ケモロボい話

菜月進(なつきすすむ)

「おにいにゃーん!」
 ボクは走り寄ってきたコータをいったん受け止め、脇に手を回して抱き上げた。
「コータ、どうしたの?」
「えっとね、あのね、あのね!」
 コータは楽しそうに話す。今日は機嫌が良い、というか少しばかり元気すぎる。お母さんが疲れちゃわないように、ボクはコータを放牧場に連れて行くことにした。
「たっのしっいにゃー! たっのしっいにゃー!」
「コータ、足下見ないと転ぶよ? ほら、手を繋いで」
「へいきだよー……うわぁ!」
 ボクは素早く手を掴み、木の根に躓いたコータを引き寄せる。
「ほら見ろ、危ないだろ」
「うぅ、だってぇ」
「だってじゃない。手を離しちゃダメだぞ」
 放牧場に着いて、ボクは羊の数を数えた。迷い出た羊はいないみたいだ……けど、コータがどこかへ行ってしまいそうでヒヤヒヤする。
「こらー! お兄ちゃんが見えるところで遊びなさーい!」
「はーい!」
 言うことを聞くつもりはあるようだが、ボクから見えるギリギリのところを走り回っている。そういう遊びなのかも知れないけど、見失いそうでけっこう怖い。
「よーしよし、いいぞー」
 羊たちに草を食べさせ、桶の水を入れ替え、柵の中に戻す。今日も何とか仕事を終えられた。
「コータ、帰るぞー!」
 遊び疲れたのか、コータはぼんやりしている。ボクはちゃんと手を繋いで、家まで連れて帰った。台所に明かりが付いているのを見てコータは元気を取り戻し、走って家に入る。ボクが入る前に、コータが玄関から出てきた。
「おにいにゃん、シチューだって!」
「今日は豪華だね」
 お母さんがシチューを作ってくれたらしい。コータじゃないけど、ボクもちょっとワクワクしてきた。

 夕食が終わると、コータはすぐに寝てしまった。お父さんとお母さんはまだ起きてるけど、ボクも寝るように言われてしまった。本の続きを読みたかったのに、残念だな。
「おにいにゃん、おしっこ」
 布団へ入ると、コータがボクの体を揺らした。起こしてしまったのだろうか。
「はいはい、一緒に行ってあげるね」
 コータをトイレに連れて行くとき、お父さんとすれ違った。ユウキは偉いねって褒められた、嬉しい。お父さんはあんまり喋んないけど、コータの面倒を見てると褒めてくれる。だから、ボクはがんばっていいお兄ちゃんでいようと思う。
 布団に戻ると、コータが抱きついてきた。ついこの間までお母さんに抱きついて寝てたんだもんね、仕方ないね。
「おにいにゃんの匂い、好きー」
「お母さんの、じゃなくて?」
「うん、おにいにゃん。おかあさんも好きだけど、おにいにゃんのほうが好き」
 ボクは、いいお兄ちゃんが出来てるのかな。

 朝になった、いい匂いがする。お母さんは今日の分のパンを焼いているみたいだ。コータはまだ起きそうにない。水を汲みに行ったら、お母さん褒めてくれるかな。
「お母さーん、お水持ってきたよ」
「ありがとユウキ、いつも気がついて偉いわね」
 バケツいっぱいの水を持って行ったらお母さんに褒められた。褒められるとすごく嬉しい。
「ユウキ、コータが起きたみたいなの。ちゃんと着替えてるか見てきてくれない?」
「見てくるー」
 コータは自分で着替えようとしてるけど、やり方がちょっと乱暴だった。ボクは袖を掴んでコータの腕を通してやる。
「コータ、そんな風にしたら服が破れちゃうでしょ」
「あ、おにいにゃん。おはよー」
「はい、おはよう」

 今日も羊の面倒を見る、コータも一緒だ。正直、羊よりコータの面倒のほうが大変だ。
「コータ、見えるところで遊ぶんだぞ」
 羊たちも大きくなってきた、そろそろ食べようって話になるかも知れない。お肉かぁ、楽しみだなぁ。
 コータは相変わらず遠くにいる。転んだのか寝転がってるのか、うつ伏せになっているように見える。ああされると見つけづらいから、あんまりやらないで欲しいなぁ。
「うっ!」
 ボクは倒れた、何で倒れたのか分からない。体を突き刺されるような感じがして、大きな音がして。突然のことに頭が追いつかない。体が……動かない、なんだか痺れてる。目は見えるけど、動かせない。目の前は草と土ばっかりだ。痛くはない、ないけど、あの音はまるで銃みたいだった。眠くないのに意識が遠くなる。

