間接的心中

あおい はる

 月にも心臓はあって夜が黒いとは限らなかったし美しいものを壊したあとのあの密やかな罪を甘噛みして過ごした朝の空気感にきみを失った後悔を宇宙に放り投げたのは事実だった。二十七時の教室の片隅から自殺した生徒たちが三次元の音楽室で激しくピアノの鍵盤を叩き弾いていたしトランペットをめちゃくちゃに吹き鳴らしていた。ネオというなまえの少年型のロボットと恋をしていた日々に電車に轢かれて赤い花が線路に沿って散った光景をバージンロードのようだと例えた神父のくちびるの端に浮かび上がった模様は生きている蔓となり彼を支配して少しだけ世界の幸福の概念が変わった気がした。おわらない夢ばかりをみせてくる神さまに舌打ちをしてぼくたちは永遠となった。

間接的心中

間接的心中

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2020-09-10

CC BY-NC-ND
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