、殺傷力、低いみたいじゃの」
 あたしは「どうしてそれが」
 ジェーンは「フェイト、因縁じゃよ」
 そう言ってのけたのであった。

そしてジェーンさんが、
「この子は」
と聞いたので、あたしは
「此奴らは、左吉と将兵と言うここらのガキだ」
するとジェーンさんが
「このこが将兵君かい」
すると将兵が
「あー俺になんのようだ」
すると
「将兵君、あんたの刀はなかなか、良い気が封じてあるの、この刀と、生畿者がもってる慈念霊殺剣でここに蔓延るドウ河童の妖怪を供養できるかも、しれん」
すると左吉が
「ここの妖魔近くの坊さんも恐れて近づかないのに、こんな女子に供養させようなんて、この娘はこの水辺で自害させようと同じ行為です、こんなことさせるの間違ってます」
すると将兵も
「そうだそうだ、こんなカワイイ女子をこの水辺に沈めるなんて、やっぱりバテレンは信頼できねー」
と将兵は刀の柄に手をかけて脅した、しかしジェーンさんは
「ふん、そもそも刀をまともに持ったこともないやつが用云うわい、これはこの娘の試練なんじゃよ」
これを聞いてあたし
「ッチ、わかったわよ、ここの妖魔を始末したらいいんしょ」
するとジェーンは
「よろしい」と言った
しかし将兵は
「おい本気かよ」と唖然と為てるようだった。

ジェーンさんは気を取り直したみたいに
「では、ドウ河童を始末する術を考えよう」
そう言うと、あたしは
「お願いします」と云った。
将兵と左吉も、ツバをゴックンと飲んだ
「まず将兵君あんたの刀は」
すると将兵は
「これは伊勢の刀匠が作った村正じゃい」と言った
するとジェーンさんは
「これを少し見させてくれんかい」
将兵は「勝手にせいと」帯刀してた刀をジェーンに差し出した。
すると外人は思えんようにスラッと、刀を抜いて見せて。
ジェーンは「ふむ良い刀だ、血の気は感じられなく、誰かを殺した殺気は感じられないが刀匠の念が込められ、帯刀してるものに仕掛けてくる、者どもを切り払う気を感じる」
それを聞いて将兵は「ハッハハそうですか、父さんから立派な武士になるように授けられたんじゃい」と言ってると
次はあたしに
「奈呉生畿者、あんたがもってる剣は霊剣だ亡霊を鎮魂するためのものだ」
それを聞いてあたし「ハイ、そうですか」と返した

ジェーンさんがこう切り出した
「ここに居るワッパどもも生畿者のツレとして、特別に聞かせてやろう、この地球は吾イングランドの吾が属した集いの仲では、アースエクスマキナと呼ばれた、また宇宙も月をワンエリア、水星をツーエリア、金星をスリーエリア、太陽をフォーエリア、火星をファイブエリアと数えた」
 するとあたしが「このような、ややっこしいことが、このドウ河童を払うのにどう、なすのえ」と言うと。
 「すまんすまん、あまり関係なかった、まずはお前、サズケの実力をみなちゃの」
 それを聞いてた将兵が
 「人の命を試すように、言いやがって」と言うと
 ジェーンは「まぁよい、サズケくん、あんたは、九字切りを結べるか」
 私は「ハイ結べますとも」と言うと
 するとジェーンは、
 「その妖魔の領域に入ると、肉が水で腐ったような激臭が匂ってくる、その時、心を沈めて慈念霊殺剣の柄を持ち、息を整え心を落ち着かせ、次に、手を胸中の前で九字の印を結ぶ、終わったら九字切神毒気(クジギリアシキイキ)と呪文を唱え村正を抜きすぐさま、ドウ河童を打つ、そして相手が痛手が負ってるところ村正を鞘に収める前に九字の読み下しはご存じであろう、臨める兵、闘う者、皆、陣裂きて、前に在り、と唱え鞘に収める、しかし妖魔だから簡単に死なんだから次は無言で慈念霊殺剣を抜き妖魔の息のねをとめよ、それで、ここのドウ河童は征伐するはずじゃ」
するとあたしは
「ハイわかりました、忍びとしてやってのけます、それとアシキイキとは?」
と聞くと「あんたの心中、奈呉の血を曳くものの因縁じゃ」
あたしは「これは誰から聞いたのです」
ジェーンは「あんたの師匠さんからだ、あなたの血には特殊な因縁がある」
それを聞いてあたしは「ハイ」と言った。
しかし将兵は
「おい、こんなだいそれたこと、俺の親父だって…」
するとあたしは
「あたしは名の無い忍びです、私の命なぞ惜しみません」
それを聞いてジェーンは
「よろしい」と言った。
それであたしは
「ジェーンさんの羽織とアクセサリー、御守りとして貸して下さる」と言った。

私は提灯の灯りを頼りに、左手に慈念霊殺剣の柄を掴み、あの妖しき水辺の方に向かった、あたしはあの妖しき水辺に行く途中、慈念霊殺剣には不思議な印が封じてあるかのように、気の通りの速やかさを感じた、そして提灯の灯りがぶらつき、ビューっと夜風があたしの肌に、冷たい水気を付け身の気を震えあがらせた。そして夜闇が深くなるのを感じ、見知らぬ人影があたしの回りに、寄りついた、その人影はまるで何かを口寄せして、あたしを自縛させるかのように見知らぬ声音があたしに水辺のピタピタ水辺の撥ねる音と重なって、肌に水気を漂わせた、そしてあたしが
 「ック、この異様な水気、妖しき」
 と言うとドウワッパの蔓延る妖気が水辺からチュルチュルと潮が曳くように、あたしの肌を撫でるのを感じアタシは冷静に提灯を足元に置いた、また提灯の灯火が不安定に揺らめくのが、よりいっそうアタシを闇に葬り去る静けさを感じた、そしてあたしは「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏」と唱えるとこの音に夜が靡きあたし冷たい夜風に靡き、水が腐ったような臭気がただよった。

その時あたしは、すぐさま
「臨、兵、闘、者、皆、陣、烈、在、前」と素早く唱え、九字切りの印を組んだ、
そして「クジギリアシキイキ」と捨てぜりふを云った
すると夜風の時空間が奮えたように。
ビューっと灯籠の灯火が揺れ動いた、そして、激しい激臭を放つ身があたしの身体に触れるかのように、生生しくあたしの肌をキモチワルく撫でた、あたし「ック」と舌打ちすると、提灯の火が揺れその妖魔の姿を灯した、それは身がブクブクに緑色に腐食に髪の毛が抜け落ち、おぞましい姿をうらはらに子どもの寂しい気持ちのあまえたさの念が感じられた、そして私は素早く、村正に柄を掴み、居合いの準備をはかり、ドウ河童があたしに甘えたそうに近づいて来るところを切り裂いた、すると妖魔はウーウーとうごめき、あたしは、村正を素早く布で拭いながら、
 「臨める兵、闘う者、皆、陣裂きて、前に在り」と云い鞘に収めた、すると妖魔はアタシに泣きつくかのように近づいてきて、その悪臭ただよう妖魔を慈念霊殺剣で切り払った。
 すると妖魔は、うぇーんうぇーん泣き崩れ提灯の火が妖魔を焼くようにジリジリと妖魔の息のねを天から咎めるのであった。

