右手と左手
傷を縫っては温める
君の涙が傷口に沁みる
そこだけが僕達の真実になる
ここにいることの証明になる
不意に絡まってしまっても
そのままでいよう
夜が明ける前に
逃げよう
どこか遠くへ、遠いところへ。
行き先なんてどうでもいい
宛のない旅をしよう
何処に行くかじゃなく、誰と行くかだから
何を見るかじゃなく、誰と見るかだから
どう生きるかじゃなく、誰と生きるかだから
だから、ずっと手を繋いでいよう
君と同じ時間を生きていることを感じながら
君が隣にいることを感じながら
ずっと手を繋いでいよう
脚が動かくなって、喉が潰れて声が嗄れて、
目が見えなくなって、自分のことさえ忘れてしまっても
呼吸が止まるその日まで
ずっと手を繋いでいよう
夢の中でも、記憶の中でも
ずっと手を繋いでいよう
君の温度を、僕だけは忘れないように
忘れないように、
ずっと手を繋いでいよう。
右手と左手