海に叙情詩
(...ら...から...出して...ここから...
出して...早く、早く...)
失語症の神様...交叉する流星...全盲の検閲官...点滅する螺旋階段...漂着する無人船...銀河鉄道の警笛・・・硝子の銀杏並木、吹雪...
(ねえ...聞いてる...?わたしね、これから永遠になるの...)
ーー寝台の上には桔梗が咲き乱れていた。
(無機質な詩人の声が聞こえる...これからね、あの...あの中に閉じ込められるみたい)
白磁のペンダントが左手に、慈しむように握られているーー。
彼女は透明な海に身を抛った、そして神様と永遠の姉妹になった...。
海に叙情詩