あたしはドウ河童を打った事をジェーンさんや将兵や左吉に言ってどんなもんふふふって見せつけてやったは、するとジェーンは、
 「ふむ、素晴らしい捌きようじゃの」
 そう言って持っていた杖を持って
 「レクゥィエスカト・イン・パーケ」と唱え、アースに呪力を逃すよう、ついた。
 私はこの妙なイントネーションの発音に
 「この呪文は」と聞くと
 あたりは闇が忍び寄るような異様さはもうない、ただ水辺のザラザラと言う水が弾ける音だけだった。
 するとジェーンさんは
 「宇宙は絶大な法によって支配される、この天地創造の神秘、私はキリストの美術を見て多いに心を打たれた」
 そう言ってる、事にあたしは
 「その美術と今は、何の繋がりがあるって言うのです」そう言うと。
 ジェーンはあたしに、
 「まだあんたも素養がたりんの」
 そう言ったジェーンをあざけ
 あたしは「将兵に見事な剣であった、ドウワッパの腐った血を浴びて因縁付けて了ったが、良い剣じゃ大切にしなされ」
 そう言うと将兵は「ワーなんか異様な因縁ついて怖いどす、あした藩主にあげ寄贈します」
 そう言ったジェーンが
 「そうじゃそうじゃ、それが良い、あなたは適切なこの伊勢の刀工が仕上げた刀の念によくなじんでおる、その刀が藩主に寄贈されると、忍びのルートを使って貴方に妖気が封ずるよう、呪文を唱えないとな」そう言ってジェーンは。
 「アモル」と唱えそして、「デオ、デゥス、ノン、
エラビス」と言い杖をアースについた。
 そしてジェーンは、「あなたお子さんたちは帰りなさい、サズケまた明日、世の法を教えてやる」
 そう言ったのであたしたちは帰った。

 あたしたち、左吉と将兵と、それとアタシは提灯のあかりの灯りを頼りに帰宅していた。
 その時、左吉が「あの妖魔を払うの、どんな感覚だったんですかい」と聞かれると
 あたし「うーん…肌は腐った緑色に変色して…」
 すると将兵は「やめろ帰る道中でこんな話しするのは」
 それを聞いてあたし
 「そうね、あたし、あなたたちを無事、ご自宅まで送らないとね」
 すると将兵は
 「そっそんなおせわわ」
 そう言ってると、あたし
 「なーに、強がらないの、あなたは立派な藩主の息子なんだから」
 将兵は「ッチ」って悪態をついていた。
 そう言った将兵にあたし「まぁまぁ」と言うと
 左吉は「ネェさん凄いすね、こんどいっしょに茶道でも嗜みません」
 そう言った左吉に
 「良いね左吉、いっしょに風流な風靡でもあじわいましょう」
 そう言って将兵と左吉
 「こんどあたしの願いで、あたしが住み込んでる、能禅和尚の寺で、茶会申すから、あなたたちきなさいよ」

私は意識がぼんやりして冷たい水の中で溺れているような感覚であった、明瞭になったころ、激しい水の底に沈められる感覚陥った。
 どこかの母親がヒシヒシと泣く声、ソレを聴いたアタシが、ふっと視線に男の子が泣いてる姿が見えた。
 そしてこう呼びかけてるのは、お母さんだろうかとふと思うと、風音が聞こえ
 「うぇーんうぇーん」と言う声に、母さんが目を袖で拭いてるのが見えた。
 そしてその男の子に、ある黒い影が背後にあるのを見えた。
 そして黒い影が「人は亡くすものは亡くす、どんなに人が言葉で飾っても、やってることは昔から、変わらない」
 すると影は「吾は死神、人の虚しさを知っている」
 あたしは「死神さん」と疑問を呼びかけるように聞くと、そして
 「どうして、どうしてなの、どうしてあなたはいるの…」
 「それは私自体、幻であり、あなたもそうなんだよ、言葉を意識することで、貴方の中に亡霊が入り込む、そして戒めだけが残りその報いに人は刈り込まれる」
 ソレを聴いてるとブクブクと水中に押し込みられる感じ河童があたし水の底に攫うように、この妖魔の淋しさが伝わってきた
 そしてアタシ「この子、ズッと、一人だったのね」
と悔やみ。
男の子をみて私はそのもっとお母さんに甘えたかった思いが、深く胸中が締め付けられてるようなしぐさだった。
 そして私がブクブクと息が途切れそうなとき、夢の中で出てきた慈念霊殺剣を抜き
 「オンマカキャロニカソワカ」と言って
 切り払った、すると妖魔はうごめくように水中の渦の中に沈んでいき。
 アタシは「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏…」唱えてると、すっと目を覚まし日差しが、私の肌は焦がすようにジリジリした。

 私は、左吉と将兵を呼んで、能禅和尚から茶道を愉しんでいた。
 アタシは礼儀をもって、茶道に奥深みの嗜なんでると、将兵たら片手でお茶を啜るんだもん。
 何コイツ、本当に武士の子って疑いたくなるわ、それを私は横目でギロっと見てると、
 和尚が「あやめ、そしてサズケどの、江戸の方から、刀を奉納する選抜にこの伊賀の忍び里から、貴方が推薦で来ている」
 するとあたし
 「あたし、まだ数えて16よ、こんな若いのに…刀の奉納なんて」
 和尚は
 「それもなにも、江戸に妖気を封じ、人を集めるためにモノを結ぶまでじゃ」
 あたしは
 「そう旅立つのはいつごろ」と聞くと。
 すると和尚が
 「此処らで、七つ道具の祈祷してからじゃ」
 すると私「その七つ道具って」
 言うと
 和尚は「伊賀の集いは、あんたの武芸をかっての」
 そう言ってから、巻物を広げた。
 その書状には
 一、慈念霊殺剣
 一、芭蕉扇
 一、龍神の笛
 一、浄玻璃の鏡
 一、香水が入った八幡の瓢箪
 一、念仏の鉦
 一、百八煩悩の平数珠
 を用意せよとあった。
 「これらは伊賀の忍びに集わして、集めた、来月ごろでも、江戸の増上寺の方にこれらの法具を持って挨拶しに行きなさい」
 そう言われあたしは、ハイわかりましたと言った。
 すると将兵が「すっげーじゃねーか、将軍様から指名が届くなんて」
 そう言われあたし、もぉー茶道の時だって言うのに雑にしちゃってと思った。

 私は江戸に流れ込む妖気を取り締まりに、まだ幕府が開けて間もない、江戸に来ていた、それにしても元和の世というのに江戸はずいぶん栄えた町であった、それに増して、そこらにあらゆる法具が乱流し亡霊が流離うかのように、人々は流離った、私もこの時空の流離いの迷い人のようだ。

 そして、私はこの江戸で、十字架のアクセサリーを覚られないように羽織を大きくまとって、大きめに胸元に蝶結びをして、胸元に隠していた、またジェーンさんから授かった、蛇の杖(ゴーレム(גולם‎)の杖)といっていたモノを私は背中に背負って、時々、ラテン語の呪文を唱えアースに突いていた、

