妄想写真エッセイ『インターホン』
撮影場所:実家の玄関
実家のインターホン。老朽化で音が鳴らなくなってしまったので、西川家を訪れる客人を困らせないためにも、壊れたインターホンに父が“OFF”と“#”のような記号(おそらく“×”を重ねたもの)を棟方志功的に書きなぐった作品。父なりのささやかな気遣いなのだろう。
これを油性ペンで書いている父を想像する。おそらく何も考えずに左下から“×”を書き始め、いくつかの“×”を重ねていき、「これでは抽象的すぎる」ということで“OFF”という英字を散りばめたのだろう。
先日気になって念のためボタンを押してみたが、やはり音は鳴らなかった。
妄想写真エッセイ『インターホン』