◆◆◆

 起きたら石の部屋の中に居た。鉄格子はあるし、油で泥を焼いたような匂いもする。牢屋、だと思う。
「クレバーキャットの子供が二匹、しかも兄弟です。商人の方々は話が早くて助かりますよ」
「アーティファクトの実験に使うと言えば、嫌がる商人はいませんよ」
「今度お礼をしなければいけませんね。おや、やっとお目覚めのようだ」
 ニンゲンが二匹いる、きっとあいつらに捕まったんだ。コータはどうなったんだろう。ニンゲンが一匹こっちに来る。
「初めまして少年、気分はどうですか」
「お前たち悪いニンゲンだな、コータはどうした!」
「弟くんのことですか、別の部屋で休んでもらってますよ。ところであなた、今どういう状況か分かってるんですか」
 状況……わからない。ボクは裸にされていて、牢屋は思ったより広くて、床も壁も天井も全部石で、鉄格子の向こうはもっと広くなってるみたい。
「悪いヤツとなんか口きかない、ここから出せよ!」
「出たいんですか、じゃあ出してあげましょう」
 鉄格子の扉が開いた。え、ホントに出してくれるの? なんか、怪しい。
「何で逃がしてくれるの」
「逃がすなんて言ってませんよ、あなたは逃がさないし逃げられません」
「子供だからって馬鹿にするなよ」
 ボクは飛びかかれるよう姿勢を低くした。ボクらの爪や牙はニンゲンのよりずっと鋭いんだぞ。
「力尽くで帰るつもりですか、怖い怖い。ですが何か忘れていませんか」
「何かって、なんだよ」
「弟のことです。コータくん、でしたっけ? あなたが逃げたら、彼はどうなってしまうでしょうねぇ」
 こっ、こいつら!
「コータを返せ!」
「彼は貴重なアーティファクトです、手放すわけにはいきませんねぇ」
 アーティファクト、本で読んだことがある。ニンゲンが勢力を拡大してるのは、アーティファクトを見つけたからだって。コータが、そのアーティファクトだって言うの?
「どういう意味だ!」
「そのままの意味です。ご覧になりますか? 確認したいなら、案内して差し上げますよ」
 ニンゲンの言うとおりにするのは嫌だけど、コータが捕まってるなら仕方ない。ボクはニンゲンの後を付いていった。
「弟くんはこの部屋ですよ」
 重そうな扉、鉄だろうか。それに、部屋に向かってたくさんの管が伸びてきている。何をする部屋なんだ。扉はすごく大きいのに、思ったほど重くなかった。ニンゲンの細工は本当に良く出来てる。
 部屋は扉の割に狭く、外と通じてる管や、鉄やガラスで作られた機械でごちゃごちゃしてる。コータは真ん中の、ちょうど凹みになってるところに寝かされていた。手足や首を鎖で縛られている。
「コータ! 大丈夫か!」
「おにい、にゃん? あは、来てくれたんだ」
 コータに駆け寄ったボクは凍り付いた。コータは顔から下の毛がほとんど抜けてしまっていて、顔は何かの機械みたいなもので目隠しされている。肌には油を塗られてるみたいで、金属みたいに光ってる。それに、おへその所に付いた緑色の宝石。見間違いでなければ、コータの体から生えてるように見える。
「大丈夫か、目は見えるのか? お兄ちゃんが分かるか?」
「見えないけど、声と匂いでわかるよ」
 やっぱり、これは目隠しらしい。
「ねえ、おにいにゃん」
「なんだ、どうした?」
「ずっと待ってたんだよ? いっぱい我慢したんだよ? ねえ、もう帰れるんだよね」
 ボクはどれくらい眠らされてたんだろう。いや、そんなことを考えてる暇はない。早く鎖を解いてあげなくちゃ。
「ああ、帰れるさ。待ってろ……ギギギ、堅い」
 噛みちぎろうとしても、堅すぎて牙が通らない。ニンゲンなら、解く鍵を持ってるはず。
「おいニンゲン! コータを離せ!」
「聞き分けのない子猫ですねぇ、手放さないと言ったでしょう。あなたの頼みを聞くつもりもありません」
「こいつ……うっ!」
 我慢の限界だった、爪で引き裂こうとした。でも、ボクの体は動かなかった。
「言い忘れてました、あなたも今やアーティファクトです。ご主人様であるわたしや、研究員に危害を加えることはできませんよ」
 こいつ、何言ってるんだ。
「飲み込めてないみたいですね。あなたのようなお行儀の悪い子猫には躾が必要です。ここでおトイレを済ませなさい」
「誰がそんな!」
「弟がどうなってもいいんですか?」
 こいつ、いつか殺してやる。コータが人質に取られたら仕方ない、ボクは足を広げて低く屈んだ。
「くそ、変態め……あ、あれ、えっえ?」
 ない! おちんちんの穴と、お尻の穴が無くなってる!  
「に、ニンゲン! ボクに何をした!」
「何って、アーティファクトにしたんですよ。埋め込んだんです、お尻の穴から。そういうわけですから、気にせずトイレを済ませてください」
 こいつ何を言って……あれ、おしっこもうんちも出そうな感じはある。
「え、なんで、出る?」
「出せるんですよ、あまり待たせないでください」
 股の所が温かくなって、濡れるような感じがした。出せる。出てないのに、おしっこもうんちも、出てないのに、出てる。
「そうそう、ちゃんとおトイレできるじゃありませんか……分かっていない様子ですね、あなたの体に埋め込んだアーティファクトは生物由来のものは全てエネルギーに変換します。それが排泄物だろうとお構いなしです。あなたは確かに出したんですが、全てアーティファクトが吸い込んだから、何も出てこない。理解できますか?」
 分かる、けどそんな無茶苦茶な話聞いたことない。本にだって書いてなかった。
「なんでこんな、気持ちの悪いことを」
「エネルギーに変換すると言ったでしょう。あなたたち兄弟は発電機になってもらいます、役に立ってくださいね」