 そして私は毎朝この江戸の町で、忍びより授かった浄玻璃の鏡に祈り、般若心経と観音経偈を八幡神の瓢箪に入った香水を手に塗ってから唱えていた、そして深くこの江戸に流れこむ妖気の衆生の供養を願い平玉の数珠を摺って天に祈りを捧げていた。

そしてあたしは、ある雨模様の薄暗い気の流れに、幽霊がでるので供養して欲しいと言われ、右手と左手を合わせて、数珠をたらし「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏」と黙然しながら唱えた、そして私は弥陀を胸中で憶念しながら、忍びから授かった鉦で
 深い笠をかぶり「カンタカッタタ、カンタカタタ」とならし南無阿弥陀仏、とリズムよく唱えていたするとこの道の回廊で、幽霊が江戸本丸からの鬼門に向かって流れ込む霊気に、幽霊の気配を感じ、ふら~ふら~と浮遊霊みたいなのが流れ込むのを感じて、スラッと慈念霊殺剣を抜き霊体を切り払った、すると誰かが、
 「観世音南無仏与仏有因与仏有縁仏法僧縁常楽我浄朝念観世音暮念観世音念念従心起念念不離心」と延命十句観音経を唱えてるのを聞こえ、私が誰じゃと長脇差しの村正に手をかけると、
 「あたしですよネェさん」
 それを聞いてあたしは
 「その声は」と言ってハッと村正の柄にかけてた握力を弱めた。

 するとその僧兵は「三千院でお世話になった、わいツレヨシですよ」と言うと
 あたしはそれを聞いて「衛義(つれよし)」と笑顔で彼の方を抱いてやった、そして私は手を握って、「ねぇつれよし、元気だったと」聞いてやった、すると衛義は。
 「元気すっよネェさん、それでネェさん、今どこで居候してるんです」
 あたしは「口では、いえないはでも招くことならできる」
 それを聞いて衛義は
 「ではその檀家まで、招いてくれます」
 あたしは「あーいいわ」と言うと衛義はイタズラにあたしの羽織りの蝶結びの結び目の締まり目をほどいて、アクセサリーの紐を胸元から託して、あたしは、「ちゃーなにするのよ」と言うと、
 なんと衛義たらあたしが掛けてるアクセサリーの十字架を持って。
 「ネェさん、こんな下劣なもの隠して良いのですかね」とおちょくってきたので。
 あっあたし、急いでまた胸元が隠して。
 「このこと絶対誰にも言わないでよね、そうじゃないと、あなた刎ねるわよ」そう言うと、少し衛義は怖じけたらしく。
 「わっわかったすよ」黙り込んだ。

私が「さぁいくわよ、ついてらっしゃい」と言うと異様な雰囲気が伝わり、衛義はこんな呪文を唱えることを覚った。
 衛義は刀の柄に手をかけて「ニッカリ、幽玄の口寄せ、咒い」と正を構えたため
 そう唱えたことに、あたしもとっさに本差しに手をかけ、奇を持って、居合いを構え霊眼(まなこ)を開き慈念霊殺剣を抜き、衛義が放つ幽体を「成敗」と言って切り払った、そして私は刀を鞘に収め、長脇差しの村正の柄に手をかけると、私は「正の不意、奇の打ち」と唱え相手を呪縛した。
 すると相手の気の引目が、手に取るようにわかり、彼がフーハー、フーハーしてる焦りに空間が濁り彼が気がつくころには、あたしの奇の不意打ちに彼の首元に刀の刃で押さえいた。
 そしてあたしが、「どうしてこのような、マネをした、ふざけてるなら容赦無く切るぞ」と言うと。
 「あなたの実力を図ってたのです、四天王寺より、ある程度のワザのあるものに伝えるようにと言われたからどす」
 するとあたしが「まことかと念を押すと」
 衛義は「そうどす刀の緊張をとってください、そうしないと伝聞も言えませんぜ」
 そう言ったので私は
 「わかった次、刀に手がいったら、次はまことのいのちは無いと思え」と言い脇差しの刀を鞘に収めた。

 あたしは「さぁこっちだ入りな」と伊賀の忍び門下の西念寺に帯刀してた刀を抜き去り、衛義のお尻を蹴ってズタズタ転げ落ちた、
 すると衛義たら「刀は触らないで、おくりやす」と言ってると、あたしは
 「うるさいわね、あたしに刃を向けといて、この忍びである私が信用すると思う」
 しかし衛義が「この刀は私の命より大事どす」
 そう言うとあたしはふんとそっぽ向いてると
 衛義は「もし刀に汗がこべりついて、錆びれさえするんなら、もう僕は」
 そう言ってる衛義に「僧兵としてみっともないわよ」そう言ってあたしは、衛義の刀を抜いて勘定した。
 あたしは「この刀の名称は」と聞くと衛義は
 「ニッカリと言います、幽玄の念がニッカリと笑って、冥土から足をひっぱるから、ニッカリと俗称されるんどす」
 それを聞いてあたし「そうね刀匠の流派は」
 と聞くと衛義は「青江派どす」とそう言うと
 あたしは「そう、では名称はニッカリ青江と言うわけね」そう言ってその刀を地面に放り投げた。
 すると衛義は「他人の大事な刀を何するか」と怒ったような口癖であたしを責めた。
 するとあたしが「あなたの四天王寺からの伝聞はなに、ちゃんと書状と署名はあるんでしょうね」
 衛義は「あるどす、わしの風呂敷の中にその書状が」そうすると
 あたしは衛義が肩から下ろしてる風呂敷を強引に拭い取り中を広げた。
 衛義は他人に触られることが不愉快そうにみて、あたしが書状らしい者をみると、あたしが
 「これ」と強迫すると、衛義は「それどす」と返した。
 そして私は書状の中を確認して、確かに四天王寺の印と法主の花押であること間違いないこと確認して、どのようなことかは衛義に託すと書いてあった。
 そしてあたしが忍びのツレに「もういいわ、離してやって」と指示すると彼はすぐさま、帯刀してた刀を拾いに「だいじょうぶだったか」と言ってると。
 あたしは「さぁ衛義、肝心なとこを話しなさい」そういうと、衛義は「ハイ、それは近頃、恐れ山で異変起きてるらしく、その異変を探って欲しいとのことです、底の方位を調べられたら、四天王寺の法主は金剛組の宮大工を江戸に使わすのを約束してくれます」そう言われると
 あたしは「恐れ山と言えば東山道の北の果て」と口をもらした。

