快晴
最後の一ページがどうしても捲れなくて
それまでのことを何度も反芻してしまう
どうしようもないわたしたちが笑っている
他愛もない話で満たされているふたりがいる
栞を挟むこともわすれて
ひたすら ただひたすらに走っていた
最後には、多分
言葉なんて要らなかったと思う
いや、それとも最初から
言葉なんて要らなかったのかな
ふたつの名前だけが絶え間なく飛び交う
それだけでいい それだけがいい
難しいことなんて
なにひとつ考えなくていい
進んで、進んで、進んで
いきどまりに当たった時には
その時には
ふたりでまた笑い合いながら
仰向けになって 風を感じよう
澄んだ空気を胸いっぱいに吸おう
あなたと一緒にみる夜空はきっと
眩しいほどの星々が 一面に瞬いている
目をとじてもそれは
消えることなく瞬いている
ふたたび目をあけた時にはきっと
最後のページを捲った時には きっと
真っ直ぐな水平線に沿って
雲ひとつない青空が どこまでも拡がっている
快晴