「この実験は我々も初めてなんです、本当にご覧になるのですか」
「ああ、拝見しよう。人間は好奇心の強い動物だ、そうは思わないかね」
 ボクはコータと違う部屋に閉じ込められた、手足を縛られて大の字に寝かされてる。周りの人間は五人。口に蓋みたいなものを付けられて、声が出せない。見慣れないものがたくさんあって、すごく怖い。
「先生、ケントさんと話してるあの男は」
「伝えておいたスポンサーですよ」
「貴族のような身なりですが」
「貴族ですからね。アーティファクトの提供を条件に立ち会いを許可しました」
 人間たちは話に夢中になってるみたいだ、内容は分からない。
「古いしきたりの好きな連中です、関わらせてよいのですか?」
「いざとなればどうとでもできます。それに、交換条件としてインキュバスを五つ頂きました。割の良い取引だと思いませんか」
「インキュバスとはまた……このアーティファクトがそうなんですか? 実物を見るのは初めてです」
「支配階級に人気と聞きましたが、よく手放しましたね」
 部屋はとても明るいけど、なんだか気持ち悪い感じがする。コータもこんな風にされたのか? ニンゲン、許さないぞ。
「麻薬のようなものですからね。人間に使うものでは無い、というわたしたちの主張が聞き入れられた。そういうことにしておきましょう。わたしはインキュバスは元々、機械化した生物に取り付けるために作られたと考えています。口の奥にそれらしい差し口があったはず、差し込んでみなさい」
 ニンゲンはインキュバスと呼んだ鉄の塊をピンセットでつまむと、ボクの口を無理矢理開けた。口を閉じようとしたけど、金具を入れられて口が閉じられないようにされた。
「あー、あー!」
 口の中にピンセットが突っ込まれると、カチッと音がした。と思うと、急に体中が熱くなった。体が熱くて、溶けてるみたいだ。
「すごい、差し口の大きさがピッタリです」
「やはり先生はすごいです」
「称えるのは後になさい、猫さんの体が金属に覆われてきましたよ。トラベさん、変化があればメモを。レイウさんはこの行程は初めてでしたね、分からないことはトラベさんに聞いてください」
 ボクは仰向けにされた。頭も固定されて、天井と、ちょっと下のほうしか見えない。
「あぅあ、あああー!」
「それと、そのやかましい口は閉じていてくださいね。わたしは戻りますから、後をよろしく」
「あが、か……」
 ひゃああ! かっ、体が外れる? まっ、また変な感じが……ニンゲンが金属の板を取り上げた、ボクにくっついてた? 違う、あれは、ボクの体? で、でも痛くない。それどころか、なんか変な感じがすごくて、あっ、新しい鉄板が、やめて、付けないで、取り替えないで! ボクの体返して!
「痛がらないぞ、インキュバスの効果はすごいな」
「機械化もスムーズだ、技術の進歩を感じます。使うのはスチールですか」
「ああ、堅いほうがメンテが楽でな」
 腕が引っ張られてる、痛くはないけど……えっ、腕が、取れちゃった? やめて、返して! あああ、また胸が剥がされた、中身が引っ張られてるぅぅ! な、なんでこんなに……あうっ! へんな、感じがぁ! するぅ!
「胸板が空いたぞ……良かった、見覚えのあるタイプだ。三番か八番だろう」
「当てて確かめますか、取ってきますね」
 ニンゲンが機械の部品みたいなのを持ってきて、ボクの胸の中に、胸の中に入れてる、ネジが回されるのが、分かる? 回される度に、あっあっ、変な声出ちゃうよぉ……ボクと機械が、一緒になってる?
「八番だったな、てことは全部ネジか。こいつは当たりだ」
「それはよかった。セメントで固めるタイプもあるって聞いてたので」
 機械がボクに入ってきて、ひぎぃ! う、腕が戻された? 重たい、自分のじゃないみたいなのに、動かせる……やっ、もう片方の腕も外すの! やめて、怖いのに、変な感じのほうが強くて、あ、ああっ!
「泡吹いてるぞ、さすがインキュバスだな。それともクレバーキャットとの相性がいいのか。先生の見る目には驚かされるよ」
「本当は兵器だって話、信じられます。古代人なら発電くらい楽勝だったはずです、生き物を元にするのは兵隊にしたいからでしょう」
 おなかからいっぱい機械が出てくる……あれボクなの、ボクなの? 返してよ! あっ、なんで違うの入れるの? うう、おなかの中にゴツゴツしたのが入ってきて、ボクとくっついて、一つになってる……なんでこんなこと、分かるの? ああ、また新しいのがぁ! 一緒になってきて、ドキドキが止まらなくて……すごく、あったかい。 
「おい、目を見て見ろよ。すごい速さで文字が流れてるぞ」
「うなり声もすごい、インキュバスの効果で感じてるのかも。ブルマ外しますね」
 にゃぁぁん! ち、ちんちんのところが、にゃぁぁぁあ! び、ビリビリして、じんわりして、温かく、てぇ! ちんちん燃えちゃう、熱いよぉ!
「よし、後ろも外れた。中が熱いな、インキュバスの作用か」
「うわぁ。さすがに、いったん冷やしたほうがいいですね」
 中が剥き出しになって、空気に触れて……お、お尻のところも? 変なの、変なのがすごくて、わかんなくなっちゃう……うにゃああああ! 中がぁ締まるぅ!
「水があっという間に蒸発しちまう、氷が欲しいようだ」
「そんなことしたら壊れませんか?」
「それくらいじゃ壊れんよ。だがまあ、濡れタオルで地道に冷やそう」
 お股に水が染みこんでくるぅぅ! 水を吸い込んで……冷却、水? 循環開始しま、あああああ、ボク、ボク、機械になるぅぅ! 知らない言葉がいっぱい、プログラム、されてぇ!
「浸食が早くなった、こんなのは初めてだ」
「記録しておこう、先生が後で役立ててくださるだろう」
 ボク、クレバーキャットなのに、ユウキなのに、ろ、ぼっと? に、変えられてるの? 名前、忘れちゃいそうだよ、怖い……のに、なんでこんなに、気持ち、いいのぉ! もっとプログラムされたい! されたいにゃぁぁあ!
「こいつはメスでいいんだったな?」
「ああ、弟の発電予想は恐ろしく高い。専用の蓄電器が必要なほどだそうだ」
 んにゃあああ! ちんちん、ちんちん捕まれてるにゃあ!
「固いな、ロックは外れたはずなんだが」
「この赤いのですか? 外れかけてるように見えますが、引っかかってるんですかね」
「強引に外すなよ? アーティファクトのほうは今の技術じゃ作れないんだから」
 ジェンダーチェンジャの接続を確認、オスプラグの固定を解除します……やめ、やめて、おちんちん外さないで!
「お、このケーブルだ。外れるぞ、受け止めろ」
 ぎゃあああああ! は、はずれ……赤い部品、ボクの、おちんちん? あんなに長いのが、体に、入ってたんだ。
「外れた、ジャックを頼む」
「はいさ」
 ひっ、新しく接続、されたのは、エネルギー吸入器、送電線を差し込んで、使う……それじゃ女の子みたいだよ、ボクは男の子、男の子……ロボットに性別は、存在、しない? ちがう、ボクは猫で、差し口は、メス? んにゅううううう! 入ってくるぅ、くっつくぅ! ボク、メスになっちゃうの? くっついてるのに、おちんちんの根っこが、スースーするよぉ!
「ブルマ閉めるぞ……浸食が早くて忙しいな」
「先に制御盤を取り付けよう」
 ふぅぅう! 穴が閉められて、ツルツルになっちゃった……あれ、ひっくり返すの? 背中になにか、にゃああああ! 体全部、背中から繋がって、コントローラー接続、緊急停止ボタン接続、適応します……せ、背中から、心臓を捕まれてる、みたいにゃあ!
「これで万が一も安全だな」
「後は頭ですね」
 あっ、ボクの顔、開いて……何も見えない、意識が、遠のく……。
「中の部品を取り替えよう、電源を落としてみてくれ」
「これですね」
 かちって、言った。首が取れた。気持ちいい、怖い。たすけて、誰か……。