 私は畿内から用を速急済ませようと、東山道の最北端にある恐れ山に出向いた、そして私は其処のイタコに「ワレは某より、参った忍びである」と言って、衛義より授かった四天王寺の印を見せた
 するとイタコはこの花押や印が何かわからぬが大麻を振るってくれて「なんのために参りましたの」と聞くので、
 そのお払いに、ここではあえてキリシタンって覚られることないわねと思い「お払いありがたく思う」と言って、十字架を胸元より出してエッヘンと思って十字架をチラツカせながら「はい私は此処らで起きてる異変を調べに参りました」。と言った
 「そうかそうか」とガバイおばさん、あたしの方に来て、「あんたキリシタンだね」
 そう言われ、あたしはゴーレムの杖をもって
 「ノリメ、タンジェレ」とアースを突いた。
 そしてそのバアさんは「この妖気、君はなんのために此処に」と聞かれ。
 「無論、此処ら起こってる異変を突き止めるためだ」
 というと、そのバアさんは「そうか、その異風の妖気、幕府もよく選んだものじゃ」
 そう言われあたし「なぜ私が将軍様と絡んでることを」
 「あんたの気の滞りでわかる、そしてあんたの妖気が導く先は安家洞の中で闇の亡霊がまっておるぞよ」
 そう言われ「では案内してもらおうか」私は言ったのであった。
 そしてそのバアさんにアタシに大麻をふるわれ、神酒を小皿に差し出されていた、アタシは小皿に口をつけ、酒を吸い、軽くお辞儀をすると、バアさんが私に礼をして、こう言うのであった。
 「この奥は三途が流れておる、あなたはこの洞窟の最奥の延命地蔵に拝んでくるのじゃ、これを持ってな」それは、神酒が入ってる徳利であった。
 それを言われアタシ、
 「こっこれは」と徳利を妙な目でみた。
 するとバアさんは「闇の亡霊に攫われないための保険じゃよ」と言ってニヤッとわらった。
 私は「ありがと」素っ気なくいうと、バアさんは割って了わないように、徳利結びをしてあたしの肩に下げてくれた。
 そしてバアさんが「ではゆきなされ、ご無事でな」と言うと。
 私は「はい」とこれ以上、わかってるみたいに言うと。
 バアさんは「ではゆけ」と言って。
 そして
 「この奥に案内人が居るはずじゃ」
 と言われ、アタシったらフンって顔をそむけ、注連縄をまたいで、提灯とその予備の蝋燭を数え、提灯をたよりに静寂な闇に足を踏み入れた。

灯籠が灯り、虚空に心が吸い込まれるなか、何かケラケラ笑う声が聞こえた。
 アタシ…その声に不気味を、感じ、灯籠の火がいっそう恋しくなり、アタシ
 「ダッ誰なの」
 と思わず、声をあげた。
 すると
 「愛しい人よ、私はあなたのような方を、待っていた」
 そう言われてアタシ
 「ッチ」と悪態をつき、ゴーレムの杖をとり、
「レクゥィエスカト、イン…」っと言って、杖を上にあげて、アースに突く行為使用とした瞬間。
 とっさにしゃがれた声が「まっ待てこの呪文は唱えるな、せっかく今までまったのに暗闇の底に消えて了う」
 するとあたしはゴーレムの杖を片手首で回し、杖を背負い戻した
「どうか軽率な挨拶お許し下さいませ、愛しい人よ、あまりに嬉しくて、不用意に近づいてしまった、ことを心から誤りまする、どうかどうかお許しを」
 そしてケラケラの笑ってた異様なものが、慎むかのように私への畏敬が胸中に謝念するのを心苦しいほど伝わってきた。
 そして私が
 「いえ、あたしが不用意に呪文を唱え葬ろうとした、無慈悲な行為に誤るは」と言うと
 その見知らぬ者は嬉しそうに
 またケラケラ笑って、ニッコリと
 「さぁーきなさい、私が案内してあげよう」そう言われ、アタシ、そちらに灯籠を寄せると、襤褸切れをまとった、者がいて。
 「火を私に寄せるな、肌が焦げて焼け死にそうだ」と恐ろしいほど地獄の者が絶叫したかのような声に、私は時空が捻れ、いっしょに闇の底にかっ攫われる感覚に恐れおののいた。
 「すっすみません」と誤って火を襤褸切れから除けると。
 アタシは一瞬だったが異様な姿をした者が見えて、心がおののいていて。
 そして「わっわかったは、火を寄せて悪かったわね」再び誤った。
 そう言うと、すると彼は暗闇から、
 「あー私はあなたのような麗しいかたと合えるなんて光栄でしょう、あなたのような、麗しい方に会うことは天から許されてはおらぬ、ただあなたの受け入れ心から感謝します、さっさ若い者よ私が案内してあげよう」
 そう言って案内人とは思われるモノの指示を迎えた。

「さぁさぁこっちです麗しい方」
そう言って提灯から照らされた所から、ほのかに放たれてできる襤褸切れの影を追いながら、洞窟の奥に進んで行った。
そして襤褸切れは案内しながら話しだした。
「私たちは、暗闇の底、最天の地獄より、永遠に許されなかった」
それを聞いてあたしが
「ック、それがどうしたって言うの」
そう言うと
「あなたは麗しく、蛇のように智慧も積んで、らっしゃる、それもこの時代で最高の智慧じゃ」
それを聞いたらあたし自慢気に
「そりゃそうね、だってあたし、イングリッシュとラテン語、密かに教えられたんだからね~」
そう言い自慢気にエッヘンと思ってると
襤褸切れは「あーあなたは、知ってらっしゃる、この地、アースエクスマキナは天空を支配するワンエリアコスモのムーン、ツーエリアコスモのマーキュリー、スリーエリアコスモのヴィーナス、フォーエリアコスモのサン、ファイブエリアコスモのマーズ、シックスエリアコスモのジュピター、そしてセブンエリアコスモのサターン、これらの天体はそしてエイトエリアコスモのゾディアックのなかを卜ってる、ナインエリアコスモのユニヴァースとテンエリアコスモのマルチヴァースは幾千億の星が生成と消滅が繰り返される」
と言うと私はゴーレムの杖を突きつけて
「ではなぜ、あたしを来るのを、待っていた」と聞くと、襤褸切れは
「あー、われわれは天から見捨てられた」
そう言うとあたしが
「なぜ天から見捨てられる、どんな悪い事をしたのじゃ」
と聞くと
「われわれは数え切れない悪事をした、脅えに脅え神がワレワレをこのような姿にしたのじゃ」
それを言った襤褸切れにあたしは
「なぜ吾が吾が、うるおしいのじゃ」と聞くと
襤褸切れは
「私はあなたに、あなたに、そうあなたを拝めるだけで、私はそう、あなたの胎に宿る縁ができたのです」
それを聞いて私は
「じゃ、じゃその、私はあなたを」そう思うと言葉失った。
しかし襤褸切れは
「そう悲しむものでは、ありません、別にあなたの子が醜くなるわけではありません、ただあなたの御子息はワレワレの影をまとうだけです、あなたは光です、そしてワレワレは闇、光の影に闇が生まれるのです、あなたは四大の精霊に、光の霊と闇の霊をまとうのです、そうですあなたは最高の智慧の才女なのです」
その襤褸切れのモノにアタシが
そう言われあたしは
 「そっそう」と言って
 「あなたは、ここに住んでるの」
 すると襤褸切れが
 「イヤ、住んでない」
 そう言うと、アタシが
 「なぜ、肉声を発せられる」そう聞くと
 襤褸切れが
 「それに気づいたか、それは私は、この洞窟の仕組みを知ってるからじゃよ」
 それを聞いてアタシ
 「しっ知ってるって、どんな仕組み」と聞くと。
 そのものは
 「これは言えません、此処には去来現あらゆる亡霊が流離てる、これ以上、知ってしまうと、あなたは闇の霊に取り憑かれ、お前の豊満な肉体も、私のように醜鬼になるぞ」
 私は其れを聴いて虫唾が走った。
 そしてアタシ
 「わっわかったは、あなたが、悪意を持った霊じゃないことをわかったは」
 そう言うと襤褸切れが
 「では、あんたが持ってる、徳利の中に入ってる酒を、吸いなされ、あなたを破落戸に落とそうとしてる霊が離れる」
 そう言われ、アタシはトボトボと酒を吸った。
 すると軽く体が火照り、邪気が離れるのをスーっ感じた。

