将門の儚3️⃣

将門の夢 3️⃣


 しからば、読者諸氏よ。せっかく勝ち得た自由な表現だ。自ら新皇を名乗った将門公に倣って、思いのままに天皇制の禁忌に切り込もうじゃないか。


-アマテラス異聞-

 後に天皇と呼ばれる渡来人、しかも、女帝にまで登り詰めた女の女陰は、先住民のものといかほどの違いがあったのだろうか。そしてこの女の凄まじい性技とまやかしの占いは、後には鬼道とか神道と呼ばれ、天皇制の真実と共に歴史の闇に永遠に隠蔽されているのだ。

 紀元前×××年。ナゴノミヤの盛夏。
 欅と榊の森に巨石を組み上げた王宮の深奥。アマノキミの執務室だ。
 後に天皇家の祖霊と称えられるアマ族の女王(キミ)のアマと、若くして僧位の頂点に立つ怪僧の奴烏(ドウ)が性交している。石室には巧みに石を組んで清流が引き込まれている。涼風が通り抜ける。二人は分厚い綿の敷物の上にイグサの織物を敷き、真裸で互いの汗にまみれている。
 豊かで白いクダラ人の女帝が黄土色の逞しい大陸の倭人の僧に股がり、性交しながら舌を吸い合っているのである。ニ四歳の男を支配して、淫豊な尻を激しく揺らしている女はニ八歳だ。
 クダラを原初とするアマ族のアマは、先住民の長オサのサルタヒコを駆逐して、ナゴノミヤを拠点に列島の中部に影響力を強めていた。
 父のイザナギはアワジから瀬戸、四国一帯を支配している。
 シラギ人のヒノミコが同じくシラギ人の山陰の独裁者スサノオと連携して、中国地方から九州一帯を統治している。関東は土人のツキノタケルが勢力圏に治め、その以北は北方民族のエミシの地だ。

 極東の小島で、北海や南洋から渡ってきた先住の民と、遅れて侵入した朝鮮半島や中国大陸からの渡来民の熾烈な戦いが、数世紀に渡って繰り広げられているのである。 先住民は主に狩猟の民である。今、日本列島の西半分を凌駕しようとしている新しい渡来民は、米の農耕の民であり、肥沃な土地を貪欲に求め、最先端の武器を駆使していた。そして、渡来民同士の戦いも激しさを増していた。

 アマは塩の生産と流通を支配する四国のアマ族のオオキミ、イザナギの娘だ。同時に父と性交し、一六歳でアマテラスという女児を産んでいる。
 五年前、窮地のサルタヒコに請われて、初めて本州に進軍したのだ。
 中部日本は、とりわけ群雄が割拠して永く争いが絶えない。有力者は愛知の先住民のサルタヒコ、滋賀のシラギ人のナカ族、奈良のクダラ人のソ族、大阪の先住民のモノノベ族の四王である。 
 ナカ族とソ族の連合軍に敗色濃厚になったサルタヒコが、利権割譲を条件にイザナギに支援を求めたのである。かねて本州進出の野望を抱いていたイザナギは、占術を究め美貌と性技、知略に秀でたアマの派兵を決めた。ヌギは最新鋭の大軍を率いてイセに上陸し、直ちに新宮イセノミヤを建造して、サルタヒコとクニマモリの性交の儀式を行い同盟の契りを結んだ。
 クダラの最先端の鉄で武装したアマの軍団とサルタヒコの連合軍はたちまち反転攻勢し、ナカ族とソ族の連合軍を各地で打ち破り、休戦の和議を成立させたのである。
 以来、ヌギは宗務と政務、軍務を司り、サルタヒコは統治を担当している。 すなわちアマはサルタヒコに変わり中部日本の独裁者の地位を獲得したのだ。
 呉人の僧ドウは父イザナギがヌギに与えた参謀である。呉の国との同盟の証しでもある。

 「無知蒙昧の小人の様な先住民を支配するなど容易い事よ」アマは先住民の男をはるかにしのぐ大女だ。肉つきが良く引き締まっている。肌は油をひいた様に艶めいている。尻が豊かで桃色をおびている。ふっくらと張った腹と縦長の臍。豊かで固い乳房と紫色の乳首。赤い毛が繁茂する女陰。両が擦れる太もも。土着の倭人にとってこの女帝は怪物であったろう。
 女が尻を押し入れると女陰が男根を深々と飲み込んだ。
 「いかにも。土蜘蛛族も口ほどでもありませんでしたな」
 「倭人などはただ喚くばかりの薄汚い獣よ。土蜘蛛もそうだが、倭人のサルタヒコはやはり無能だ。やがては完全に排除しなければなるまい。今から手を打っておく事だ。今度の討伐はみなお前の手柄だ。呉の新しい鉄はさすがに強い。倭人の青銅などおもちゃの様なものだ。そしてお前のこれはもっと強いぞ。遠慮はいらん。多くの女を孕ませその血を広げるが良い。倭人など我らが血で絶滅させるのだ」
 二人の会話は中国語だ。
 女が尻を浮かせると、倭人が見た事もない巨根がゆっくり姿を現した。
 「イセノミヤでのキミの占いと祈祷が天に通じたのです」「あんなものは字も知らぬ愚かな倭人をたぶらかす詐術に過ぎん。容易い事よ」女の淫液に濡れた赤黒い肉棒の最後に桃色の亀頭が姿を見せた。
 なまめかしいあえぎ声の合間に白い歯がこぼれる。女帝だけが秘伝の薬草で磨くのだ。複雑な混血の故の赤い髪が背にまで乱れる。汗で数本が顔に貼り付いている。髪から大きな耳がのぞく。