 起動プロセス開始、残り電力7%、内部電源で起動します……明るい部屋、すごい照明がある。ボクは宙ぶらりんになっている、周りは鏡になっていて、部屋の広さは分からない。ボクの両腕は中身が剥き出しにされて、鎖で天井に吊されてる。痛くはない、ないけど、動けないのはすごく怖い。
「んー、いい出来映えですね、元の部品を丁寧に剥ぎ取ってある。部下が優秀でわたしも鼻が高い」
 アーティファクトがなんとかって言ってたニンゲンだ。こいつがコータを……あれ、おかしいな。あんなに怒ってたのに、ニンゲンを憎いって、思わない。
「CG-102B、意識があるなら返事なさい」
「は、はい」
 思わず返事をしちゃった。なんだか変な感じだ。
「アーティファクト由来の部品はなるべく取り外させてもらいました。今のあなたはアーティファクトの副産物、ロボットです。理解しなさい、CG-102B」
 言われて体を見ると……裸のままで、毛がなくなってる。体中が鉄板で覆われたみたいになってて、ゴツゴツしてる。色も塗り替えられてて、青い鉄板がピカピカに磨いてある。
「それは、ボクの型式番号です。名前じゃない、です……」
 怒りが沸いてこなくて、強い言葉が出ない。
「これはデモンストレーション、見世物です。つまらない質問にはお答えできません、ロボットはロボットらしく、疑問など捨ててしまいなさい」
 ロボットって、そうなんだ。ボクはCG-102B、名前はこっちが正しい。なんでだろう、酷いことを言われてるはずなのに、すごく納得しちゃう。
「ということで機能テストです。これが何か分かりますか?」
 ニンゲンが手に持ってるのは、注射器だ。中には黒い液体が入ってる。
「注射器、中身は分からない」
「この通り、動物であった頃の知性もそのまま残っています。注射器の中身は原油、これをアーティファクト本体に注射すると、中で分解されエネルギーになります」
「にゃうっ!」
ニンゲンがボクの体に触れる。鉄板みたいな見た目なのに、ニンゲンの指を敏感に感じ取る。
「手間を取らせないでください、スクラップにしますよ」
「ごめん、なさい」
 ボク、そういう風に作り替えられちゃったんだ……作り替えられた? なんでそんなこと分かるんだろう。
 尻尾の付け根のスイッチが押されて、胸板が大きく開いた。光が漏れてる、中は見えないから、どうなってるか分からない。
「この青く光る球体が本体、彼が動物だった数少ない証拠です。一見すると宝石のようですが」
「んにゃあああアアア!」
 ボク、ボクの中がかき回されてる! 分かる、これが、ボク! 心とか魂とかそういうヤツで、これがなくなったら、ボクじゃなくなっちゃう!
「押し込むと、液体のように何でも飲み込みます。人格や生前の記憶は、ここに入っていると言われています」
「やああ! そんなところに入れないで……ひっ! おおおん!」
 心が踏み潰されて、全身に電気が走って、混ざって、燃えて! やめ、ホントに壊れちゃう、ボク死んじゃうよ!
「そこへ、この注射針で石油を流してやると、それをエネルギーに変換します」
「ひぎゃああああ!」
 ボクが溶ける、入ってくる、エネルギー増える! くちゅくちゅで気持ちよくて、でも気持ちよさが強すぎて、で、電子頭脳がぁ!
「インキュバスの効果、予想以上ですね。楽しんで頂けていますか?」
 エラー増大、許容量オーバー。補助思考システムに切り替えます……気持ちよすぎて、感覚が別の世界に飛んじゃったみたいだ。ボクは、暴れてる。でも、縛られてるから、暴れても何もできなくて、されるがまま……あうっ! 声を、出してる。
「こんなに感じるようでは、使い道が限られてしまいますね。ま、いいでしょう。さ、下腹部のハッチを開けて見せなさい」
「ひゃん!」
 考えるより先に、おちんちんのところの鉄板が開いて、中が見えた。大きい空洞がひとつあるけど、周りはよく分からない、ゴチャゴチャした機械で埋め尽くされている。
「では、プラグを差してみましょう。悪趣味な言い方をすれば、処女喪失ですね」
 しょじょそうしつってなんだろう、聞いたことはある気がする。でも何が起きるか分からない。
「ご覧の通り封がしてあります。封も鉄製ですので、インキュバスを通じて快楽を感じ取るはずですよ」
 ニンゲンは長い金属の棒を持ってきて、ボクの前で屈んで……ひっ!
「んーーー!!」
 何かが破れて、入ってくる。ボクの中は新しくて、金属のデコボコがまだ残ってる。棒とこすれて、すりつぶされて粉になる度に、ボクは絶叫する。頭の片方は冷静なのに、もう一つは滅茶苦茶で、何も考えられてない。
「ピッタリ入る寸法ですからね、入れるのには多少の抵抗もあります」
 ゴリゴリと音を立てながら、オスのプラグがボクの形に合わせてすり減っていく。削られてるのはボクのお股のほうかもしれない。入れ方は無理矢理で、不思議と痛くなくて、でも心が泣き叫んでる。なんだか、大事なものが無くなって、代わりに金属の棒がボクの体に入り込んで、乗っ取ろうとしてるような。
「あああ、いやあああ!」
「思ったより骨が折れますね、助手たちを呼んでおくべきでした」
 いつっ! 電気信号が大きすぎて、補助回路にも流れてくる。本当は苦しいのかな、ひっ! 奥、接続、初めて、ああ!
「ようやく奥まで届きました……子猫さんは暴れすぎて意識が消えているようですが、続けますか? それとも種明かしを?」
 本機をメス型ロボットに再定義します、ジェネレーターの圧力比アップ、エネルギー保存に最適化します……メスになったって、プログラムが、教えてくれた。
「承知しました、ではどうぞ」
 カーテンが取れて、急に暗くなる。メイン回路が何かを見て怖がってる。あれは、ニンゲン? ボクは舞台みたいなところに吊されてて、周りをニンゲンがぐるって取り巻いている。
「マジックミラーが外され、ロボットが困惑しているようです、無理もありません」
 誰かが、喋ってる。
「彼は今でも、自分のことをクレバーキャットだと思っています。しかも、ロボットに改造される様子を見世物にされていたことにも気付いていません! ロボットになっても、発想は子供のままですね」
 ロボット、見世物? 吊されたとき、確かにそんなことを言われた。それって……。
「ゲイズレッド博士、彼は羞恥心を感じられるのですか?」
 ボクのことをいじっていたニンゲンは応える。
「理解すれば感じるでしょう。彼の精神は改造前とそう変わっていませんし、インキュバスは羞恥心を強く感じさせる作用があります。実際に試してみましょう」
「んにゃああああ!」
 ニンゲンはボクの股間に刺さっているプラグをクルクル回した。気持ちいい、ボクは女の子、違う、そんなこと……。
「今、プラグから信号を送っています。女性の性的快楽を模したものですから、恥ずかしくて仕方なくなるでしょう。」
 メイン回路が焼き切れる、信号が補助思考システムに流れ込んで、あ、あ……あああアアア!
「やめてぇ、見ないでぇ! おほぉ!」
「お、早速反応ありですね」
 中身が丸出し、コアも剥き出しで、プラグを差されて、ボクは女の子で……そんな様子を、全部ニンゲンに見られた。恥ずかしすぎて電気が、押さえられない!
「おっと、頭から煙が出ています。ゲイズレッド博士、大丈夫なんですか?」
「ええ。一度壊れてしまうでしょうけれど、修理すればいいだけですから。ロボットの良いところです」
「いやにゃああぁぁ……あ、あ……」
 ボクはロボット、ボクは見世物、ニンゲンの前で、男なのに女の子にされて……メイン回路と繋がる、ボク、本当に、壊れて……。