襤褸切れは話だした
「私は時空の果て、凍てつく冷たい水の中、流離い偶然君に出会えたのじゃ」そしてそやつあたしに
「見てみた前あなたの足元にも私がいるはずじゃ」
そう言われると、あたしは首がポキッと折れた、何か醜気な頭を踏んでることに気づいて
「うっうわー」とあたしはうわめいた。
襤褸切れは「このものも、悪業を作り寂しく死んで逝ったのであろう、何かに遊ばれてな」
それを聞いてあたし
「何かに遊ばれてて、お亡くなりなったものを悪くいうなんて、無礼もの」
そうアタシは突くと、襤褸切れは何もないように
「さぁさぁこっちです」と招いて。
アタシと襤褸切れは、灯籠の灯火しかない、洞窟の奥に潜っていくっと。
 いきなり、
 「おかーさーん」と声が聞こえた、聞いたと思うと、その男の子が、青少年となって、何か時の流れの切なさに心が滲んでるのが感じられた。
 それを見てアタシまで、心中が滲んで終いそうで、アタシは少しうるんだ。
 そしてアタシが襤褸切れに
 「ねー、なぜこんな切ない事が、此処に通ってるの」
 すると襤褸切れが
 「あまり、深く考えないことだ、此処では、世が無常にも、過ぎ去っていく、霊魂の儚さを知る」
 そう言われてアタシが
 「そうね、此処は…」
 襤褸切れが
 「まぁ心を落とすな、教えてやろう」

そう言われ、アタシが
 「あー教えてくれ」
 襤褸切れは
 「メビウスの輪っかて聞いたことあるか」
 アタシはそれを聞いて
 「知らない」と言うと
 襤褸切れは
 「そうさ、このメビウスの輪は、まだ此の世に知られてはいない、しかし麗しいかた、その呪文はちゃんと、あんたの頭の中で時空間は結ばれてるんじゃ」
 アタシはそう聞かされ
 「それが、何って言うの」とフンって、目をそらすと。
 それを聞いた襤褸切れは
 「まぁまぁ、こう気にならんかね」
 それを聞いて、私はそれを聞いて
 「ごめん、気になるわ、教えて」
 すると襤褸切れが
 「よろしい」そう言って。
 襤褸切れは「このメビウスの輪は時空間が伸縮自在なのじゃよ、そして宇宙の始まりもあなたの頭の中で納まっておる」
そして襤褸切れは声高らかに
「そう全ては神から作られたクリーチャー、印を結ばれトークンそのものだ、ケケッケケ」
アタシは「そっそれが何だって言うのそれが」
ここの無風の静寂に心が沈みそうになったとき。
誰かが「オッオヤジ」と言うしゃがれた声が聞こえ
さっきの青年いや子供かも知れない、夢、うたかたの時が重なった、あのやるせない声に胸苦しさが逼迫した。
「ハッハハ、まぁあーゆう亡霊に気を馴染ませないことだ、奇怪な場所へ足が引っ張られてく、そして永遠に日を見る事が無い」
 それを聞いてアタシは気を押し殺した。
 そしていっそう、心が冷たく押さえきれない感情に目に涙を滲ませた。
 すると襤褸切れが
 「さぁ、いきましょう、本来の目的を忘れなかったら、迷うことはない」

 そして幼い子供の声が
 「おかぁーさーん」っとアタシに強く、つき、
 日差しが強い夏の日の下、アタシはこの子を思うと、青年になり、もう親縁の土地じゃ亡くなった、場所に哀しみにくれてる、
 「さっきの亡霊に、心が移ろいだようだな、だいじょうぶかね」
 それを聞いて、私はッハと
 「ごっごめん、いきなり気が転んじゃって」
  するとアタシの脳内に何かが入り込むように
 取り壊されてく、家宅が見え、そして、その家は
 『その男の子が元気にはしゃいでいた家であった』
 そして今は亡き家宅お前に、たってる青年
 『それはその男の子と気が交わる、青年となった彼であった』
 そしてアタシが
 「あっあなた」と声が無言に響くと
 「だ…れ…」
 その男、彼はその場所で静かに涙を見せてた
 そのとき私は知らぬうちに半分を気を失ってたらしく。
 するといきなり襤褸切れがアタシの
 「麗しいかた、麗しいかた」と言う声に
 アタシは瞳孔が開くと
 しかしアタシは、その時、膝を地につけ、
 時が交差するむなしさに
 泣きじゃくってしまった。
 襤褸切れは「なぁねえさん、だいじょうぶでっか悪霊なかったからよかったものの、悪霊だと、もうこの世に意識は戻ってこれなくなるとこですよ」
 そう聞かされ
 「ごっごめんなさい」とアタシはうつむいた。

襤褸切れは
 「あなたのような、優しいかたが、悲運の霊に心が攫われる気持ちはわかります」
 そう聞いてアタシが
 「そー」と暗く言った。
 すると襤褸切れが
 「そう、落ち込まないで下さい、あなたは、此処にいる、悲しみの霊達の希望なのです」
 そう聞かされアタシったら
 「そう」と言って、こう口ずさんだ
 「私はいつも思うの、どうして人を思う気持ちまで、バカにされるかって」
 襤褸切れは
 「これは、耐えがたい痛みです、ものごとはいつも、浮動のものですから」
 そう言われてアタシ
 「そうね」と言うと
 襤褸切れは
 「人の心の痛み誰もわかりゃしません」
 そう言われ私が襤褸切れに
 「あなたには運命はあるの」
 すると襤褸切れは
 「私のような闇の存在に運命なぞ、ありましょうか」
 それを聞いてアタシ
 「なぜあなたは闇に落ちた」と聞くと
 すると襤褸切れが
 「光と闇はこうあまく、見るものでは、ありません、人の片寄った、バイアス、絶対者に心奪われた、魂の抜け殻、闇に逝くものは、まるで数千数万数億年前に決まってたかのように怯えてるのです」
 それを聞いてアタシは
 「それは何故じゃ」と聞くと
 「言葉で言いあらわせません、ただ言えること、私はあなたを待っていた、まるで数億年前から、あなたのようなお優しい方が…」
 そう言うと襤褸切れは
 「ふっふっふ…」とあたしの優しさに慈念に言葉にできないような感情に心が締め付けられたようであった。
 「済みません、麗しい方、ついあなたを思うと」
 そう言われると、あたし
 「大丈夫よ、ア・タ・シ、あなたを見捨てないから」
 そう言われた襤褸切れは
 「表面上の優しさには、何度も見捨てられました、あなたが、かけてる十字架に宿ってるルチフェルが心変わりして、天を封鎖するのです、しかし光と闇を支配してこそ、真の魔術師なのです、私はあなたを数億年前から待ちわびてようです、私はあなたに付く意志があります、私はあなたに喜んで従います、そして、あなたは勝ち進んで下さい」
 そう言われあたしは襤褸切れの冷たい手を両手で握って「わかったは私あなたを裏切らない」と言うと、「このような言葉、何回も聞いたように覚えます、しかしこの宇宙の理、あなたこそ真理感じます」
 そう言うのであった。

