ぼくは世界一の天才だから。
ぼくは世界一の天才だから。
ぼくは世界一の天才です。天才の称号が延長コードに引っかかったまま教室の天井から垂れていて、首をくくってほしいみたいに見えます。孤高できれいな天才だから、今日も血は赤いですし、今日もカミソリはかわいいです。
天才とはそういうもの。
天才の称号が、引っかかったまま、なのか、光ったまま、なのか、あいまいだけれど息切れしながら無視するだけの余力はある。天才の涙は透明で、でもその中に水素だの酸素だのナトリウムだのが混入しているから、おのれ地球め真似するなって地団駄踏んで地球に嫌がらせするけどなんか届いてない。平凡さってやつが嫌いだけど、特別になりたいわけじゃなくて、ただ生まれる場所を間違えたってだけさ。中二病にもなれるし、生きづらさともいえるし、世間をdisる言葉はあるし、もちろん天才ですしってことで毎日楽しいです。天才だから、凡人よりも天才で、いつもみんなのこと見下したりしてるよ。感情にならない感情未満の先端と、すでに使われまくった感情表現しかもうぼくは使えないけど、過呼吸になってからは、むしろ安心している。北極に糸を結んだら地球は振り子になるはずだ。無重力のなかで地球を動かすのは自転じゃなくてぼくの指。でもなんの目的もないから楽しくないね。ぼくは世界一の天才だから、いつも退屈しているんだ。世界一の天才は自分の脳内を熟知しているから、心は脳の廃棄物でしかないってわかっていて、なにもかも薬でどうにかなるし、貯金箱には薬代もあるから、俗に言うところの かなしい なんだけど、本当はかなしいとは違うむなしさがあって、同時に目の前が全部しあわせで、もうぼくに言語野が追い付いてくれないから、ただ退屈ってことになるんだ。もはや凡人にはわからない理解できない叫びを叫ばせていただきました。
ぼくは世界一の天才だから。