ばらばら
ばらばら
ナンセンスなのはきみが生まれてから今までに発した言葉のすべてで、低スペックなのはぼくの存在そのもの。四捨五入すれば、だいたいそんな感じになる。平成がやたらと輝いてみえる、今日このごろ。どこそこの教祖様に足音だけを届ける。
空中ブランコからゲロを吐いて。
23時の東京はまだ元気にしていますか。ぼくはそれなりに元気です(それなりに、というのは、はちきれるほどに元気が有り余っているわけではないものの、平熱だし、病院に行く必要も薬を飲む必要もない、ということです)。先日そちらに引っ越していったあの子はちゃんと三食食べれていますか。渋谷駅のポスター、女優さんは疲れていませんか。つぶやきも、仄明かりも、全部はしゃぎ声にかき消されていく。わかっている。はずなのに何度でも繰り返すのはきっと秋だからだよ。だれも見ていない、だれも聞いていない。それでも存在が消えないってのは、きっと何かのバグにちがいない。一歩一歩が一方通行。十七歳っていうのはそういうことで、夜も冷えこんでいく。屋上から一人で飛び降りたおもいでも、教室で首をくくったおもいでも、きみにとっては低スペックな、ぼくにとってはナンセンスな、そういうバグだったりする。
ばらばら