星へ
今でもふと我にかえることがある
何故彼女と毎日ラインしてるのか
何故彼女は私に返信をするのか
ほんの3,4カ月前までは遠い雲の上にいた彼女
彼女は聳え立つ大岳の上に咲く一輪の花、到底私には手の届くはずがなかった
彼女自ら山を降りたのか
私が彼女の所へ昇りつめたのか
何も変わってないのかもしれない
今はわからない
ただ私の返信に対して彼女からの既読がつき
そしてまた彼女も返信する
この際限の無いやり取りがたまらなく愛おしく
胸が締め付けられるような思いになるのだ
彼女が携帯を覗く姿形
容易に脳裏に浮かべることができる
ただどうしてだろう
その彼女の携帯の中には私がいて
小さい指で私の文字を追っている事を想像できない
「恋愛はただ性欲の詩的表現をうけたものである。」
芥川の名言だ、
この気持ちは一体何なのだ!
この気持ちは私の親和欲求を彼女にぶつけた産物なのか?
彼女は聳え立つ大岳の上に咲く一輪の花、到底私には手の届くはずがなかった。
今日も外は蒸し暑く、空は厚い雲に覆われている。いつからか庭に生えてきた一本の撫子、
この花の育て方を私は知らない。
星へ