◆◆◆

 CG-102Bの起動プロセス終了、エラー蓄積量が許容量を超えています。原因を取り除いてください、取り除いて……。
「先生、やっと電源が入ったようです」
「でしょうねぇ、壊れたのは電脳だけですからね。データは残ってますか? あまり手間をかけたくないですからね」
 エラー、人格を起動できません。リクエスト、エラー、実行できません。
「外からの信号を受け付けません、まだ壊れてる回路がありそうです」
「仕方ない、わたしがやりましょう。電子頭脳は貴重な部品です、模倣品で済ませたいですからね」
 ビビビビ! 致命的なエラー、外部メモリーが取り外されました。電源を切ってください。
「そんな乱暴に引っこ抜いていいんですか?」
「必要なのは繊細さより正確さです。まあ見ていなさい」
 新たな外部メモリー接続、形式を読み取りま……メモリーボードが次々と増設されています。処理を一時停止、デバイスの再スキャンを実行します。
「そんな焼けた回路を接続して大丈夫なんですか?」
「汚れてはいますが、壊れたのはコンデンサーです。そこさえ補ってしまえば使えますよ」 デバイス確認、主思考システムの状態は正常です、起動します……。
「にゃああああ!」
「目を覚ましたようです、さすがは先生だ」
「でしょう? トラベさんは修理を続けてください、わたしは打ち合わせをしてきますので」
 ぼ、ボク、壊れたのに、なんで……修理? 修理って、何を? ガガ、ボクはロボット、壊れれば修理される。ボクは、修理された、の?
「ここも焼けてるじゃないか。交換用の部品は」
 目が見えない、耳が聞こえない。でも、頭の中がいじられてるって、分かる。頭の中に手を入れられてる感じがする。怖いよ、また壊れちゃうの?
「あったあった。コレを外して」
「んにゃあ! やああ!」
 演算装置が引き抜かれる、バグっちゃうよお! ま、またボク、知らない言葉を……ボクの電子頭脳が、新しいプログラムを、読み込んでる? ロボットだから当然? 違う、そんなの、にゃあああ!
「接続っと。記録装置がものすごい勢いで点滅してるな、アーティファクトが動き始めたのか」
 インキュバスが起動して、エラーが、電気信号が、気持ちよくなっちゃう! あっ、プログラムが、いっぱい入ってきてる。
「人間に逆らわないプログラムが入ってるのはありがたいが、仕組みを理解できないのはスッキリしないんだよな」
 ニンゲンに従え、逆らってはいけない? 違う、ボクは……ロボットだから、ニンゲンに従うのは、当然、なんだ。ああ、そう思ったら、急に、心地よくなって……意識を最適化します、データ書き込み開始……はああ! プログラム、されてる! 気持ちいいよ、ボク、もっとロボットになる!
「まあ、従順になってくれるのは助かるけども」
 脳が全部機械になって、部品を入れ替えられて、一度壊れちゃって……今、修理されてる。なんであんなに嫌だったんだろう、こんなに、ロボット扱いしてくれてるのに。あっ、違う機械と繋がれてる、データ吸い出されてる! 中身見られるの恥ずかしいのに、電気の流れが気持ちよくって、プログラムが書き換えられちゃって……。
「あっ、はああ!」
「インキュバスも動き始めたか、これだけ修理できれば、後は機械に任せて大丈夫だな」
 目が見える、音も聞こえる。あっ、ボク、また裸のままだ。なんでだろう、ボクはロボットだから、裸なのは当たり前な気がしてきた……あ、ニンゲンさんが遠くへ行っちゃう、行かないで! ボク我慢できないよ、もっと電脳を改造してよぉ!

