異風の時
『異風の時』
青春と呼ばれた柔らかな犯罪があった
ある日
涙を曳いて北に縦走して行った
ひとびとの優しいこころだけを撃ち抜きたいと願っていた
私たちは
誰が彼の視線に有機的だったろう
私たちの生活のすべてで
公判と懲役の匂いがしていたから
ただ目を落として
彼が行きすぎるのを待ったのだった
今日
北の海に
再び
異風のざわめきが立ち上がる
彼が
彼がまた渡って行くのだ
異風の時
『異風の時』
青春と呼ばれた柔らかな犯罪があった
ある日
涙を曳いて北に縦走して行った
ひとびとの優しいこころだけを撃ち抜きたいと願っていた
私たちは
誰が彼の視線に有機的だったろう
私たちの生活のすべてで
公判と懲役の匂いがしていたから
ただ目を落として
彼が行きすぎるのを待ったのだった
今日
北の海に
再び
異風のざわめきが立ち上がる
彼が
彼がまた渡って行くのだ
異風の時