私は恐山の洞窟を深く潜るとともに、暗い影が、アタシの胸を締めつけるかのように漂い、そしてアタシはガクッと膝を付いた。
 それをみた襤褸切れが
 「大丈夫ですか、ここら辺には、地獄に落ちた闇の亡霊どもさまよっています、あなたが胸を締めつけるような思いはわかりますが、さぁ行きましょう」
 そう聞かされても私は
 「イヤッ、何なの、みんな…みんな哀れな魂じゃない、どうして彼らを地獄に留めとかないと行けないの」
 襤褸切れは
 「これが、この世の理屈なのです、あなたの内にも宇宙は輝いています、皆幸せを求めます、神に愛されるものは、天にいき、愛されないものは地獄に逝く当然の理屈なのです」
 そう言われてあたし
 「じゃじゃー」と涙をこぼした。
 その時、襤褸切れは
 「あなたは、情けが深いのです、天はあなたが思うように、人の心情は相手にしません、彼らは、未来の魂かもしれないし過去の魂かも、しれません、でも彼らに手を差し伸べても、あらゆる業が渦巻きでまた地獄を落とされるです」

そう言われてアタシは
 「そっそうよね」と軽く膝を叩きながら、立ち上がりそしてアタシ「ひとつひとつの悲願な魂にかばってても意味がない、それなのにアタシ…」
 すると襤褸切れは
 「あなたは、優しくあろうと思ってるかも、しれませんが、こんな感情、偽善と同じなのです」
 そう言われてアタシ
 「ジャー、まっとうな精神ってなんなのよ」
 声を張り上げてしまったら襤褸切れは
 「あなたは肝心なことわかって、いません、人の別れ別れ、去って行く中、あなたが見守ってくれるものは天だけなのです、だからむやみに地獄の魂に心情を移してはならないのです、天を信じ切ることは容易なことではありません、あなたはまっとうです、どうか前にお進み下さい、この奥に延命地蔵が奉ってあります、どうか此処で、お悔やみ申し、供養されてあげされ」
 あたしは「そう」っといじけてあると、
 「麗しいかたよ、自信を持って下さい、私はあなたたちの見方です、あなたは宇宙を統べてらっしゃるのです、私はあなたに心を奪われています」
 そう言われ、あたしは
 「あなたは、あなたの期待に応えてくれた方がいるの」
 そう言われ襤褸切れは
 「あなたのアクセサリーに輝いている十字架に隠てされています」
 私は「なっなぜです」そう言うと
 すると襤褸切れは「私は、あらゆるものが天に心を奪われ生真面目になり、そう…そうなのです、私はサタンが怖くて、生前のざまを言えません」
 それを聞いてあたし「なぜなっぜ」と言うと
 「ルチフェルもサタンもいっしょです、美を求めるものは同時に無駄な魂を落としてるのです」

そして洞窟の奥にあると、呼ばれる延命地蔵の前について、そしてアタシは此処につくと、あらゆる死者への慈念を込めて、南無阿弥陀仏と十念した、すると襤褸切れが、
 「さぁ貴方が、持ってる神酒を吸って、取り憑いてる霊を清めなされ」
 そう言われアタシは、瓢箪の酒を啜ると、体が少し火照り、虚空をさ迷う霊がアタシにさ迷うのを感じられた。
 すると襤褸切れが、
 「地蔵の横に蝋燭があります、此処に燈籠の火を移しましょう」
 そう言われアタシは、蝋燭に火を点した。
 そうすると、延命地蔵の周り中心に火の明りが照らされ、私はこの風景に息を飲んだ。
 そしてアタシが宙に延命地蔵を見て空間があぶくのを感じられた。
 そして闇の亡霊たちが、産声をあげて、あたしを求めるような声を聞こえ、あたしはとっさに
 「オン、カカカ、ビサンマエイ、ソワカ」と唱えると、襤褸切れは「ムダです、闇の亡霊にこのマンネリな呪文はききません」と言った。
 そして襤褸切れは「その棒で、アシキ霊を封じなされ」と言ったので、
 あたしはゴーレムの杖をとって。
 「レクゥィエスカト・イン・パーケ」と唱え杖をアースに突き亡霊どもを封じた。

私が異様な感覚に取り憑かれてるなか
 襤褸切れが
 「貴方の持ってる鏡があるでしょう、それを覗いて見てください、そこにはもう一人の自分がいて、自分自身とその、あなたに取り憑く亡霊どもが奈落の底にあなたを、沈めようとしてるのです」
 地蔵の前で青銅で、できた明鏡で自らの姿をみる、蝋燭で灯される、自分を見てそこにはもう一人のアタシがいて、アタシに取り憑いてる霊があたしが御念している法玉に這ってるようであった。
 そしてアタシは、
 「ッチ、気味の悪いものね」と言い、鏡をから目を背けた、延命地蔵を見てあたし南無阿弥陀仏って、一念した、そして弥陀を観察しようとすると、アタシが明鏡移ったアタシ自身に成仏した弥陀と掛けあわせていた。
 そして消息するように十念して、青銅を布袋に了った。
 すると襤褸切れが。
 「さぁあなたが取り憑いてる霊がわかるでしょう、それが貴方の行く道だ、さぁ貴方が持ってる鉦を鳴らして見なされ、あなたの宇宙に取り憑く亡霊が除霊されるはずです」
 アタシはそう言われ鉦を

「カンタラカッカカンタラタン…」と拍子よく叩き。
南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏と踊り念仏を演じてるのであった。

そして、徳利に入ってる神酒を軽く啜ると、アタシに引き憑く亡霊がスーと曳いてくのが感じられた。

そしてまた陽気に鉦を
「カンタラカッカカンタラタン…」踊り念仏を繰り返した。

すると何か、見知らぬ人影が増えてきて、どこからか、篠笛の音が、聞こえてきた、すると首を刎ねられた亡霊や、岬から落ちて渦潮に死体が流された亡霊、他にも逆子で窒息死した亡霊と、それをついに心中した亡霊、幽玄の灯火の中、延命地蔵の回りに異様な雰囲気がただよい、あるとき

「こら、こんなとこで生き霊が何してると」と深い笠を被った、僧侶があたしに訪ねてきて。

あたしは「いえ、ここの亡霊を供養してるだけです」というと。

すると僧侶は「そうか」と言い、「このままでは危険じゃ、あんたの剣を今すぐでも抜け」

私は「えぇえ、ハイ」と言って慈念霊殺剣を抜き。
刀を立て「一切有為法如夢幻泡影」と唱え、そして、一呼吸おいて、鞘に刀を了った。

すると襤褸切れが
「よかったでありまする、あなたは名が亡き無念仏にかっ攫われそうなってました」とあたしに告げた。

こんな異様な雰囲気の中、アタシが膝をガクっと下ろして放心してると、足音が近づいて来るのが、それを聞いたアタシが
 「ダッダレなの」と言葉を吐くと。
 その男が
 「タイムゲートから来たものだ」と言われ
 アタシは
 「たいむげいと…」と何か見慣れない言葉に虚ろになった。
 そしてアタシは「あんただれよ」と噛みつくような言葉で聞くと。
 その男は「まぁよい、此処に来る前、僕の過去を覗き見してたじゃないか」
 そう言われアタシは「じゃアタシがみた、あの男の子あなたの」
 するとその男が
 「そう僕の過去の記憶だが、あなたには未来のことだ、ここは空間の事象が重なって、去来現の時間が交差する場所だ」
 そう言ってると、アタシが
 「あなた名前は」と聞くと
 その男は「僕は西村、あなたが七つ道具を封札するのを待ってたものだ」

