夢と現実

フッツ

ざわめいていた町が
真夜中になると静まり返る
みんな眠りに落ちて
起きているのは僕ときみだけになる
きみが誰なのか僕には分からないけど
とにかくふたりだけが現実で
それ以外は全部夢だ
僕ときみは怖くなって
どちらからともなく手を繋ぐ
その手のひらの温もりが
だんだん本物のように思えてきて
僕の心は震えて
勝手に泣こうとする
朝が来て
町が現実に戻り
ざわめき始めるよりも前に
泣いておこうとする

夢と現実

夢と現実

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2020-10-31

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted