知恵の輪について
知恵の輪について
どこにも行けないような、どうしようもないような、人体をいじくりまわして出た結論は「欠陥品」の一言だけで、ふざけんなってなるけど、だからといってどこかにクレームの電話を入れるわけにもいかず、さあ残った時間で何をしようか、そうやって言葉を羅列するだけの人が生まれた。
まだ数十年分遊べるよ、さあ残った時間で何をしようか。
恋愛だと決めつけてしまえばそれ以上頭を使わなくてもいいから、とりあえず恋愛ってことでこの関係性はセーブされた。そのテンポに合わせて心臓を動かせればいいのに、まだみみっちいことでうだうだ言ってる。暇の「ひ」と「ま」の間にふるえるほどの興奮が全部収まってしまう。ここにいない誰かはもうぼくの頭の中にもいなくて、じきに質量保存の法則を無視して消えていける。結局ぼくらがこの十八年でしたことは、感情をいじくりまわすことと少しだけの受験勉強、その二つだけで、感情と感情の間にある空白だけが目前に提示されると口をポカンと開けるだけ。堂々巡りだってようやく最近気づき始めた。だからといって、別にほかに何かすることがあるわけでもなく、感受性がなくなった脳みそからもう言葉は出てこない。難しいけどもう仕方ないことだ。ネットスラングを連打して、コピペして、自作自演でバズらせて、でも本当はバズってなんていないから、気持ち悪くにやにやして、それでおしまい。
知恵の輪について