【連載】シルバーエイジの物語 018

万田 竜人(まんだ りゅうじん)

018 いよいよ待ったなしの師走を迎えた

12月1日(水)  晴れ  駐車スペースの工事着工

鎌倉ファミリーの処に、二泊三日で出掛ける家内を駅まで送り、その後は気分転換を
兼ねて散髪に出掛けた。気分もスッキリしたところで飼い犬を連れて彩の森入間公園
を散策した。

帰路に入間が丘の東町の建築現場に寄って職人さんに挨拶。既に玄関アプローチの
飾り石の敷き詰め作業が始まっていた。

働き者の職人さんの手順を拝見していて、センスの良さが伝わってくる。

最初に、大きな飾り石を配置して、その後で、隙間に飾り石を砕いて、パズルのように
貼り込んで行く。

南側のフェンスは化粧ブロックが、既に5段積みされており上部には横張りフェンス用
の支柱が建てられて、後は、コンクリートでがっちりと固める段階まで来ている。

駐車スペースは、下層に相当する部分に砂利まきが施されており、次の工程を待って
いる段階である。明日からは工事監督の中村さんが研修に出掛けるため一階と二階
の窓部を開放して、部屋の空気の入れ替えを実施すると云う。

内覧会は12月6日大安に設定されていて、お互い日程的に都合の良い日であった。


12月2日(木)  晴れ(後)夜は雨  南側フェンスは塗装が不要

今週から、テニススクールの練習は休みにして引越し準備を最優先とすることにした。

先ずは、下駄箱の裏のめったに空けない押入れなどを調べておかないと引越し前に
粗大ゴミなどが出てきてもいやだなと考えて 「開けてビックリ」 である。

「古いテレビ・古いミシン・旧型のテニスラケットなどがぞろぞろと出てきた」

☑ テレビは、Y電機に持っていって廃棄処分をしてもらった。もちろん有料である。
☑ テニスラケットについては、テニスショップに廃棄処分をお願いした。
☑ ミシンは、粗大ゴミ扱いで、市役所に廃棄処分してもらうことにした。

やはり、早目に、下駄箱の裏の押入れを開けて正解であった。

一方、東町の建築現場では、南側フェンスの横板が姿を現しアルミ材なのに木材
の味わいそのものなので驚いた。
(メンテナンスのためのペンキ塗りが省けることがなによりも嬉しい)


12月3日(金) 雨(後)晴れ  事前にインターネットで転居届

市役所の総合クリーンセンターから、粗大ゴミを取りに来てくれる方々が仕事がしや
すいようにと考えて、駐車場の車を他所に移動するだけのことであったが着ていた
衣類がすっかり濡れてしまうほどの強い雨脚であった。

それでも、ゴミ収集車が到着したときには、すっかり雨が止んでいて助かった。

引越し準備に伴う粗大ゴミの発見も 「これにて、終わりか」 と、思っていると、
また、出て来るので、現住居の引渡し日の12月20日までは、粗大ゴミの処分
が続くものと覚悟を決めた。

庭で、粗大ゴミを出した後の片付けをしていると、顔馴染みの郵便屋さんが見えた
ので近日中に引越しする旨を伝えると・・・

「転居届は本社で受け付けてから事務手続きが始まるので出来れば早目に出して
おいたほうが良いですよ」 と、貴重な助言をいただいたのでインターネットで登録
を済ませた。

午後3時頃に、家内が鎌倉の娘の処から戻るというので、駅まで迎えに行き、その
帰り道に入間が丘の東町の建築現場に立ち寄った。
(南側のフェンスは既に完成していて、その出来栄えに、私も家内も大満足した)


12月4日(土)  晴れ  粗大ゴミを総合クリーンセンターに持ち込み処分

今朝は、暖かな陽気で、庭の片付けも苦にならない。

私と家内と二人で庭の粗大ゴミを車に積み込んで市役所の総合クリーンセンターに
出掛けてみた。

今までは、自分の車には積み込めない長尺物の類を粗大ゴミとして出してきたため、
市役所には運搬も含めて廃棄処分を依頼してきたが、今後は粗大ゴミとはいえども
自分の車で運べる大きさのものばかりになってきたので総合クリーンセンターに直行
して廃棄処分を体験することにした

先ずは、第1ゲートで担当スタッフから・・・

「家庭ゴミですか?」
「産業廃棄物ですか?」 と、聞かれて、
「家庭ゴミです」 と、答えると

「2番ゲートに、向かってください」 と、云われて自分の車を進めて行くと、やがて順番
が来て、車から降り廃棄物を手渡しすると、その場で端末入力が行われて即座に料金
票が発行された。

「さすがに素早い荷捌き」

第3ゲートが料金支払いの窓口になっていて、現金の支払いが済めば、すべての工程
が完了するという手順になっており、実に、俊敏な対応である。

これからの 「粗大ゴミの廃棄処分の手順が大まかに呑み込めた」 ので、今後の粗大
ゴミの処分には、簡便な手続きで、容易に対応できると感じた。


12月5日(日)  晴れ  駐車場のコンクリ養生

本日から、引越しの準備が途中の段階の部屋から優先させて片付けて行こうと考えて、
朝から片付け作業を始めた。先ずは、書庫に狙いを定めて、書籍類のダンボール詰め
から注力して行った。

家内は、作業ペースが手早いので、台所や衣類の整理・そして・庭の片付けなど早々と
済ませて、フィットネスクラブに出掛けた。

私は、なにごとも、急いでものごとを進めるのは、自分の性格から云って好まないので、
しばらくは、テニスを休んで、引越し準備に集中することにしている。
 
どちらかというと緊張するタイプの私なので、期末試験や旅行の前などにはいつも好き
なことも・止めて・取り組む癖がある。これも性分なので、気持ちが急いているなかでは、
楽しめないという気の小さいところが、大いに、影響しているのだと自覚している。

歌手のコブクロが背の高い人と標準の背丈の人でコラボしてグッドハーモニーを奏でて
いるように・・・

「我が家でも、肝っ玉の大きな家内と気の小さいボクとで、味わいのあるハーモニーが
入間が丘の東町でも、継続して、楽しく奏でられれば」 と、考えている。

その入間が丘の東町の建設現場では、駐車エリアなどのコンクリートの養生が進めら
れており、家の周囲が広々としてきた印象である。

明日は、東町の建屋の内覧が、午前10時から予定されている。


12月6日(月)  晴れ(大安)  新築住居の内覧

入間が丘の東町の新築住居について、その内覧は、午前10時から開始された。

月曜日と云えば、かつて、狭山市のデザインセンターで、間取図などを設定する
打合せが、毎週、月曜日の午前10時からであったので・・・

時間的に、設計士の宮崎さんとのデザイン・ミーティング(設計会議)を思い出し
ながらの内覧となった。

内覧では、工事担当(主任)の中村さんが説明役で 「引渡しの事前案内書類」
に沿って手際良く説明が行われた。

「玄関の鍵は、お客様が使用開始することで、工事関係者の鍵は、無効になる
仕組みになっています」

「電気関連の使用開始に当たっては、東京電力の志木支社に電話して下さい」

「同じく、水道関連の使用開始は、入間市水道部に連絡して下さい」

「住居の引き渡し後のアフターサービスはJグループ品質保証課が担当します」
などなどの説明から始まって、機器類の操作を手際よくご説明いただいた。

機器操作などの説明を伺っていて・・・

「時代に応じた、住宅用機器類の進化の状況が、身近な感覚で伝わってきた」
同時に 「住み心地の良い住環境で暮らせること」 に、大いに感謝である。

エコキュート機器の関連は、K社の担当の方から説明があり・・・

「彼らこそが、エコキュート開発のパイオニアである」 ことを初めて知った。
担当からの説明にも、大いに工夫があり、聞いていて分かりやすかった。


12月7日(火) 晴れ(後)曇り  フロアスタンドの配達

朝日が眩しいほどの好天気に恵まれたが夕刻には雨が降り出す天気予報である。
今日は、午後2時過ぎに東町で使用する予定のフロアスタンドが配達されるという
ので彩の森入間公園の散策はその後に飼い犬を連れて出掛けようと考えている。

なにしろ彩の森入間公園に行かなかった日は夜の寛ぎタイムでテレビを観ている
ときに飼い犬が彩の森入間公園に行かなかったことを思い出して吠えてくるので、
天気さえ良ければ 「公園に行かない訳に行かない」 ほどに・・・

「彩の森入間公園における散策は、散歩の域を超えて、今や、飼い犬の脳内には、
当然の日課として、しっかりと定着している」 ようである。


12月8日(水)  朝方雨(後)晴れ  薔薇のアーチの購入

朝方は、雨が残ったが、連続ドラマが始まる頃には晴れ間が出てきた。

今日も気合を入れて 「引越しの準備をするぞ」 と、自分自身に暗示をかけて作業
を開始した。約7割は片付いたかという感じなので、今日からはローラー作戦を兼ね
て、荷物ごとに、行く先の部屋の表示を予定している。

そのときに、更に考え直して、捨てるものはないかと現物を前にしてふるいにかける。
「必要と判断したもの」 は、部屋ごとの配置図をイメージして並べ方を絵にしておく。

この過程を入れておくと、引越し業者の方と 「上手く協調作業が出来る」 ため配置
のやり直しなどが減らせる。年齢的にも、夫婦二人による再配置は無理なので、この
過程は不可欠である。

引っ越し準備の途中で、Kホームズに出掛けて 「クーラーの室外機の木製カバー」
および 「つる薔薇のアーチを購入しよう」 ということになり、これも引越しの段取り
の一環なのでフットワーク良く出掛けた。


12月9日(木) 晴れ  アジアンルームの整理

今朝は、食事を済ませた段階で、我々が 「アジアンルーム」 と呼んでいる部屋に
陣取って引越し荷物の集積を開始した。このアジアンルームという呼称は、二人で
名付けたもので、西側に 「陽だまりの部屋を造ろう」 と、いうことになり、押入れを
壊して、リフォームをした部屋である。

天井や壁のクロス材を選ぶ際にアジアン調を意識してデザインしたことから名付け
たもので、二人にとっては、元気の出るお気に入りのパワースポットである。

次いで、南西に位置する部屋に移って、家内がダンボール詰めした荷物に、行先を
マジックで明記して積み上げて行く。

次には、天袋の高いところにある荷物を整理してダンボール箱に詰め込み、行先を
表示して作業を一段落させた。

その間に、家内は、二階のトイレを磨き上げて、次の居住者にも、気持ち良く使って
いただけるように、トイレの神様にも感謝の気持ちを込めて拭き掃除を完了した。

家内は休む間もなく、次いで、洗面台の掃除に取り掛かった。
(相変わらずやることが速い)


12月10日(金)  晴れ  飯能市と入間市にて住居売買の事務処理

朝は寒さが厳しく防寒支度で外出したが、飯能市の銀行で現住居の売却手続きを
完了した頃には外に出ると暖かな陽気で助かった。

同じ入間市内で、ご両親と同居されていた若手のSさんに、我が家を購入していた
だき、今年の5月に契約して、以来、長らくお待ちいただき感謝・多謝である。

Sさんは、コンピュータが趣味でサーバーなども保有しており入居までには、床材の
補強が必要であると聞いているが、入居は、来年の予定であり詳細なスケジュール
は、まだ決まっていないという。

当面は 「荷物を置くための倉庫代わり的な存在」 と、お聞きしており居住区として
使用する必要性が明確になるまでは、リフォームなども急がない様子である。

飯能市の銀行において、売却手続きが完了したのは、午前10時であったが、Sさん
は、引き続き火災保険について35年間契約があるとのことで、保険業者と共に部屋
に残り、契約手続きの詰めに入っていた。

私と家内は、Jグループ 営業担当の松本さんと・3人で、次の段取りとして入間市の
銀行において、入間が丘の東町に完成した住居の引渡し手続きがあるので陽だまり
感が頬に伝わってくる様な・暖かな陽気の中を、入間市に向かって車を走らせた。

飯能市の該当の銀行は駐車場が狭いと聞いていたので、Jグループ営業の松本さん
が運転するクラウンに三人で同乗して出掛けたのだが入間市の銀行支店は、駐車場
が広いので、二人で自分たちの車に乗り換えて、銀行支店に向かった。

入間市の銀行支店では、登記準備等の手続きも、スムーズに完了した。

それにしても我が家を購入して下さった、Sさん宅には感謝・多謝である。不動産売買
については、ほんとうにチャンスの神様の前髪をしっかりと捕まえることがたいせつで
あり、そこに躊躇があってはならない。

私自身の身近な経験からも、このことには、多くのエピソードを有している・・・

☑ 先ずは、胃が痛くなるほどの経験談から紹介することにする。

あれは、私が、定年になって退職した直後のこと。ある日、読売新聞の朝刊に大きな
高層マンションの売り出し広告が載った。場所は池袋のサンシャイン近郊で春日通り
に面した一等地の物件であった。

私のビジネスコンサルタントとしての顧客とも四年間契約がまとまり、定年後も活躍
出来る舞台も定まり、家内も都心勤務でやや遠距離通勤ではあったが業務の進捗
は順調であった。

その様な状況にあって、朝食後の二人の結論は 「兎に角、物件を見て観るか?」
ということになり、その日が休日ということも手伝って、池袋まで出掛けてみることに
なって、気軽に出掛けた。

