ずーっと沈む

旅をしている

心はモヤモヤだ

外の天気は曇り

晴れる余地もない

近くの岬から海が見える

海が濁っているのかも分からない

不安ばかりが襲ってくる

旅が台無しだ

だがここで一つ

バスの中で食べた
クリームパンの
味が忘れられない

それが無かったら救いはない

救いはない

もう外は暗くなってしまった

夕暮れが飛ばされてしまった

暗すぎる闇の中をバスは走る

灯りはほとんど見当たらない

遠い夜明けのような気がする

心はモヤモヤ

これからバスは星の見える
展望台に向かうという

全てがウヤムヤモヤモヤだ

厚い雲が心に重くのし掛かる

暖かい食事と癒しが待っている
ホテルへはいつ着くか

ずーっと沈む

ずーっと沈む

  • 自由詩
  • 掌編
  • ミステリー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-11-03

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