十三夜
《十三夜》
古稀を過ぎれば言うことも僅か 公憤も流転の果てにやがては醒める
まして、時雨の風だ
唇が寒い
「状況は…」ふと、落とした語彙に息を呑んだ
被災地にようよう戻った女が、稲穂と栗を供えて一人酒
そんな便りがあったから
もう少しばかりは生かされてみようか
十三夜
《十三夜》
古稀を過ぎれば言うことも僅か 公憤も流転の果てにやがては醒める
まして、時雨の風だ
唇が寒い
「状況は…」ふと、落とした語彙に息を呑んだ
被災地にようよう戻った女が、稲穂と栗を供えて一人酒
そんな便りがあったから
もう少しばかりは生かされてみようか
十三夜