ひとめのかれた桜

ひとめのかれた桜の枝は、
風を受けてかさかさ鳴ります。

落ちた葉っぱは夕日を吸って、
ますます黄色く朽ちてゆきます。

思うのは、花の日のこと。

おーい。
おーい。
おーうい……。

風が吹いて、
枯れ葉はまた追いかけています。

月が出て、
霜が降れば、
枯れ葉はそうっと痛みます。

ひとめのかれた桜

ひとめのかれた桜

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-11-01

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