経典について

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Q:あした、地球が終わらなくても、ただ、きみの好きな誰かだけが、生きていた証拠も含め、とつぜん、消えるなら、きみはどうする? どう思う? どうしたい?
A:いや、知ったこっちゃねえよ。
二十歳を過ぎてしたことといったら飲酒ぐらいしかなくて、それも一度だけで、のらりくらりと僕が生きているからか知らないけど、幽霊じゃないのに、きみのからだが透けてみえる。
いっそ自粛期間に山籠もりでもして経典でも読んでみたなら目の前がサイケ模様になって諸行無常とか感じるのかな。モンハンもFFもプレイしたことないまま二十歳になった謎に答えが出るかな。塗り絵みたいに輪郭線がつけば、きみも少しはマシな見た目になるだろう。意味なし禅問答みたいな、机とカラスの共通点とか、今時何がはやるかなんてわからないよね。贅沢は言わないけど宇宙の背景は白がいいな。国語辞典とか編纂してみたい。JKの加工写真にブーイングしたい。電気代とか水道代に追われている自分が清らかで、目も見えなくなってしまうくらいの、どうでもよさ。メンヘラ女を観察するだけで一日を終わらせられれば楽なのに、課題を出さなきゃって焦ってる。違法ドラッグに手を出したことのないやつらが編集した電子ドラッグっていうニコ動のタグ、そういうものに悟り開いてみたーい! 的な開き直りが、昨日と明日の僕をコーティングしている。

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悟り開いてみたーい!

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-07-26

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