思い出

四十万 三月

部屋の壁には、光の穴が空いている。
冷凍庫に棲みついている希死念慮はあの日のままの姿をしている。
南京錠の鍵は失くした。

(セミの抜け殻を踏み潰した音に襲われている)

忘れたんだから目を逸らそう。
手を取り合って、僕らは退屈になる。
そこに何も生まれやしない。

思い出

思い出

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2020-08-01

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