アタシが「なぜ七つ道具の事を知っている」と、問いただすと
 西村は「この七つ道具は重要な時空間のハブになるんだ、そして、それを持ってる君こそ、この時空の超越者である、あなたそのもの」
 アタシは「言ってること、よく判らないは」と吐き捨てるように言うと。
 西村はニヤけて「ではこいタイムゲートが何か、見せてやる」そう言ってアタシの脳天を突くかのように、ガシッとした未知への扉がまさに開くような感覚があった。
 しかし襤褸切れがアタシに
 「ダメです、あの注連縄の先は死者の世界であります、ここは冥界にも通じ、この先には…」
 すると西村が
 「お前は、黙ってろピグミーマーゴット、お前は、支配する側でありながら、カネに貪り、国民の反感の末、地獄に飛ばされた」
 すると襤褸切れは
 「ヒッヒー、これ以上、生前の頃は言わないで下さい、私はここで、唯一の方を失いたくないだけなのです」
 すると西村が
 「そうか、この国はお前を見捨て、歴史にとって、お前と言うものは、国民を売り飛ばした、恨みの念は未来永劫、消えないぞ」
 すると襤褸切れは「私がどんなに誹られてもいいのです、ただ生畿者様だけの御無事を祈ってるだけなのです」
 西村は「ック、そういうことか、お前の業晒しには付き合ってはおれん、黙れ」

すると「おまえはダマってろ」とこの闇の奥から聞こえた、そして襤褸切れが、
 「ヒッはい、すいません、未来霊さま」といってると、襤褸切れの回りに黒い怨念の襤褸切れといっしょのような、漆黒の布ぎれで姿を覆したデーモンが、またわり付き破落戸に落として了おうかというような、仕打ちであった。
 アタシが虚空の闇のほうへ、「やめてあげて」と言うと、この奥の闇から、潮が曳くようにスーと速やかな感覚が残り。
 すると襤褸切れがアタシに「この奥に要るのは、未来霊さまだ万物、すべての事を知って居られる、くれぐれも失礼のないように」
 すると闇の奥から
 「よく、聞け、全ては言葉でできている、君がここにいる理念は君から発せられた声によって、此処に導かれたに過ぎない」
 そう言われアタシも息を飲んだ。

そして西村が「さぁサキガミさまのとこにいきましょう」と、
 そう言われるとアタシが「それがあの神の名前」と聞くと、
 すると西村が「まぁ細かいことは気にするな、ここは姿、名前を忘れた闇の亡霊の溜まり場、今あらゆる亡霊が君の背後に取り憑いてるはずだよ」
 すると闇の奥から
 「ずっと貴方を探してた、やっと見つけた、この星のキーを」
 そう言ってアタシを撫でるかのように、手だけがアタシの顔を撫でた。
 そしていきなり闇の奥から
 「今おまえが持ってる刀を抜け」と言われ
 西村にどうすれば良いのと、戸惑いながら合図すると。
 西村は「いいから抜けよ」と、アタシに刀を抜くようにせかした
 私はそう言われ、慈念霊殺剣を抜き
 「神毒気、気の鎮まり、禊」と剣を立て呪文を唱え剣に霊性を宿した。

刀を抜くと、いきなり空間がミュートしたように静寂に、つつまれ、「だっだれか」と言っても、灯火は延命地蔵の側に置いたきりだし。
 心がひどく、寂しくなった、そのときアタシ…
 アタシが「何ここ」と思うと
 誰かが「ここは未来、精神病院の中さ」
 それを聞こえてアタシ
 「ニッニシムラ」と呼びかけた
 するとこの夢の景色から背後から、誰かアタシの肩を持って。
 「こっこでは、あなたは亡霊、あちらの来世でいる西村が、あなたのオツムを読察して、あなたの今を見ている」
 そう言われアタシ「何よサイテー」言うと
 精神病院なかで一人寂しく、無口な女の子がいた、そしてその女の子に不用意に近づく男それが、西村であった。
 あたしは「ニシムラここは」と聞くと
 すると背後から西村の声がして、
 「来世のあなたと、今の僕が出会ったところさ」
 と言うと、コッコレて
 西村は「あなたは来世でもとてもカワイイだけど、僕が本来居た場所のあなたは内気で物静かだったけど」
 そう言われてアタシ
 「そう」と答えた、だけど西村は
 「明るいあなたのほうが好きだぜ」と照れくさくいうと、
 私はまた「そう」と応えるだけであった。

そして西村が語りだした
 「私はタイムゲートから来たものだ、私の存在を言おうとするなよ」
 そう言われるとアタシが、
 「どっどうしてなの」
 西村は、「私は遠い未来から来た。」
 「なっなぜよ、なぜここに来たの」と聞くと
 西村は「亡霊たちとの読みだ、亡霊たちは、ずっと君を待っていた」
 そう言われてアタシは
 「アタシの未来も、わかるの」
 と聞くと西村は
 「あーわかるあんたのオツムの中にあらゆる亡霊が見える、それがあんたの行き先、運命さ」
 そう言われアタシは「そうなのね、なぜあなたの存在は」
 「僕の存在は絶対にいうな、私はタイムゲートから来たものだ、もし言ったら、今いる、あんたの世界が…」
 そう言われアタシ「なっなにになるって言うのよ」
 すると西村が「まぁいい、どの道、君は闇に戦わなくてはならない」
 そう言われ「そう」と言うと
 西村は「宇宙の原理を見せてあげよう、さぁ見な」
 そう言って、西村は利き手の右手に刀印を組んであるものに指していた。
 そしてアタシは「こっこの機械は」と疑問かけると。
 西村はこれは「僕自信の佛眼(まなこ)、時空間ハードディスクドライバー」そうたからかと西村は言うのであった。 

すると怨念が私を纏まり付くのを感じた、そしてアタシが
 「二ッニシムラこれはどういうこと」
 西村は
 「あなた霊剣の霊性の妖力が切れかかってる、そしてあらゆる亡霊があなたの肉体を欲してる、怨霊たちが君を冥界に沈めようと悲痛の叫びのなか君を冥界の底に沈めたいようだ」
 そう言われると、アタシの首がギューッと首を絞めつけられる感覚に襲われた。
 そうすると西村が
 「今から、僕は九字切りをする、九字を切り終わると君の刀を鞘に収めるんだ」
 そう言われてアタシは「判った、九字を切って」
そう言うと、
 西村は「臨、兵、闘、者、皆、陣、列、在、前」
と唱え西村は「奈御、刀を鞘に収めるんだ」と言われ刃先を上に向けて、目を閉じ目の前で念じるように収めると西村が
 「ヲン、キリ、キャラ、ハラハラ、フラタン、バソツ、ヲン、バザラド、シャコク」と西村は刀印を左手に作った鞘で握り〆ながら唱え、刀印を抜き、弾指を「バチ」と弾かせ、アタシは迅速な速さであらゆる亡霊が離れ去るのを感じた。