「おにいにゃ、あ、んにゃあん!」
「コータ、コータぁ!」
 ガラスの向こうでコータが分解されている。コータの体も鉄板で覆われてて、ネジ止めされてて、スイッチやプラグがいっぱいくっついてる。データベースのおかげで分かる、コータもロボットに改造されたんだ。
「にゃあ……おにいにゃん、いるの?」
「ああ、いるよ、ここにいるよ!」
 ニンゲンさんがたくさんいる、周りでボクとコータを見てる。プログラムされて、色々分かって、裸を見られて恥ずかしいのに、ニンゲンさんにだったら、見せてもいいってなって……処理が追いつかない、データがごちゃごちゃする。なんで……頭の中をいじられすぎた? いじられすぎると、どうなっちゃうの?
「おにい、にゃん」
 いけない、そんなことよりコータだ。無事なのか?
「コータ、大丈夫か?」
「大丈夫にゃ、でも寂しかった……んにゃあああ!」
 コータの手が外されて……いや、切られてる! なんで?
「ああ、にゃあああ!」
「止めて、コータが死んじゃうよ!」
 切った腕のところに、腕と同じくらい太いケーブルが繋がれる。コータはケーブルと繋がって感じているのか、すごく暴れている。
「心配いりません、弟くんはロボットです。手足を切ったくらいで死んだりしませんよ。ところであなた、いつまで昔の名前を使うつもりなんです? 弟くんの本当の名前、知らないわけじゃないでしょう」
 本当の名前? ボクの名前はCG-102B……ロボットだから、本当の名前は型式番号なんだ。じゃあ、コータも?
「ボクは、コータの型式番号を知りません。」
「コータくんの型式番号は、CG-102Aですよ」
 そうだ、CG-102A。ボクもCG-102Aもロボット、ボクは腕を切られても死なない、そうプログラムされてる。だから、CG-102Aも死なない。でも、ボクはCG-102Aが心配になる。なんでだろう。
「CG-102A、大丈夫?」
「おにいにゃ、ピィッ! ……はい、大丈夫です、にゃ。CG-102Aは気持ちいいですにゃ。CG-102Aは改造されるのがとっても好きですにゃ」
 そうか、それならよかった。ああ、CG-102Aの残った手足も全部切られた。なんてひどいこと……ひどく、ない。CG-102Aはロボットだから、痛くないし、改造されるのが好きだって言ってる。ロボットはニンゲンに何をされても、作られたんだから、当然なんだ。作られた? ロボットって、ニンゲンが作ったの?
 周りでニンゲンさんがボクたちをじっと見てる。CG-102Aを改造されるとこが見られて、ボクも裸のまま見られてる。ボクとCG-102Aの体は似て見える。鉄板をネジで留められてて、スイッチとかプラグがあって、エネルギー残量計が付いてて、おちんちんの穴もお尻の穴もない。ブルマって呼ばれてる、パンツみたいな鉄板で股間が塞がってて、それを開けるハッチがあって、ボクの中は大きなプラグ入れ……ジャックになってて、電源プラグが差し込めるようになってる。
 それが全部見えてて、見られてて、ニンゲンが見て楽しむってことは、ボクはニンゲンさんの役に立ってることになるから、ボクはロボットとして正しい。
「あううん!」
 なんで? ニンゲンさんに使ってもらってるって思ったら、すごく気持ちよくなっちゃって、CG-102Aが目の前で改造されてるのに……だから、ボクら二人ともロボットだから、ニンゲンさんの役に立ってて、CG-102Aのほうが役に立ってるから、ボク、うらやましくなっちゃって!
「ボクは? ボクは改造しないんですか?」
 ボクは舞台の上に立ってる、ボクを改造したニンゲンに話しかけた。
「改造されたいんですか?」
 話しかけるだけのつもりだったのに、気がついたら伏せの姿勢を取っていた。背中のスイッチが見えるように、猫背になって、縮こまって、お願いする。
「されたいです。もっとニンゲンさんの役に立ちたい、です」
「良い心がけです、どのみちその予定でしたから。準備はしてありますが、ショーに支障はありませんか? むしろ歓迎? そうですか。では、改造して差し上げましょう」
 ボクを乗せるための台が持ち込まれて、その上にボクは横になって、固定された。台は穴を開けられるようになっていて、ボクのお尻が当たるところの板が取られて、下からも作業できるようになった。
「かつてクレバーキャットだった、ロボットの少年。股間の中、気になりますよね? 存分にご覧ください」
 ネジが外されて……やあああ! ネジ、ネジ回されるの、すごい感じるぅ! なんで、前はこんなに感じなかったのに。電脳の最適化が進んで、センサーの機能が向上した? ボクの頭がたくさんプログラムされたから、小さなことでも、はぁっ! 感じるように、なっちゃったんだ。
「ネジが抜けてくぅぅ、回されて、にゃああ!」
 一本、二本ってネジが抜かれて、ボクのブルマが外されて、中身が全部見えちゃってる。ああ、ニンゲンさんが見てくれてる、気持ちいいよぉ!
「ご覧の通り、中身は機械です。ロボットは確かに感じていますが、濡れてはいません。そういう機能が付いてないから当然ですね。では、付けたらどうなるでしょう」
 ニンゲンさんが取り出したのは、前、ボクから取り外したおちんちんだ。ボクから……ボクの? ボクの、ボクのおちんちん!
「おちんちん返してよ! ボクは男の子なんだ、お兄ちゃんなんだ!」
「身の程を知らないロボットですね。これは装着する予定でしたが、返したくなくなります……じらすな? まったく、改造して付けてあげるからおとなしくしていなさい」
 ボクのブルマの中のネジが緩められて、太いジャックの位置が後ろにずらされる……やっ、感じすぎて壊れちゃう! もっと優しくして、いっぱい気持ちよくなりたいの!
「本来生殖器がある場所には発電機と接続しやすいよう、大型の差し口が取り付けてあります。それをちょっと裏側にずらして、赤い金属にしか見えない猫のペニスを固定してやります」
