世界の始まり

輪切りのレモンが
顔に降り注ぐような朝
希望の匂いに迫られて
僕はとにかく目を開けた
街も人も穏やかな速度で
全てを愛せると思った
階段を降りても
地獄には落ちないと信じた
白い口癖をメロディに乗せて
殺風景な部屋の壁を壊す
窓の向こう側を想像すると
誰にも頼まれもしないのに
紅茶を浸した瞬間は
太陽が地球を照らして
心の底まで染みる

世界の始まり

世界の始まり

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-08-09

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