あさかな

いただきます

午前2:30、目が覚めた。朝市に行くと決めた、
いつもより1.5時間も早い、目覚めだった。
私はいつも起きるのがとてもだるい、世間では
ショートスリープというらしいがだからといって
日中よりも活動力が高くなるといったことは稀だ。
私は3日から4日睡眠時間はなくても、眠くならない体質だ
しかし体に変化が出るのは当然である。髭が生えにくい体質であり体毛がとても薄いのだ。(確かにクラスのマドンナのアヤミと比べると濃いのかもしれないが、彼は女子だから比較対象にならない気がする)睡眠がなくとも
日中の活動に支障をきたすことはない。ならば朝市に行くしかないと思った。一年からの旧友に、お前はやると決めたら我慢できないタイプだと一度言われたことがある、
しかしそれは我慢ができないのではなく我慢している自分が恥ずかしいのである。私がこの世は、全て金だと
吐くと彼は愛は金では買えないというがそれも間違っている、愛などは一時的感情にしか過ぎない。
誰がはだしのゲンの群衆たる死体を愛しただろうか
あれは戦争の恐怖を知らせるためのメッセンジャーとして
捉えるのが正解なのかもしれないが、小学四年生の私は
死体たちにも愛があるのかもしれないなどと考えていた時期はある。その彼は愛は全てを超越すると言ったが
愛情などドロドロしてこそ全てだと思う、
グッチャグッチャに全て流されて了えば良い。
愛など二乗してしまえば-1なのにそこまで愛とは
美しいものなのだろうか、確かにブラックジャックのようにそれまでの流れ故の手術ならば感情も籠るかもしれないが彼が愛などという証明できない単語で済ますのは
作品への冒涜ではなどと考えながら朝のルーティーンとして自分が間違えたところを全部復習し終え、3時だった。朝の犬の散歩をして3:30を過ぎていた。鎌倉まで自転車なら距離的には1時間半といったところだった。
私は急いでジャージに着替え、半袖一枚にジャージセット
で魚を買うため札を手にして、骨伝導イヤホンをつけて
SPYをかけた、私のテンションを上げてくれる一番の曲だ
あの4分37秒の中に男の全てが入ってると思う。
だけど信じてる信じてるの部分は本当に良い、男の最後という気がしてならないのだ。これも先ほどの愛と同じなのだがこの男は女に感情を寄せてしまったため悔やむことになったのである。私もペダルを漕ぎながら考えた私は多分浮気されたら彼女の選択に任せると思う、私は元々彼女の他人でしかないし籍を入れない限り家族ではないので選択させて好きな方を選ばせると思う。そこまで感情を込めて人を好きになることがないからだ、人は最後まで孤独でなければいけない。と人間の真理まで考えることができた
朝早くから澄んだ川、木々の匂いを感じながら
ペダルを漕ぐのは普段感じ得ない自然との同一化だと
思った。朝日が出てきた頃には鎌倉についていた
朝から伊勢海老や血抜きされた魚を見た
とある店がアジの血抜きをしていた、写真に収めようとするととある老婆が血抜きするのは食べ物への感謝も
告げるのだという、だから目に焼きつけなさいとわたしに言った。私は愚かだった。食べ物を写真に収めようと
する行為はまだわからなくない、血抜きを収めようとするのは畜産でいえば屠殺の光景を写真に収めようとしているのと同じである。人間も同じである見たくない部分は見ないで毎日の食卓に出ている食べ物たちは一度刈られていることに感謝を込めて食に触れるべきである。
本当に美味しいものは手が混んでいないなぜならその物の味が美しく、また美味しいからだ。
私はそこの店のエビと鯵を買い、その場で調理してもらった。本当に美味しかった、鯵の骨までしゃぶりつくした。
人間への愛はないが今回を機に魚や畜産物への愛が深まっ
た、人間が嫌いなのではない。美しくないから好きではないだけだ。魚たちは最後までピチピチ跳ねながら締められた瞬間に固まるのだ。生の終わりはやはり一瞬である
老婆の言うことは正しかった
魚への侮辱たる行為は心から反省した、自らたまたま人として生を受けただけなのに魚を食す立場としてなによりも悍しい行為をしたと我を欠いた。海風に当たりながら帰り
川で散歩をする親子、手を繋ぐ御老体、通学する学生を見ながら君たちは食とは何かと聞かれたらこたえられるか
私は答えられると見下しながら帰り、家に帰る頃には潮風の匂いも消えていた。今日は学校など行く必要がない、なぜなら私は命と食の大切さを信じてるから、学校に行かない僕を笑う奴はきっとケガをする。

あさかな

ご馳走様でした

過去問もしゃぶりつくしてなんぼだな

あさかな

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 冒険
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-10-27

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