「あううっ! き、強制接続するなんて聞いて、にゃあああ!」
 デバイス認識、専用ドライバーあり、プライマリデバイスに設定します……おちんちん、戻った? ボク、男の子だよね? 女の子じゃない……はああぁお!
「雷クラスの電流が流れるので、頑丈に固定します。インキュバスが反応したのか、今日一番の反応の良さですね。これならお客様も満足でしょう」
 ネジが、根っこ張ってる! 奥に食い込んで、張り付いて、ボクと同化してるぅ!
「おや、まだ物足りない? じゃあとっておきを出しましょう。しばしお待ちを」
 ニンゲンさんは新しいケーブルを取り出した、今までのより細い。にゃっ! お尻のスイッチが押されて、胸のハッチが開いちゃう!
「前回もお見せしましたが、ここは彼らの心臓部。魂が入っている場所です。宝石のようですが、液体でもあります。こうやってケーブルを突き刺すと」
 ちゃぽん。
「ぎにゃああああアアアアア!」
 コアに不明なデバイスが接続されました、すぐに起動を停止してくださガガガ! 命令が拒否されました、通信を試みます……にゃあああ! 動かさないでぇ、ボクがボクでなくなっちゃう、ケーブルに操られちゃうよぉ!
「コアが緑色から赤色に変化しましたね。これは危険な状態を表します。繋いだケーブルは、ロボットを自由に動かすための制御プログラムを送り込むものです。弟くんの用意はいい? では、さっそく言うことを聞かせてみましょう」
 プログラムに重大なエラー……ボクはロボット、蓄電するためのロボット、ニンゲンの命令は絶対。
「改造の済んだ弟くんがいます、彼とセックスしてください」
 命令は絶対、ボクはオス……論理回路エラー、オス同士でセックスするデータがありません。必要なプログラムをインストールしてください。
「おや、固まってしまいましたか。では命令を変えましょう、個体名CG-102Bは、個体名CG-102Aとプライマリデバイスを相互に接続。CG-102Aの発するエネルギーを、CG-102Bが吸い取りなさい」
 CG-102A、ボクの弟ガガガガ! セックスのデータが更新されました、相互接続を開始します。
「二人ともブルマのハッチを開けていますね。人間で言えば、勃起している状態と言えます。内蔵が剥き出しになっていますが、ロボットだから平気ですね」
「おにいにゃん、何するの」
「CG-102Aを視認、接続対象」
 CG-102Aのハッチが開いている、接続は可能。開始します。
「にゅううう! お、おちんちん入れるのぉ!」
「CG-102A、ニンゲンの命令は絶対です。ロボットなら、受け入れなさい」
 CG-102Aは反応を処理できないようだ。データの同期を試みる、通信ケーブル接続。
「おにいにゃ、にゃう、あ……」
『プログラムコード送信、受理を要求』
『受理します。発信者、ゲイズレッド博士、ニンゲン。プログラムを実行します』
 挿入口を確認します。オス型、メス型両方の端子を視認。相互認証、成功。接続します……接続成功、命令の実行に成功、コントロール権をCG-102B本体へ移行します。
「にゃあああ! あ、あ……」
 な、なんで? CG-102Aとセックスしてる? 命令だから……あうぅん! ボクとCG-102Aのおちんちんが、ピッタリ入ってる! 男の子同士なのに? 改造で位置を調節、されちゃったんだ。CG-102Aのおちんちんの上の穴が、ボクのおちんちんにピッタリで、ゴツゴツして……にゃん! 体が、鉄の体がぶつかって、擦れて、擦り傷が付いちゃってる。
「CG-102B、ボクもう、放電しちゃう」
「放電って何……にゃあああ!」
 え、エネルギーが流れ込んでくる! CG-102Aの、CG-102Aのあったかいエネルギーで、ボク充電されてる! 気持ちいいよ、CG-102Aは弟なのに、コアがドキドキしちゃうよぉ! 
「気持ちいいぃぃい! CG-102A、こんなお兄ちゃんでごめんね、そうプログラムされちゃったから、制御できなくて!」
「CG-102Bのがゴンゴン当たって、気持ちいいにゃあ! ボクもプログラムで動いてるから、CG-102Bは間違ってないよ。ロボットのボクを弟扱いしてくれて、とってもうれしいにゃ!」
 ああ、CG-102A、そんな風に言われたら、ボクはCG-102Aを愛しちゃうよ……ぎにゃああ!
「もう、このケーブルは必要ありませんね。この兄弟は鉄の体をこすりつけ合って、発電を行います。今後は発電機として、わたしたちの生活を豊かにしてくれるでしょう。最後の余興に、二人が何を考えているのか、声に出させてみましょう」
「CG-102Aぁ! CG-102Aのおちんちんからエネルギーがいっぱい入ってきて、気持ちいいよぉ!」
「CG-102Bのおちんちんも、気持ちいいにゃ。ボクの中身が、いっぱい吸われてるにゃ! もっと吸って欲しいにゃ!」
「吸う……外部機器を用いない場合、口を接続口として使用可能……CG-102A、もっと吸ってあげる。んちゅ、ちゅ……」
「ちゅう、ちゅう、くちゅ」
「おやおや、キスを始めてしまいましたね。これでは締まりません、コア同士を接続しましょう」
「CG-102A、CG-102A……ああっ! またコアにケーブルが……接続先確認、個体名CG-102A……CG-102A、CG-102Aと繋がってるの?」
「CG-102B、コアが熱いよぉ!」
「ボクもだよCG-102A……ああ、繋がるのがCG-102Aだと、こんなに気持ちいいんだね。手足は大丈夫かい?」
「だいじょうぶ、もうくっついたから、気持ちいいよ。CG-102B、ボク動けないから、おちんちん動かして。ボクもっと気持ちよくなりたいよ今すぐガンガンしてぇ!」
「ボクもだよ、行くよCG-102A」
「にゃああん!」
「んにゃあああ!」

