田舎

 焼けたとうもろこし畑 裸足の子どもの足跡 ぐねぐねとした泥濘
 ぷかぷか浮かぶきのこ雲 見上げて笑う近所の犬 廃品のラッパの音色
 畦道歩いて手を繋ぎ、川に入って首を外した
 日差しが北に傾いたら帰りましょう、さようならさようなら

 いつだったか群青色のスピーカー、方々に警報を鳴らした
 そんなことよりラジオは甘ったるいラブソングで満ちていた
 明日は晴れたらいいと誰かが言ったら翌日には雨が降った

(どうでもいいや、テレビ観よ)

 焼けたとうもろこし畑 裸足の子どもの足跡 ぐねぐねとした泥濘

(漫才番組で滑り倒した神様となにして遊ぼう?)

 ぷかぷか浮かぶきのこ雲 見上げて笑う近所の犬 廃品のラッパの音色

(コント番組で滑り倒した神様となにして遊ぼう?)

 畦道歩いて手を繋ぎ、川に入って首を外した

(トーク番組で滑り倒した神様となにして遊ぼう?)

 日差しが北に傾いたら帰りましょう

 おかあちゃんも言っています
 日差しが北に傾いたら帰りましょう、さようならさようなら
(さようならさようなら)

田舎

田舎

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-10-26

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