異風の時

草也

『異風の時』


青春と呼ばれた柔らかな犯罪があった
ある日
涙を曳いて北に縦走して行った
ひとびとの優しいこころだけを撃ち抜きたいと願っていた

私たちは
誰が彼の視線に有機的だったろう
私たちの生活のすべてで
公判と懲役の匂いがしていたから
ただ目を落として
彼が行きすぎるのを待ったのだった

今日
北の海に
再び
異風のざわめきが立ち上がる

彼が
彼がまた渡って行くのだ

異風の時

異風の時

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 冒険
  • 時代・歴史
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2020-09-17

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