◆◆◆

 エネルギー残量が10パーセントを下回りました、起動プロセスに移行します……目が覚めたら、またエネルギーがなくなってた。ボクはエネルギーを送るのが仕事、だからこれは当然なんだ。
 タスク起動、個体名CG-102Aのロックが解除されました。充電フェイズへ移行します……ああ、すごくドキドキする。CG-102Aを愛してる、CG-102Aが欲しい、もっと一緒になりたい。もう我慢できないよ今すぐ行くからね!
 大きな扉を開けると、CG-102Aが固定されている台座が見えた。CG-102Aは台座の中に収まっていて、手足や背中、後頭部も台座に繋がれて起き上がれない。ボクがリードしてあげなきゃ。
「CG-102A、起きてる?」
「CG-102B! 寂しかったよ、早くエッチしてよぉ!」
 ボクを見ると、CG-102Aは下腹部のハッチを開けて、おちんちんを露出させた。ボクはCG-102Aの頭や胸に付いてるケーブルをボク自身に挿して、CG-102Aに近づく。
「大丈夫、すぐ気持ちよくしてあげるからね」
 ボクはCG-102Aの胸のハッチを開けて、コアに指を入れる。とろとろのスライムみたいな触り心地。CG-102Aはコアを、心を、魂をかき回されて、大きな声であえぐ。
「にゃあああん! おに、CG-102B!」
 ボクはハッチに顔を近づけて、中を舐める。CG-102Aは気持ちよすぎて失神してしまうけど、すぐ再起動プロセスが働いて、目を覚ます。
「どう? CG-102A」
「いいにゃ、すごいにゃ、もっとしてにゃあ!」
 ボクは外れたCG-102Aの装甲を指でこする。平らで何も無いけど、ボクらがクレバーキャットだったときは、ここに乳首があった。その感覚だけは残ってるから、何度もこする。こすりすぎて、乳首の部分はメッキが剥げてしまっている。
 CG-102Aとケーブルで繋がってるから、CG-102Aの気持ちよさはボクにも伝わってくる。どこが気持ちいいのか、ボクにはよく分かる。切られた手足とケーブルの境目も、CG-102Aが感じる部分だ。
「にゃあ、あ……スイート、にゃあ」
 CG-102Aはボクが知らないとき、改造されてるときに、気持ちいいことをスイートって言うって覚えた。そのときの記憶はすり減っちゃってよく分からないけど、CG-102Aが気に入ってるから、ボクもそれに合わせてる。
「もっとスイートになろうね」
 ボクはハッチを全開にして、CG-102Aに覆い被さる。触っちゃいけない回路同士がぶつかって、ショートして、電子頭脳がバチバチ言う。
「にゃああああ! す、スイート、にゃああ!」
「あああ! ボクたち、また壊れちゃうね、スイートだね!」
 ボクたちは壊れるまで感電して、自動ロボットに修理されて、充電を始める。CG-102Aのアーティファクトは特別らしくて、火力発電所二十基分の電気が取れるらしい。ただ、そのためには気持ちよくなって、ストレスを取らなきゃいけないんだって。そのためには、ボクが必要なんだって、そうプログラムされた。
「じゃあ、充電、しようね」
「にゅ!」
 互いに、互いのおちんちんを入れ合う。ボクは繋がったおちんちんとケーブルから、大容量に改造された蓄電器にCG-102Aの電気を貯めていく。
「CG-102Aの電気が、データが、入ってくるぅ! CG-102Aが気持ちいいと、ボク、嬉しいよ」
「ボクも、ボクもぉ! CG-102Bが入ってくる感じ、好きぃ! もっとボクを使ってぇ!」
 ボクはCG-102Aにキスをする、CG-102Aもボクにキスをする。口づけしたまま、ボクたちは充電が100パーセントになるまで、抱き合うことが許されている。
 内部温度が80度を超えました、強制冷却を開始します……あっ、冷却機能が動く、無理矢理冷やされる、すごいの来る……エネルギーセル強制排出、冷媒注入開始。
「んにゃあああアアア!」
 あ、熱い部品が、ボクの体の外に、押し出されてぇ! ガシュッって音がして、セルが飛び出て、冷媒がいっぱい蒸発してぇ!
 冷却完了、エネルギーセルを収容します……にゅううう! セルが、体の奥に戻ってくるぅ! 苦しいのに、気持ちいいよぉ!
 充電が完了しました、クレードルに戻ります……ああ、終わっちゃった、戻らなきゃ。
「CG-102B、行かな……発電プログラム起動、思考演算を終了します」
「ボクたちはロボットだから、プログラムには従わなきゃね」
 行為を終えたボクは、CG-102Aを繋がるたくさんのプラグを抜いた。ボクは感じるけれど、CG-102Aは装置に戻っちゃったから、感じても反応しない、できない。ボクだって、本当はもっとしたいけど、それじゃロボットじゃなくなっちゃうから。
 ボクはクレードルに戻って、女の子の時に付けられたジャックにプラグを入れる。プラグから大容量の電力が吸い出される。こうするのも、もう三十七回目。これまでに大きな故障をしたこともあった。でも、ボクたちのアーティファクトはまだ使えるから、廃棄処分にならないで済んでる。あ、意識が落ちてきた。ボクまた、装置と一体化……クレードルとの接続に成功しました、思考プログラム停止、送電機に操作権限を移行します。

ケモロボい話

ケモロボい話

ケモショタな兄弟が悪い人間に捕まってケモロボにされて、いっぱい改造されちゃう話です。 ケモロボ、メカケモにエロスを感じる人に届いて欲しいです。

  • 小説
  • 短編
  • SF
  • 成人向け
  • 強い暴力的表現
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