天体観測
わたしたちの、根幹の、ゆがみ、ふくざつに、まぼろしがゆれて、朝はもうしんだ。やさしい星には、きみのような、やさしいひとしかいないのではなく、やさしいひとがやさしいひとであるために、やさしくないひとがいて、いわば、正義と、悪、のようにあつかわれて、やさしい星のくせに、すこしざんこく、と思う。チーズケーキのことを想うと、しんぞうがはずむように、せかいのどこかにいる、好きなひとのすがたを想像して、いとしい、と感じたときに、どうか、海が、わたしの母でありますようにと祈ってる。さかなだけが、えいえんに、おかあさんのうでのなか。
紅茶をのみながら、しらない星を、天体望遠鏡でのぞいている。
わたしたちの、この星はきっと、そとからみると、赤茶けているきがする。錆びの色。わたしたち、いきているものどもの、ひみつごとが、すこしずつ星を、こわしていった。あの、このあたりではいちばんおおきな駅から、あるいて三分のところにある、うらないのやかたの、水晶うらないのひとが、はめつを予言していたけれど、それはあながち、はずれてはいないのかもしれない、と思いながら、紅茶にしずめた、輪切りのレモンを、ティースプーンですくいあげた。
天体観測