クリームソーダ
僕には大切な友達がいた。
小さな頃からずっといっしょで、
これからもずっといっしょだと思ってた。
なのに、どうして。
どうして、君はここにいないのだろう。
このお店に来ると思い出すんだ。
いっしょにクリームソーダを飲んで、
おいしいね!
私、クリームソーダ大好きなの!
連れてきてくれてありがとう!
って、にこにこしていた君のことを。
その足元で、大人しく伏せていたキルシェのことを。
君がいない夏はまるで、
アイスクリーム抜きのクリームソーダだ。
さくらんぼもどこかに行ってしまった。
君とキルシェのいない夏。
僕には大切な友達がいた。
いや、友達よりも大切な存在だった。
ねぇ、
今年は誰とクリームソーダを飲んでるの?
クリームソーダ