カヌレ

川島 海

どうしてだろう
西日にあんなにぱたぱたと畳まれた
あの人の言葉は
今まさにカヌレの頂上に響いている

斜面を下る道すがら
キーラはギターを弾きながら
やたらと目配せしてくるし

油を拭う右手がふれる
太陽を吸ったソファーはまるで
カピバラのお腹だと思えてしまう

上唇を濡らすと唐突に
蒔かれてしまったのだと気付く
甘い湖を小舟で渡って
あちらこちらで芽吹く

桟橋に腰をおろしてみたところで
炊飯器の下手くそな歌が呼んでいる

カヌレ

カヌレ

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2020-09-17

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted