中学2年 夏

ノートに書いていると文字に起こすのが少しめんどくさいと感じる今日この頃。

初めて彼女ができた私はback numberを聞いていた。

わたがしを聞きながら、列車に乗り彼女と待ち合わせた駅に向かった。付き合って1年と少しになるが手を繋げないまま夏休みに入った。彼女との思い出を想起した。友達が少ない私は彼女との予定を最優先にして濃密な夏を過ごした。いろいろな観光名所に行ったりひっそりとした区の図書館で一緒に勉強したり、彼女と過ごす日々はとても楽しかった。思い出に浸っているうちに彼女と待ち合わせた駅に着いた、改札口を出る浅黄色に紫陽花の浴衣を着た
彼女は別次元の可愛さだった、単に私の女性経験の少なさによるものかもしれないがそんなことを考える暇さえ与えてくれなかった
いつも私は人を待たせることが多い、間に合わせなきゃいけないという意識が欠如しているからだと思う。遅刻による後悔はしたことがなかったが初めて遅刻して後悔した、こんなに可愛い彼女を待たせている私は何者なんだと自分を責めた。けれども彼女は怒らずに可愛すぎる笑顔を「早く行こ」と私に向けて放った、夏祭りの会場に赴き、型抜きや射的、ヨーヨー掬いなどを楽しみ、イチゴ味とメロン味のかき氷を買い「一口頂戴」と彼女にいわれ、彼女が目をつむって小さく口を開けた、可愛すぎる彼女はまたもや間接キスではなどと考えてた私を消した。可愛すぎる彼女に対していたずらをしたくなった私は彼女の口にスプーンだけを入れた、「意地悪」と笑う彼女はまた可愛かった。
花火が始まる時間の90分前になり、会場が混み始めた。
ヨーヨーをしながら歩く彼女の歩幅に合わせ彼女の横を歩き、彼女とは手を繋がないまま予約したホテルの個室へと向かった、部屋で取るディナーはとても美味しく、いろいろ食べ方を教えながら一緒に食べているとオレンジ色の花火が上がった、音にびっくりしたのか彼女は急に泣き始めた。
ソファーの向きを窓側に向け私は彼女のやわらかく白い手を取り、ソファーに座り膝の上に彼女を乗せた。花火の光で彼女の涙が光った。
彼女が泣き止むときには花火の色は七色に変わった、彼女は目をキラキラさせながら「きれいだね」と私に言った。
花火が終わり、ディナーを食べ終えホテルを出て祭り会場に向かった、花火の終わった後の会場は出店もほとんど閉まっている中
私はりんご飴の出店を見つけ、2本くださいと頼んだが1本しかなく1本だけ買った、店の店主が何を察したのか、2本線香花火をくれた。
りんご飴を彼女にあげた。彼女は「一緒に食べよ」とすぐに返した
彼女の小さい口にりんご飴を持っていき、小さな歯型が残った。その後帰りながらわたあめ屋を見つけ彼女に1本買い、分けながら食べつつ
口の中で綿あめを溶かした。コンビニへ行きライターを買って公園に寄りベンチに座りながらさっきもらった線香花火に火をつけた。
私の花火に息をかける彼女はとても無垢でかわいらしく、つい抱きしめたくなりそうだった
花火を終えた彼女は何かさみしげで美しかった。彼女と駅に向かいながら
私は今日も自分から攻めれなかったことを後悔し彼女を駅まで送り自分の最寄りの駅まで往復した。中学二年の夏も手をつなぐことはできなかった。

中学2年 夏

続編もかいております

中学2年 夏

思春期がおとずれた夏

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-08-16

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted