独憧憬

渡逢 遥

針のような木漏れ日
突き刺すは目にみえない臓器
非常口を横目に
起伏の無い道をひとり、歩くばかり


胸焼けする下書き
付箋のように殖える憎しみ
歩道橋を後目(しりめ)
温い泪が現実を、伝うばかり


泡になった声が聞きたい
詐欺の全部に救われたい
澱む瞬間だけ焼き付けたい
春も夏も、秋も冬も


きのうは後の祭り
無理の羅列で今を誤魔化し
空を覆う(かささぎ)
悪質な夢は現実の裏返し


無味乾燥の笑顔、蔑み
飼い慣らした痣を慈しみ
気休め、嘘、繕い
正常は狂気と常に鏡写し


終わる瞬間だけが観たい
気休め全部を奪われて
逃げ道の全部も潰されて
厭うものさえすらも失くして

君を忘れないうちに去れたら
僕は君を愛しきれる、な

独憧憬

独憧憬

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2020-07-30

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