14「僕らの終結」 第4話

注意

今回は男の子が男の子にという描写が入ります
訳アリですが・・。
嫌な方はご遠慮ください

今日の風はとても気持ちがいい
お天気もなかなかいいし
小鳥の鳴き声さえもがぴよぴよとメロディーを奏でる
いつもの自分ならさぞかしご満悦だろうが・・。
けれど、今。
自分の心はそんな余裕はなくて
せっかくのお昼寝日和なのに残念だと思った
全然、気分が晴れない
どうしても2人のことを思い出してしまうのだ
「今頃、どっちとも隠れて泣いてるのかなぁ~・・。
 まぁ2人も素直じゃないからなっ・・くくっ。
 まったく本当に似たもの同士だなぁ・・。」
俺は屋上で一人ぼそっと言った
すこし笑うことはできたものの・・
全然だ。
心が今すっからかんだ
俺は小さくため息をついた
なんでさ俺はこういうとき2人の頼りになれないんだろう
という悲しい気持ちを少しでも吐き出したい
(やべぇ・・ガチで泣きそう)
ってか俺絶対あいつら2人がなんかあったときは
全然眠れてないな・・
てかいつも俺屋上で泣いてね?!
「ええっ?!・・・俺泣くために屋上きてんの?!
 嘘だろ!・・うわだっさぁ・・・。」
がくっと私は頭を落とした
「かっこよく、ちょいチャラ系でかっこいい系男子を目指しているのに・・
 俺マジ女々しいじゃんか・・ぐわぁっ・・。」
「何、一人漫才やってんのよ。」
「えっうわぁ?!・・・茜ちゃん・・」
いきなり後ろから声がしたかと思って
上を見上げれば
茜ちゃんだった
相変わらず髪の毛はぱさぱさで
髪をとかしてないってすぐ分かる
せっかく美人なのになぁ・・
茜ちゃんは俺の唯一女の子の中でただの友達
っていうちょっと特別な存在
茜ちゃんは俺を異性と見てないらしい
茜ちゃんが俺の隣に来て座ると
「ちょっとアンタ・・大丈夫?」
茜ちゃんが少し目線をそらしていった
「え?何が??」
俺は何のこっちゃわかんないので
疑問形にして返した
「はぁ?!何がって・・・はぁ・・
 ごめん。もう、いい。気にした私が馬鹿だった」
「ええ?!・・何のこっちゃわかんないんだけど?!
 え、気にしてくれたの?んでわざわざ授業さぼって
 屋上来ちゃってくれたの?!うわ、まじで?!」
わちゃわちゃ混乱していると
あかねちゃんからぐーで殴られた
「イタっ!・・なんで殴るの?!」
「アンタがうるさいから!」
茜ちゃんはぷいっと横に顔を向けた
「暴力はふっちゃいけないでしょーっ、てかこっちみてよぉ!」
と言って強引にこっちに顔を向けると
茜ちゃんはぱしっと俺の手を離させ俺の顔を見て言った
「うるさいわねぇっ、本当にあんた馬鹿なの?」
指をぴっとさしてくる茜ちゃんはすっごい
見上げてるかんがある
いや、まぁ隣に座ってるんだけど
見上げてる感がとにかくある
「あんたあんたって茜ちゃん!俺にはぁちゃんと爽汰っていう名前があるんだけど!」
俺が自分を指差して言うと
「ったく、うるさいわねぇ!あんたなんてあんたで十分よ!」
「ひどっ」
茜ちゃんが「ねぇ」と小さく言った
「なに?」
俺は茜ちゃんの声が小さくなったことに反応して
落ち着いた声で返した
「あんた、悩んでるでしょ?」
「え」
いきなりの茜ちゃんの言葉にびっくりしてしまった
そして、あぁ・・顔にでてしまっていたのかと思った
だいぶ普通にしゃべれたと思ってたんだけどなぁ・・
「何も悩んでないよっ」
と明るく言った
すると茜ちゃんは瞬間すごく寂しそうな顔をした
「そう、それならいいんだけど」
「・・・茜ちゃんこそ、今日もしかして元気ない??」
「え?特に・・普通よ」
「そっか、ならよかった」
俺は優しく微笑んだ
するとまた茜ちゃんは寂しそうな顔をした
(やっぱ、今日の茜ちゃん・・元気ないなぁ・・)
そんなことを思っていると
茜ちゃんはぱっと立って
「もう、いいや。教室に帰るよ」
「え・・、あ、うん」
茜ちゃんはさっそうと屋上からいなくなった
俺・・・
茜ちゃんに相談することはできないんだよね・・
絶対茜ちゃんをこんなことに巻き込みたくないから
そう言えたらなぁ・・
俺は「よいしょ」と腰を上げてフェンスに腕をかけた
「はーっ・・・」
俺は空を見て綺麗だなと思った
そして下を見た
すると蓮ちゃんがいた
「蓮ちゃん・・?なんであんなところにうずくまって・・」
蓮ちゃんは泣いているようだった
俺の心臓がなんだかカッとなった
なんだこの・・複雑な気持ちは
「蓮ちゃん・・」
ぼそっと小さく言った
無意識に言葉が出た
なんだか胸がずきずきする・・
なんだろ、いつも蓮ちゃんをみると心がズキズキするんだ
「恋」?
そんなんじゃない、きっと勘違い。
蓮ちゃんは何秒もしないうちに校舎に入っていった
俺は胸をトントンと叩いた
異常はないな・・・。
俺は常識人間なんだ!れっきとした男なんだ・・!
女の子の体にだってちゃんと興味はある!!
それが・・・なんだ。
この俺が・・蓮ちゃんを・・・
ドキッ
ありえない!
ドキン・・ドキン
絶対にありえない
どくどくどくと脈がなる
そっと手を頬に当てると尋常じゃないほどあつくて
0、5秒もしないうち
「なんなんだよ~!こんの気持ちはよおおおおォォォッ!!!」
俺の苦痛の叫びが大空に響いた

14「僕らの終結」 第4話

はい、第4話終了!
今回はソータsideで行きました

第3話について・・・

さて今回は爽汰が蓮のことを好きだと自覚するっていう話でしたね
別に爽他はホモとかゲイとかではないのであしからず。
爽汰は蓮のことを幼少期から大好きでしたが
そのときは友達としての好きでした
しかし、蓮が変わって女の格好をするようになってからは
なんだか意識してしまい、蓮の女の精神に「恋」をしてしまったってことです
この作品をそういう作品にするつもりはまったくありませんので。
この作品の中で「性」というのを入れるためには
爽汰が蓮のことを好きになるということは欠かせませんということです

次回は間がずいぶん空くと思いますが
次回もお楽しみに!

14「僕らの終結」 第4話

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-11-11

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