廃園地

人影もない夜の遊園地。君と一緒に来たはずなのにいつしか君はいなくなってた。暗がりで怖いから僕は声を上げた。「誰かいないの!」泣きそうな声は遊園地内に反響して僕へと返ってくる。怖かった。あの建物の裏から化け物が僕を襲うような気がした。ピカピカと光る遊具も、派手な看板も、今では全く影がない。みんな、どうしたんだよ。ねえ、返事をしてよ。遊園地は楽しいところなのに、こんなんじゃまるでお化け屋敷だ。僕は、ただ楽しみたかっただけなのに。どうしてこんなことになったの?思い出そうとしたら急に胃がムカムカして、僕は吐いた。思い出すな。そう、強く誰かに指示されているように。

廃園地

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廃園地

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-07-14

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