当時の感覚としては、私にとってのコンサルタント業のお客様への道筋を考えた時
に池袋は我が家の玄関先のような印象であり、家内にとっても、勤め先のオフイス
に向けての格好の中間的な停泊地点であった。

その様な気分的な伏線もあって、現地の高層マンションのモデルルームに惹かれ、
「購入する気持ちで出掛けた訳ではなかった」 が・・・

購入するとしたら 「どの規模の」 「どの価格帯の」 「どの部屋を」 選択するかに、
二人の志向が動き出して 「何号室を」 購入対象として下見するかにまで、思考が
発展して、現地の営業マンとの交渉がスタートした。

結果、購入する部屋は 「私がコンサルタント・オフイスとしても活用でき」 「家内も
同様にマイ・オフィイスとして活用できる」 ワンルーム仕様に絞り込み衝動買い的
ではあるが 「仮契約」 を結んだ。

そして、営業マンがお薦めの 「高層マンションの最上階のゲストルームの夜景」を
楽しんでから帰宅した。
(事前に申し込めばオーナーならいつでも楽しめるという夜景には大満足であった)

かくて、埼玉県入間市の自宅の玄関口的な存在が、池袋サンシャイン近郊に出現
することになった。

しかし、その後、私のビジネス・コンサルタント先の顧客のご厚意で、本契約期間の
四年間に渡り(結果的には六年間)専用オフイスが用意されて、正規社員ではない
ものの講演を主体とした契約に対して、現地取材などのための場が用意された。

私としては、セカンドハウスを兼ねた都心オフイスとは云え、家内がオーナーであり、
投資額的にみても、私自身サブの経営パートナーという自覚はあったので経営的に
様子を観ながら、ある程度のノウハウが取得できたら、次は、自分自身がオーナー
的な存在として小規模的なマンション経営を手がけても良いかな、と、考えていたの
で手伝い気分というのが正直な感想であった。

それでも、ある期間(3~5年間)を過ぎたら、賃貸物件としてマンション市場に供して
行く必要性は感じていたので、周辺の不動産業に、物件としての価値として、賃貸の
市場価格や顧客関係のマーケティングなどは、サブパートナーの立場から、徐々に
ではあるが当っていた。

一方で、我が家のファミリーとしての活用状況は、池袋の三越における年始の福袋を
目当てにして、正月にセカンドハウスに泊まり込むなどの活用はあったが、宿泊での
利用頻度は少なかった。

強いて云えば、丁度、池袋にマンションを入手した時期に息子が結婚することになり、
私と家内と息子の三人で九州の鹿児島まで結納に出掛けたご縁で九州のご両親が
上京された際には、セカンドハウスのマンションにお泊りいただき、花嫁が結婚式の
打ち合わせで上京されたときにも、池袋のマンションにお泊りいただいた。

そのような過程で、息子たちと一緒の、池袋のマンションにおける懇談のあとで・・・

鹿児島の結納の際には伊勢海老やヒラメなどのご馳走ずくしでお世話になったこと
から、お礼に、池袋の焼肉屋に、ご案内した。

その焼肉屋での懇談の時に、池袋のマンションがすっかり気に入った様子であった
ので、家内から 「将来的にはマンションの活用」 を託すというニュアンスで、二人
に向けてアナウンスした。

私も、傍で、聞いていて、将来的に、小規模ながらマンション賃貸のオーナーとして、
経営が軌道に乗ったらオーナーとしての小さな夢を託すことも良いかなと考えた。

ところが、事態は一変、息子からのひと言は・・・

「マンションをもらっても、処分に困るので、現金で欲しい」という感想であった。

私としては、マンション経営も、まだこれから試行錯誤の段階であり、家内から息子
に譲る時期も、中長期的に遥か先の話と思っていたので、当惑した。

私の勝手な願望としては、やがて、小規模ながらマンション賃貸の経営に見通しが
着いてきたころには、オーナーとしての権利は、そのまま保有出来るので、たまに
は最上階のゲストルームを借りて、俳友との 「句会」を挙行したいと考えていた。

しかし、その後のマンションオーナである家内と息子との話し合いで・・・

「池袋のセカンドハウスは売却、息子に一部資金を生前贈与することに決まった」

私としては、サブパートナーであり、黒部ダムへの旅以来、私と家内の間で意見が
異なったときには 「家内の直観」 を尊重すとことに徹して来たので、マンションの
売却に向けて動き出すことになった。

しかし、その先に、とんでもない 「落とし穴」 があることは予想もしていなかった。

(続 く)

【連載】シルバーエイジの物語 018

【連載】シルバーエイジの物語 018

  • 小説
  • 短編
  • ファンタジー
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2020-07-30

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