そして溺れてる感覚と気を失ってたところを、誰かが
 「大丈夫でっせ、心配してらっしゃのですの」
 アタシは
 「襤褸切れありがと、心配させて、ごめんね」
 襤褸切れは
 「いえいえ無事、あの奥に立ち入って無事を目を醒ますとは奇跡です、此処らに居た亡霊も、あの延命地蔵から置かれた燈籠から放つ、灯火によって、ここに悪鬼は近づけません、ではまず延命地蔵まで戻りましょう」
 そう言われてアタシ
 「そうね、何かあの延命地蔵の念力に助けられた感覚するね」
 すると襤褸切れが
 「あーあの延命地蔵には、かなり強い念が封じてありますよ」
 そう聞かされアタシ
 「そう」と言って「でもね何か、不思議ね、アタシも無事戻れた祈願にまた手を合わせなちゃ」
 そう言ってアタシは再び燈籠を取りに延命地蔵まで言って手を合わせた。

あたしは冷たい、足先から冷えるような、寒さのなか、居間の囲炉にて、冷えきった手先足先を、暖めていた、そのとき私を洞窟へ出向く、前、大麻を降るってくれた、ガバイばあさんが
 「なぁこのキリシタンの若いネェさん、よくぞ帰ったべか」と言うと。
 アタシ「そう、とっても、大変だったんだからね」
 そのバアさん、「そうだろうだべ、あの漆黒の闇から帰ってくるものも、珍しいだべ」
 それを聞かされアタシ
 「めっめずらしいって、あの洞窟で行方不明になった奴いるわけ」そう返すと
 するとガバイばあさんは、
 「あそこは神域、もともとは立ち入る事さえゆるされない場所だべさ」
 それを聴いてアタシ「なっなによ、あそこって」
 するとガバイばあさんは
 「しかし延命地蔵が供養されたこと、あんたの肩にしっかり地縛してるだべ、さぁ自信持ちなされ、キリシタンの若いネェさん」
 そう言ってあたしは囲炉のカマから掬った、お粥を渡された。
 それにアタシ「あ、ありがと…」と言うと
 ガバイばあさんはアタシをなでて、「立派な女子だべ」と言った。

 アタシは東山道に別れを告げて、ここ西念寺に戻った、そのとき衛義が、そこにいて
 アタシが「なんの御用でここに居候してつわけ」と聞くと衛義は。
 「イヤ、ここ最近、江戸の本丸が妖しいんですよ」
 アタシはそれを聞いて。
 フンっと「この始末だれが受け持つ」と聞くと
 衛義は、「ワイと、一緒に、江戸からの鬼門を偵察しましょう」
 それを聞いてアタシ、「あー良いわよ」と合図をした。
 すると衛義は「よーしネェさん、さぁさぁ出かけるでざんすよ」
 アタシはでも「その妖気の始末は誰がすると」聞くと、衛義は
 「まぁわワイが、してやる、ネェさんには、悪いが、ワイの妖力もなかなかのものでっせ」
 それを聞いてアタシ「そう」
 と簡素に返して、では「偵察にいきましょ」、っと言うと、衛義は深い笠をかぶり、「肌寒い夜ですが、かなりの妖気を感じるいきましょ」と返した。

 鬼門を衛義と一緒に偵察してると、私は、ハッと「かなり妖しい妖気を感じる」と気をなだめた。
 今は丑の刻、見廻りの提灯がおぼろげに、流離うのに心をゆだねていた。
 衛義は「どうします」と言うと、
 「ここから、先は亡霊どもがさすらっている、油断するな」と言うと。
 すると衛義、「あーワイも感じる、先の平将門の首塚に向けて異様な気配じゃ」
 私は「そうじゃここにも、寺を奉立する計画がある、結界を封じる、忍びの暗部として、この気の乱し用は許せん、われが先にでる、お前はここで見張っておれ」
 衛義は「わかりましたぜ、ネェさんどうぞ御無事で」
 そう言ってアタシはササッと妖気を察する方向に、足を運んだ。

アタシは忍びよると、誰か気配を感じたので、
「誰じゃ、かってにここを占領してる奴は」
そう言うと。
すると闇から「かってに占領するとは、お嬢際の悪い、ここはもともと、平将門の武家の結念の土地、あんたはうわさで、聞く女子の忍びだな、名は生畿者であろう」
 それを「よくぞ、言いあてた、アタシの名を言って感謝するぞ」そう言うと
 するとその者が
 「あー私も、君と手を合わせてみたかった」そして、アタシにわめくように
 「ここにそこでグダグダ、隠れてないで、アタシと目を合わせー、この子ネズミが」
 それを聞いてアタシは「ッチ」と舌打ちをして、
 其奴の前に現れた、そしてアタシが、
 「あんた名前は」と聞くと
 「吾は鬼丸、ここの鬼門はわれが占領する」と言ってアタシを睨んだ。

鬼丸は妖力を高めるために
「丑寅、鬼門の口寄せ、破落戸」と、唱えた、アタシもそれを相対するように。
「神毒気、大蛇の口寄せ、数息観」と妖気に身を預けた、この鬼門破落戸の口寄せは、あらゆる亡霊が、湿った息を吐いたように、アタシを冥界、破落戸の底に落とそうとした。
 亡霊どもアタシの足下をうめいてるのを見ると、気がゆるみ、その時アタシは、
 「やっヤバイ」と覚ってしまった。
 そのとき
 「ニッカリ、幽玄の口寄せ、金縛り」と言って、誰かが鬼丸の刃先を受け止めた。
 「ネェさん、ここは逃げましょう、この時間たい、其奴の口寄せされる霊気の思うつぼです」
 「ありがと衛義、わかったは私先に、逃げるは」
 そう言ってアタシは、後ろにステップして背を向いて逃げた。
 すると鬼丸が「この薄汚いネズミどもが」そう言うと衛義は「もう君はあんたが、かけた呪いを返されてるぜ」そういうと鬼丸が口寄せした、亡霊が鬼丸を金縛りにかけていた。
 「ではワイも逃げるとしよう」そう言って。
 「またつぎ、お手合わせ願うぞよ」そう言って、衛義はアタシを追うように逃げた

 あたしがハァハァと月明かりで、かすかに見えるとこまで来ると、あたし
 「あーなんなの、あの術」
 そういうと衛義は
 「破落戸の鬼ども、呼び出す術だ、またあれは、ここが未来、破落戸の鬼どもがゴロつく、事を占ってる」
 それを聞いてあたし
 「そう、どうして、あんな破落戸者が、いっちょまえの鬼を口寄せできるまでの良い刀もってるのよ」と聞くと。
 衛義は「あれは幕府の仕込みであろう、あの土地を封殺するために密かに雇った、たぶん幕府の仕業…」
 それを聞いてあたし、
 「えー、どうして幕府が…」
 すると衛義は「まぁよいあやつが、術を発動できるときは丑寅の刻に限られる、しかしほっとけば、あの地域に悪霊がうずきかねん」
 そう衛義は言っていたのであった。

奈呉生畿者Part1

奈呉生畿者Part1

  • 小説
  • 中編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-11-07

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