傷薬

君は笑もせず
怒りもせず
泣もせず
私の傷口にそっと薬を塗ってくれた
流れていた悲しみの涙がピタリと止まる
まるで魔法のように
塗薬は私の傷口を優しくなでる
今度は嬉しさの涙が流れる

君はそっと袖で涙を拭ってくれた
暖かい体温が伝わり声が漏れる
その大きく優しい手に私は守られている
言いたい言葉を探すけど
ありがとう
ごめんね
しか伝えられない

傷薬

傷薬

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-08-04

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