ジャスミンの濃縮缶

久々に来てこんな話なんて

今夏ちょっと前、夏のやり過ごし方を考える機会があった。
「今年はどうしようか」
去年で言えば、夏の間ずっと麦茶を製造する製造工場と化した。2リットルペットボトルに入れられる便利なディーバッグを見つけたというのがその発端となった。あれは便利だった。今思ってもあれは便利だったと思う。それでもって水入れたペットボトルにティーバッグ差し込んで冷蔵庫、飲み終わったら洗って乾かして水入れてティーバッグ差し込んで冷蔵庫。それを繰り返す製造工場と化した。

ちなみに、同時にアイスコーヒーの製造工場も稼働していた。こちらはユニクロで買った横にも置けるポットを使い、水出しコーヒーのパックを4つ入れて(水出しコーヒー、一つ大体500mlとか書いてたので)、それでもってそちらも麦茶と同じ工程で。

そんな訳で、去年は麦茶とアイスコーヒーの製造にいそしんでいた。おかげで熱中症というのは無かった。ありがたいことに。本当にありがたいことに。

だもんで、
「今夏はどうする?」
今年もそのような事を考える機会が与えられた。去年と同じにする?それとも新たな何かを開拓する?

「うーん」
去年の反省点なんか何かありますか?と問われたらなんと答えるだろう?
「ありません」
というだろうか?熱中症で倒れてもないし、救急車で運ばれてもいないし、死んでもないし、孤独死も無かったし。だからありがたいという気持ちしかありません。それは確かにそう。全くその通り。ただ、
「強いて上げるとしたら・・・」
麦茶とコーヒーだけっていうのはちょっと。種類がちょっと。

せっかく大きい冷蔵庫に買い替えて飲料で棚一段全部使っても全然余裕だったのに、麦茶とコーヒーしかなかったというのはあるかな。だから脇に焼酎に使う様の水とかも入れてたなあ。三本位入れてたな。一本でいいよ。そんなの一本でいいよ。飲料差し込めるドアの所にも一本入れてたし。

「あと」
製造工程も考えた。一回作ったら2日3日は持った。つまり2日3日毎に一度作業。洗って乾かして次のディーバッグ準備して置いておく、乾いたらセットして水入れて冷蔵庫。
「これが増えたら大変かな?」
例えば、飲料二種から四種に増えたら大変だろうか?
「・・・」
全然大変じゃない。むしろ四種に増えたらうれしい!たのしい!大好き!二種類しかないドリンクバーと四種類あるドリンクバー。どっちがいい?四種類だ!

という訳で、今夏は四種類と設定した。
「麦茶とコーヒーと、あと・・・」
スポドリみたいなのもあるといいな。甘汁。甘汁もあるといいな。あとなんだろ・・・そういうのって何あるもんだろう?

そんな中、そんな精神状態の中でアマゾンに行った。
「昨今何があるもんですか?」
そういう感じで。トレンドとか今どきを知りたいわけじゃないんですけど、でもまあ何かありましたら。ビビッと来ましたら、今だったら即採用の可能性あります。そういう感じで。

「なんて入れたらいいかな・・・」
検索ワード。なんて入れよう。例えば麦茶?

麦茶。

検索。

そこで出た。濃縮缶。

「えー!今どきだ!」
それ今どきじゃない?濃縮缶?そういうのがあるんですか。はー。はー便利な世の中。便利な世の中になったもんですもんですなあ。

興味が一気にそっちに行った。アマゾンの検索ワードに改めて濃縮缶っていれた。

濃縮缶。

「あー、濃縮缶って言うとサントリーと伊藤園なんだな」

サントリー。やさしい麦茶。伊右衛門。烏龍茶。ダカラ。

「ダカラ!」
甘汁。採用!

伊藤園。ミネラル麦茶。おーいお茶。ウーロン茶。ジャスミンティー。

「ジャスミンティー・・・」
ジャスミン。

「ジャスミンティーの濃縮缶」
ジャスミン。

ジャスミンの濃縮缶。

「・・・」

気が付くと口をあけて彼方を見ていた。

正直に言う。私は想像してしまったんだ。

「ジャスミンの濃縮缶」
っていうそれに。

「これがジャスミンのにおいを濃縮させたものなんだね」
はあはあ。

そういうなんか、あの、ほら、変態みたいな事を。

でも、仕方ない。そういうモノなんだ。何かを創作する者っていうのはそういう脳になってるんだ。フィルターだフィルター。そういうのが私のような道端の石ころみたいな奴にもある。ついてる。だから仕方ない事なんだよそれは。脳の中は誰にも取り締まれない。考える事をやめることはできない。世界がどうなろうと脳は脳内世界は止められないんだよ。

「ジャスミンの濃縮缶」
はあはあ。

そういう訳で今夏は麦茶、ダカラ、ジャスミンティーの濃縮缶には大変お世話になった。コーヒーは水出しの奴を楽天でたくさん買って重宝した。

ありがとうございました。

まだ油断はできませんが、今年も今の所までは熱中症にならずに済みました。それは全て濃縮缶と水出しコーヒーのおかげです。

この場を借りて御礼申し上げます。

あ、

あとジャスミンって、あれだから。私のジャスミンってあれだから。デルトラクエストのジャスミンさんだから。

秋田から千葉に出た際、最も精神が危なかったあの頃そのテレビアニメがやってて、ジャスミンさんなんか可愛かったから。助けてもらったから。ジャスミンさんに。あとテレビ東京に。うん。

え?

ディ●ニー?

んなわけねえだろ!

BAN!されるぞふざけんなよ。

全部なくなるよ、全部。

私の全部。メルカディアンマスクスの報いの波みたいになるわそんなの。

ジャスミンの濃縮缶

ジャスミンの濃縮缶

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-09-06

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