皮膚について

皮膚について

生き急ぐうちにやがては皮膚もなくしてしまって、だからバーチャル渋谷のハロウィンもハロウィンのうちに入るのかな。傷がだんだんと肉体から乖離していく。実存主義者の幽霊がフラフラしていておもしろい。
現実のぼくと、現実じゃないぼく。邂逅するときに頭が狂う。頭が狂うけど病院に行くための金も時間もない。きみのクリティカルすばらしい。だからスマホしか見ていない。やがては頭がはずれる系の、首は取り外し可能な、そういう都会ができる。皮膚なんてただのつなぎ目。
ひょっとしたら明日は笑えているかもしれないよ。
十四歳は血液になる。皮膚のない傷になる。視界を鼻で笑えない。本当は酸素になりたかった。きみのクリティカルすばらしい。突き放されて、だからソシャゲは楽しいんだねぇっ! 一面の水のなか、学ランとベルトとズボンとシャツが溶けて、はだかで、皮膚の存在を感じないといけないようなタイミングになってからやっと、ああこれ涙だったんだって気づく。乖離しているぼくとぼく。そして最終的にはいっしょに死ぬ。それはすっごくグロいことだ、残酷でおぞましいんだって、本で読んだから知ってる。セカイ系とか鬱陶しい。ああこれぼくの体ですか。人体っていうんですか。

皮膚について

皮膚について

それはすっごくグロいことだ、残酷でおぞましいんだって、本で読んだから知ってる。

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-10-31

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