 「捕らえた土蜘蛛族の残党はいかがしましょうか」女が紅い唇を舐め、噛む。「どれ位いるのだ」「三千名はおります」「とりわけ獰猛な一〇〇人を選び、ナゴノミヤで見せしめに処刑しよう。残りはとりあえずはナゴノオクハラに送り新田開発をさせるが良い。やがてはエミシとの戦いの最前線に送るのだ。女は兵に与えるが良い。我らが子を産ませよ。倭人の子供は不要だ。生き埋めにせよ」
 秀でた額に濃い眉。緑がかった大きな目を濡れた睫毛が覆い、高く小鼻が張った鼻が精気を示し、しっとり湿りが浮く。太い首すじやうなじに汗がしたたる。
 「今回は(滋賀の)ナカ族のキミの働きも見事だった」ぶざまに股を拡げて男に股がり、両の手で男の顔を挟み口を吸う。
「しかしあれは決して油断のならない危険な男です。報償はよくよく考えねば」女帝の丸く張った大きな尻が不しだらに割れて秘門までが汗をまとっている。
 「(奈良の)ソ族のキミをそそのかせば訳もあるまい。あやつらの遺恨は本国以来だからな。いずれは二人を同士討ちさせれば良いのだ」「ソ族は(大阪の)モノノベとも対立していますからな」「そうだ。あやつらをあしらうなど分けもないこと」この一帯の最高権力者が怪僧と快楽の性交を繰り返しながら、支配の夢を構築しているのだ。

 「ツキノタケルとの同盟はうまく運んでいるのか」「キミとのクニワケの契りが甚く気に入ったようです」ヌギはツキノタケルともイセノミヤで和睦の性交をしていた。ツキノタケルは答礼として自分の妹をドウに差し出している。 「あの男はいち早く我らに恭順し、同化しようとしている。倭人にしては珍しく利口な男だ」
 「それに反して、あの忌まわしいまつろわぬエミシの動きはどうか?」男の両の手が女の両の乳房を揉む。「酋長のアブクマが死にアダタラという男が新しい酋長になりました」「どんな男なのだ」「飢えた狼の様に獰猛な者と聞いております」女が男根を摘まみ濡れた淫穴に再び導き入れた。
「無知で野蛮な北方の獣など今度こそ一捻りにしてくれようぞ。かの地に無尽蔵にあると聞く金は何としても欲しい。それにしても先の討伐はサルタヒコの浅はかな知恵で失敗した。何をさせても駄目な男よ。今度の討伐は誰が良い?」抜け出た陽棒の形を残し閉じきらない豊かな両の外陰唇が亀頭にまた覆い被さった。
 「呉人の孫旗栄が適任かと。魏との戦いで功績をあげましたが、呉の政争で最近渡来した者です。若いが軍学にも秀でた武将です。一度お会いになられますか?」巨棒が再び淫穴に浸入し始めた。「抱いてやれと言うのか?」「血気盛んな男ですから。申し分なく働くでしょう」女帝の肉壁が痙攣する。

 「シラギ族のヒノミコの動きはどうじゃ?あの女には言い尽くせぬ怨念があるのだ」ヒノミコはヌギの亡母イザナミの妹、すなわち伯母である。「ヤグモ族と連携して西の支配を強めていますが、スサノオの反乱もあり盤石ではありません」「あのスサノオが反乱を起こしたのか?」ヌギはかってスサノオとも性交していた。
女の肉壁の無数の特殊な突起が、男根の総ての神経に絡みついた。「スサノオは今どこにいるのだ」
 「ヒノミコの追っ手を逃れエツ族に身を寄せて再起を図っております。キミに助力を求めています」
 「エツか」陽根の終点で二人の恥骨がぶつかり、女の陰毛と男の陰毛が擦れる。性器と性器が叩きあう淫靡な音が響く。
 「スサノオと会うのはどこが良いのか」尻を淫らに回す女。さらに前後に猥褻に振る。
 「スワの湖がよろしいかと」ヌギはスサノオの男根に思いを馳せる。

 交合が解かれた。今度は仰向けのドウの上にヌギが仰向けになった。男の両の手が女の両の乳房を鷲掴みにした。女帝が大きく両足を開き両の膝を立てた。女の裸の全てが晒された。男は男根と足しか見えない。黒々と茂る陰毛の森に大陰唇が交合の残像を残して微かに口を開けている。そこから一筋の淫液が流れ出している。
 女帝が獲物を探す男根を捕まえ濡れた淫道に再び誘導した。両の外陰唇が亀頭を包み込んだ。陽棒が淫道に浸入犯し始めた。陽棒が肉壁の中にゆっくり埋もれていく。女の卑しい囁きがさえずる。男根が完全に差し込まれた。盛り上がった両の外陰唇が男根をくわえこんだ。女の手がその男根を妖しく撫でる。
男根が女の淫汁で光っている。男根が下から激しく突き上げられるたびに、女の腹の脂肪が揺れる。肉欲ではち切れた裸体が発情した獣の様に痙攣した。


-終-

将門の儚3️⃣

将門の儚3️⃣

  • 小説
  • 掌編
  • 恋愛
  • ミステリー
  • 時代・歴史
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-08-04

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