淡い光のその先に
遠くの遠くの遠くから
淡い光を放つものがある
夢に見た誰かの背中を
かたどっているようにも見える
いつか それに振り回されたような
酷く 振り回されたような気がする
出会わなければ
生涯知ることのなかったであろう感情を
することのなかったであろう 空想を
諍いを、嫉妬を、煩悶を、期待を、失望を、後悔を、
そして
偽りのない涙を流すことを。
輪郭を失い 偶像になった君が
同様に輪郭を失い
偶像になった僕を眺めている
互いに小さくなる背中を 見送っている
淡い光を放ちながら
新しい風に撫ぜられながら
遠くの遠くの、遠くから。
淡い光のその先に