残骸

 向日葵の亡骸が土に還る頃に私たちの左脚には虚しさだけが残った。怖いくらいの優しさが纏わりついて蝕んでゆく誰かの慈しみを埋葬するのは爛れた星。いつだって心臓を焼くのは七年前の夏の愛しているという言葉に付随していた首を絞めるという行為。君の手の冷たさ。恐竜が滅んだ時代の大氷河期を想像して途方もなさに溜息を吐いた二十三時。みんなが眠っているタイムラインで私の呟きだけが電子の海に僅かばかりの波を立たせて。

残骸

残骸

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-10-16

CC BY-NC-ND
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