24時間

24時間

夜明けはいつでもぼくらを不安にする、きらめく星が、消えていく、都会にもきっとそういう星はある、水平線が世界を覆う。タイム、ライン。
八月は終わりかけていて、それでもまだ凍えることはできなかった。わかったふりもたいがいにしろ。そう言いながらタイム、ラインを更新する。24時間で忘れ去られる存在になりたかった。古い皮膚が新しい皮膚に変わっていく。ぼくが知らないうちにアップデートされていく人体、ノスタルジアについて問いかけたらどんな顔をするだろうか。きみが大人になっていく事実がタイム、ライン上でも流れていく。流れ落ちていく。ぼくが夜、きみは白い朝。邂逅がおそろしい。宇宙が広がっていくみたいな水平線。ふるえている不安定さが、おかしいよね、24時間おきにやってくるんだよ。ぼくと、きみが手を取り合って、そのまま地球のふちに沈んでいく。言葉と言葉が剥がれ落ちて「あ、ああ」としか言えなくなって、やがては「ぁあああああああああああああああぁあああああああぁ!」に変わってなんかそこだけは退化していくんだよね。いくつものタイム、ラインがまばたきの速度で目に入る。電子に換算されないことがさびしかった。光にはてしなく近い速度で、でも175cmの身長は保てていた。質量は59kgのままだった。24時間が、飛び交っていく、24時間の、連射、24時間は、それだけでしかなくて、24時間、
(きみは目を回したままで何度か「つまらない」と言った。きらめく星が消えて、夜明けまでの一秒は引き延ばされていた。かみさまに触れるために詩を書いた。すべての名詞は言語化できず、もどかしさを感じながら文脈を読み進めていった。邂逅、このまま記号化されてもいいけど、どうせなら一つになりたい。きみのことだけじゃなくて、世界と、宇宙と、タイム、ライン)

24時間

24時間

世界と、宇宙と、タイム、ライン

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-08-30

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