自由律句 30

自由律句 30


猿がいるどこだもういない


忘れたころに耳にする露出狂の出没情報


シャトルランという地獄


高校の時のハーフパンツで寝ている


天然パーマの中に入った蠅が出てこない


冷めたカイロに連絡先が書いてある


空港内で鳥が飛んでいる


燕の巣ごと解体される駅前雑居ビル


駅の待合室に瀟洒なおっさんひとり


掃除機にコンセント吸わせる機能


雀を生け捕りにして帰ってきた猫


塩素の匂いに誘われる

自由律句 30

自由律句 30

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-07-24

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