ベビーベッドについて

ベビーベッドについて

暴力への耐性みたいなものを装備して、頭が割れるのを防いで、日本っていう法治国家にくらくらする。きりがない。名前で呼ばれるのが親に申し訳ないような。呼び捨てに解放されないような。いつか、名字のままわかりあえたらいいね。
生まれもしなければ、死にもしない怠惰なこどものことを考えています。勉強がつまらない、そういうところに落ちてくる。ただ漠然と概念語になって、さんざんそいつを使ってきた大人たちに、死に物狂いでdisられる。もやの中、眠くなったら、おしまいって言ってほしい。辞書を古紙回収に出した水曜日。だいたいが枠の中におさまっているからそれでよし。計測される時間と、存在そのものが怠惰なこどもたち。
いつか大人になることがあったら、そのときは思いっきり笑いたいかな。60分おきにネットサーフィンして、40分おきにエゴサーチして、15分おきにからだを動かし、10分おきに歯をふるわせる。夕方の雷鳴。それでもスマホは手放さなかった。いまはもう夜です。よいこのみんなはもう寝ている時間です。それでもまだ起きているということは、何か後ろめたいことがあるのですね。そうですね。では、少しだけ話を聞いてあげましょう。

ベビーベッドについて

ベビーベッドについて

それでもスマホは手放さなかった。

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-09-01

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